高卒支援会 PTAだより 2021年12月号 「100%を求めない」
さて、今年最後の保護者会となりました。
まずは、インターンの村上さんの心理学セミナー!
金曜日の疲れた脳にはちょっとむずかしいかったですが、参考になる点も多かったです。スライドはとても整理されていて、時間をかけて準備していただいたことに感謝です。ありがとうございます!!
話のなかで、竹村さんが、
『不登校になる子には、「100%完璧を求めてしまう。完璧を目指してしまう」子が多い。1%でも欠けるとやめてしまう、一日でも休んでしまうといけなくなる、などの子が多いそうです。』
そんな話を聞いていたら、ある会社の部長さんのお話を思い出しました。
「不完全なまま走り出すって、実は力がいる。でも今は、テクノロジーや情報の流れが早い。完全を求めてからスタートしていたら、周回遅れになってしまう。だから、不完全でも走り出さなきゃだめなんです」、と、話のなかで紹介された本が、
「ネガティブ・ケイパビリティ 帚木蓬生」という本です。
ネガティブ+能力? ネガティブな能力???
副題には、「~答えの出ない事態に耐える力~ 」とあります。
精神科医であった筆者は自問自答する日々が続いていたそうです。
「この治療法であっているのだろうか?」
「あの患者さんは、またもとの状態にもどってしまった。」
「数年間、ケアしてきたけど改善がなかった。」
精神科医ですから、確立された治療法などなく、自分の無能さに苦しんでいたそうです。しかし、あるとき、この「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を知り、
「医師に求められるのはすぐには治せないことを受け入れて、患者が歩む長い道のりに連れ添うこと。ただちに解決できない状況につき合えるのも一つの能力。」と気づき、この言葉に救われたそうです。
人間の脳は、わからないこと、不確実なことを埋めたいと思う性質がある。それは自然なこと。しかし、そんな状態でも、それを許容できるには、実はは、力が必要。
この「ネガティブ・ケイパビリティ」を提唱した英国の詩人ジョン・キーツの言葉では、「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」とあります。
勝手な解釈で、ビジネスに置き換えると、
学生時代の勉強は、「答えのあるところに答えをだしていく」
ビジネスパースンになると、「答えのないところに答えをだしていく」
答えはひねり出すが、100%の答えは存在しない。不確実な答えでも、答えを実行していく。面倒でも時間がかかっても大変でも、不確実な施策と知りながら、実行していく。不確かなことを抱えながらも、心のどこかに不安を抱えながらも、進んでいかなければならない。
大人でも力がいるんですね。
生徒たちには、
「脳が勝手に100%や完璧を求めているんだ。
100%や完璧でなくてもいいんだ。
それが、普通なんだ!」と思えるようになってくれるといいですね。
夫婦で目線はあわせてほしい
最後ということもあって参加者も多く、ご夫妻での参加も目立ちました。
その後の懇親会では、お父さんチームとお母さんチームに分かれて、双方のグチ?!+自己反省をする会となりました。
お父さんとお母さんの役割がうちとは逆だなあとか、少しづつ期日を守れるようになってきたのはうちの子も同じだなあとか、いろいろ共感できました。
お父さんチームの雑談のなかで竹村さんが
「夫婦で目線はあわせてほしい」という話をボソッとこぼされていました。
たぶん、しつけのこと。
厳しくするところ、緩くするところ。譲れないところ、譲ることろ。
そして、方針。
なにを優先したいのか、どう成長してほしいのか。なにを大切にしてほしいのか。
目線を合わせないと、子供たちだけでなく、サポートする支援会さんも混乱するのでしょう。
保護者会に夫婦で参加することも、目線を合わせるきっかけになりそうですね!!
「夫婦で参加していないお前はどうなんだ!」とツッコミを入れられそうですが、参加できない方のために、保護者会の内容をできるだけNOTEで伝えていきたいと思います。
最後にもうひとつおすすめの本
本を紹介しておいて、この本を紹介しないわけにはいきません。↓
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