Trapの終わり

 皆さん。金曜日にとても大きな曲がリリースされました。お聴きなったでしょうか。今回は金曜日にリリースされたJoey bada$$のThe Light Packを踏まえた内容になっています。まだお聴きなってない方は是非お聴きになってからこの記事を読んでください。また、YouTubeに載っているeijinさまの和訳動画も見て頂けるとより内容が理解しやすいと思います。また、今回の記事も当然の如く私の個人的な感想フルブッパなのでご不快になられるかもしれません。すみません。

 最近のHipHop界のトレンド、所謂マンプルラップ、メロディアスなラップ、トラップビート。これに流されないラッパーのうちの一人、Joey bada$$。今回の曲は彼がマンプルラッパー達への怒りをかなり表している曲です。また、Take it lowさまやShama Station さまが指摘している通り、だんだんとアルバムの曲数が増えている中、その流れに逆らうように三曲の”Pack”として曲をリリースしました。ここも大きなポイントだと思います。周りに流されない、という強い意志を感じました。

 皆さん、今のトラップに勢いがあると思いますか?自分は一時期ほどは感じません。あれほどイケイケだったトラップの勢いが殺された始めたのはどこのタイミングでしょうか。私はJ.coleのMiddle childがリリースされたタイミングだと思います。Middle child で彼は明らかにマンプルラッパー達を殺しにきてました。今のラップ・ゲームを終わらせにきていました。トラップビートに合わせて自分のスキルの練度をまるで披露するかのように。

 ここ、2020年現在、さまざまなビッグネームがアルバムを出していますが、正直似たり寄ったりの出来ではないでしょうか。甲乙つけがたい、というよりどんぐりの背比べ。私が聴いた中でも、アルバムとして良かったのはEminem, Pop smoke,くらいでした。そのほかにもRoddy richのThe boxやLil babyのThe bigger pictureなどシングルとしていい曲はちらほらあったのですが、アルバムとして考えると正直ビックネームの割に微妙かな、と感じています。しかし、未だにマンプルラップや、流行に乗っかっただけのメロディアスなラップが多いです(George Floydさんの一件に対してののプロテスト曲は除く。)。つまり、J.coleは致命傷は与えたものの、トラップを殺し損ねたのです。そのタイミングでJoey bada$$のここにきての新曲。殺し損なった、勢いのなくなったマンプルラッパー達に止めを差しにきているように思えます。

 今年は、Kendrick lamarの新曲が出るという話がありますし、トラップ界隈ではMigosのアルバムがまだです。J.coleのMiddle childが入ったアルバムが出るかもしれません。もしかしたら2020年はOld schoolとNew schoolの全面戦争の年なのかもしれません。もしかしたら、2020年がラップ・ゲームの大きな転換期になるかもしれません。これからの動向が楽しみです。これからどのようにラップ・ゲームが変わってくのか目が離せません。

(自分はマンプルラップも普通に好きです。)