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東急2000系は何故半数を廃車してまで9020系に更新されたのか

115系2000番台の番台消滅について昨日は記事を書きましたが、東急2000系の9020系化に伴う、一部早期廃車について考えてみたいと思います。

2000系は、2018年から2019年にかけて行われた更新時に、30両在籍していた半数に及ぶ15両もの中間車を廃車し、5連3本に再編し大井町線に転用されたことが特筆されます。
その理由を考えてみました。

①少数派形式・編成の淘汰
2020系の導入前の田園都市線は、
東武乗入対応:8500系・5000系
東武乗入非対応:8500系の一部・8590系・2000系
という布陣を組んでいました。
費用対効果や東武側での乗務員訓練の手間を考えてこのようになっていたと考えられますが、置き換えを行うのであれば、その対象は運用に制限のある形式・編成を優先すべきことは言うまでもありません。
当たり前のことですが、乗入対応車が乗り入れのない運用に入ることはできても、乗入非対応車が乗り入れることはできないのですから。

②機器更新時期との兼ね合い
1992-1993年という2000系の製造年を考えた場合、機器更新時期に差し掛かっていたことも理由の一つでしょう。もちろん2020系同等の機器に更新して、10両のまま走らせるという選択肢もあったかもしれません。だとしても完全統一をすることは難しいものがあります。
ただ2003Fだけは暫定的に10連で試運転を行なっていることから、そのような選択肢が現実的でなかったと言い切ることはできないでしょう。

③部品確保
一般的にVVVF世代の車両は機器のブラックボックス化が進んでいると言われ、部品確保の難易度も高まっているとされています。一見半数を廃車したことは素人目には無駄があるように思えますが、15両を廃車することで残り15両を長期的に活用するための部品が確保できると考えると、ある意味合理的であると考えられます。

④転用先の存在
同系車である9000系が数多く存在し、4本の8500系が活躍していた大井町線という転用先が存在し、大井町線のVVVF化が達成できることも挙げられます。大井町線の8500系についても書きたいことはありますが、長くなるのでまたの機会に改めたいと思います。

模型では?
模型であれば無駄のない改造計画を立てようと考えるのがモデラーの性ですが、実車はそうもいかないのが現実ですね。
ダブルパンタ屋根の増設側配管が特殊なこともあり再現が難しいように感じる9020系(2003F更新後・含)ですが、更新綜合車両事務所では、「9020系一般電車ダブルパンタ屋根」を頒布しています。

スクリーンショット 2020-08-13 23.50.29


http://koushincarfirm.work/shopbrand/9020/

現行の5連であれば屋根は1枚だけの交換で済みますし、ダブルパンタ車が2両組み込まれた2003Fの暫定編成を再現するのも良さそうです。幻となった2003Fの10連を再現できるのも模型ならではですね!

種車に使える完成品も再生産のようですし、製作されてみてはいかがでしょうか。

更新綜合車両事務所の中の人でした!

ぜひ公式ホームページにもいらしてください!
http://koushincarfirm.work

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