AIが作る音楽か、人間が作る音楽か/逸木裕「電気じかけのクジラは歌う」
「電気じかけのクジラは歌う」は、逸木裕さんによる近未来が舞台の小説です。逸木裕さんは、「虹を待つ彼女」で横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビューしました。
本作は、近未来の日本が舞台の小説です。人工知能(AI)が個人の好みに合わせて音楽を作るアプリ「Jing」が普及し、作曲家という職業がすっかり廃れてしまった世界。かつて音楽を作っていた主人公の岡部も、今は音楽を作ることを辞め、「Jing」の検査員をして暮らしています。そんなある日、数少ない現役の作曲家であり、岡部の親友でもあ