MBTIが好まれるのは何故だろうか

16という数字の妙

 本来、具体性・確度を求めるのなら分類数は多い方が良い。現に200タイプ以上を扱う性格診断もあるし、MBTIに辿り着いた皆さんのことだからそういった性格診断をご存じの方も多いだろう。
 ただし我々側が設問に対し的確に答えることで初めて具体性・確度とやらは保証される、すなわち既にある程度自己分析できていなければならないという矛盾を本質的に抱えている。要するにそれらの診断系は設問の作り方に問題があると言わざるを得ない (かといって対案もないためあまり偉そうなことは言えないが)。
 その点MBTIの具体度と抽象度はバランスが良く感じられるし、とりわけ適度な抽象度は診断系を好む人達にとっては重要な要素ではなかろうか。
 たとえ設問に正確に答えられなくても心理機能や補助機能等の理論によって診断結果を独自に補完できるからだ。そういった意味で16という数字は実に丁度良いのだろう。

ユングの権威性

 理論と一口に言ってもそれを誰が唱えたかという点を案外人は気にしているもので、蓋を開けたらよく分からない大学の研究者が提唱した理論だとやはりそれなりの扱われ方になってしまう。
 そこへ来て、MBTIのルーツが心理学の権威たるユングが提唱したタイプ論にあると聞かされれば多少前のめりになってしまうものも致し方ない。
 MBTIを半ば学問として研究対象にしている人だっているだろう。かく言う私だって一丁前にMBTI関連記事を世に垂れ流す程度にはのめり込んでしまっているわけであるし。

理論に余地がある

 これはMBTIにある程度触れている人、とりわけタイプ論を読んだことのある人ならばお分かりだと思うがMBTIの理論には多少難解な部分がある。
 心理機能の解釈一つとっても人によって大きく異なることはMBTI界隈ではザラにあり、このことは周知の事実と思われる。
 ここまで議論が熱くなる性格診断も珍しいが、それはひとえに理論の抽象度が高いことに原因がある。あえて悪く言えば性格診断としては致命的な弱点を持っており、理論としても不完全な代物ということになる。
 しかし不完全であればこそ知的好奇心を刺激し人々に愛されるのかもしれない。

その他

 あとはまあ韓国で流行ってるからとか、アニメやゲームに絡ませられることが多いからとか言い出せばいろいろあることだろう。
 言われてみれば2次元3次元問わず使用できるという点はたしかに魅力的ではあり、その辺はエゴグラムやビッグファイブと大きく異なっている。

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