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こうさぎの読書日記マガジン

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こうさぎが書いた、本の紹介記事を集めました。
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2022年6月の記事一覧

本への愛を謳う読書遍歴コミックエッセイ/はるな檸檬「れもん、よむもん!」

「れもん、よむもん!」は、著者のはるな檸檬さんがご自身の読書遍歴を紹介するコミックエッセイです。 はるな檸檬さんは、幼い頃から生粋の活字中毒。父親の書斎で本を漁り、学級文庫を片端から制覇、国語の教科書は配られた当日に一気読み。 本書では、そんな著者が影響を受けた本の数々が、その時の瑞々しい感動と共に語られています。 山田詠美の「ラビット病」、吉本ばななの「キッチン」、村上龍の「69」など……心の拠り所になり、原点になった本の数々。 そして、ミステリアスでカッコいい級友のはる

目が見えない彼女と、未来が見えない僕/大林利江子「副音声」

「副音声」は、大林利江子さんの、純度100%の恋愛小説です。 主人公の「僕」は、最後のチャンスの司法試験に向けて勉強をしている、引きこもりの男性。彼は、アルバイトとして、視覚障害者を音声でサポートする「副音声制度」のモニターになります。彼が副音声としてサポートする視覚障害者の女性は、来る日も来る日も、画面の向こうで淡々とした毎日を過ごしていました。彼は、次第に彼女のことが気になり始めていきます。 この本はこんな人におすすめ ①視覚障害者について興味がある ②感動の恋愛小

心ほぐれるショート小説集/原田マハ「ギフト」

いろんな味の飴玉がつまった瓶のような、ほっと心が緩み、元気が湧いてくる短編集。 「ギフト」は、原田マハさんのショート小説集です。忙しい毎日の中にひそむ、ちょっとした幸せを描いた20編の物語が収録されています。テレビを点ければ暗いニュースばかりが流れる、今こそ読んでいただきたい本です。 この本はこんな人におすすめ①明日への元気を充電したい ②あたたかい気持ちになる小説が好き ③肩肘張らずに小説を読みたい それでは、この作品の魅力をご紹介していきたいと思います、ぴょん!

合言葉は「なるほどフォカッチャ」/鳩見すた「ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん」シリーズ

「ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん」は、鳩見すたさんのシリーズ小説です。「なるほどフォカッチャ」と「ときめきフォカッチャ」の2冊から成っており、可愛らしい探偵さんに癒される、「日常の謎」を扱ったライトなミステリーです。 主人公の「僕」が一目惚れしたのは、パン屋の店員の麦さん。彼女は、「フォカッチャ」という名前のハリネズミを飼っており、日常のささいな謎を愛する、ちょっと不思議な女性です。「僕」は、度々お店を訪ねるうちに、麦さんと共に謎解きをするようになります。「日常の謎」