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試行錯誤の夢の跡~すゑひろがりず局番の流行病の乱RE:3~

現実の流行病が収束の方向に迎えつつある中(と信じてる)、すゑひろがりず局番(YOUTUBEチャンネル)のバイオハザードRE:3の実況プレイ動画も無事千穐楽を迎えました。

現実世界が特殊な環境に陥ったせいで、実況の方向性を変える必要性が出てきたこのシリーズ。故に賛否が分かれているのですが、公式的には昨日6/22が千穐楽という扱いらしいので(?)、今こそバイオRE:3実況で置かれた特殊環境とその状況で生み出された面白さをまとめる試み……をしたかったが無理だった(先に宣言しておく)。

バイオハザードRE:3再生リスト

再生リストはこちら。

なお、バイオRE:3実況は全部で33話。プラスで最終回前に総集編(?)が1本と副局番に最終回フル動画があります。総集編回は再生リスト内に。副局番と最終回フル動画については後の項目にて。

総集編は…どちらかと言うとRE:3のボスとの戦いの結果をまとめた動画になるので、RE:2のときのような名場面集とは違う系統な気がしております。今シリーズの名場面は後で語るけどそこじゃない気がするしなあ。

オールリモート実況!!

バイオRE:3の実況開始(1回目動画公開)が2020/4/15。ソーシャルディスタンスが叫ばれ、二人も外出禁止になってしまいました。ということで、Zoomを使った遠隔実況(リモート)という形で進むことになります。

……このあたりの経緯は#01冒頭でお二人が喋っておりますが、まさかRE:3実況が最後までリモート実況になるとこのとき誰が思ったか。私も思ってなかったよ。

実況者2人が別々の場所から実況を行うというのはなかなか難しいらしく、今までとは異なる面白さを生み出しております。故に、今までの実況の形を好む方からは評価が厳しい傾向にあります。正直言うと、ツッコミのテンポが少し遅くなりがちなんですよね。

あと、ボケに対しての笑い声が基本的にない。ツッコミ側が笑ってる声は聞こえるのですが、今までは現場にいた黒子の皆さん(編集チームの皆様の総称)の声は配信には乗ってきません。実況の二人には聞こえていたのかどうか。なんとなく聞こえていないんじゃなかろうか。ということは、どこまでボケを引きずってもよいのか、笑いの引きタイミングはどこかというものが図りにくいのですね。

こういう障害はすゑひろがりずさんに限らず、TV収録も含めたかなりのリモート収録番組・YOUTUBE配信で起きておりまして、これらをどうクリアしていくか、もしくはどういう形で笑いを見せていくかがこの時期の課題でもありました。

あいかわらずわからないストーリー

すゑひろがりず局番のゲーム実況の特徴として「狂言風実況」「本来のストーリーは基本的に読まない」があります。正直言うとそろそろ狂言風実況じゃねえだろその言葉遣いと思うのですが(普通に関西弁だったりします)、突然活を入れた上で芸風を取り戻すのは流石の一言(ただし今回は特に気が抜けておりまして、詳細は後述)。

で、本来のストーリーといいますか、ムービーテキストやアイテムテキストをそのまま読まない実況はRE:3でも継続。結果「京の街に昆布巻が現れて、茶の湯と手羽先の話をしているうちに、師匠がどう!すん!ねん!した結果、ブリーチ剤を奪い合い、京の街は炎上した」というあらすじになりました。

これ読んでバイオのゲーム実況かどうか疑ったあなた、正しい。基本的にすゑひろがりず局番のゲーム実況を見てそのゲームのストーリーをわかろうという人は間違っております。見た上で気になって正しいストーリーを調べたり別のゲーム実況者でストーリー補完する方はおりますが。

編集の力というもの

すゑひろがりず局番の特徴として「編集をして1回を10分ちょっとにまとめて配信」があります。これはリモートになる前のバイオRE2、集まれ!どうぶつの森からの方針だったのですが。この時期にYOUTUBE参加してきた芸人さんが30分1時間垂れ流しな傾向にあったので、割と特異的な印象があった方も多かったようです。ゲーム実況も基本的に1時間とか2時間垂れ流しなYouTuber多かったもんなあ。

この「編集でまとめて流す」という方針がリモート収録を違和感なく見せる方法の一つと考えています。というのも、リモート収録ってどうしても訪れ・遅延が起きやすいのです。これは仕組み上どうしようもないこと。あと、収録機材によっては音声バランスが崩れやすいというのもあります。

しかし、黒子のみなさんが頑張って編集する際に、音ズレはできるだけ最小限に直して配信してくれています。実はこれ、違和感なく見せるために重要なことだったりします。

更に言うと、Zoomの仕様上立ち位置と収録画面が入れ替ってしまう問題、ネット収録トラブルにより音声割れや映像不具合等においても、編集でなんとか見せられる形に仕上げてあります。故に、クオリティをキープできています。映像不具合時の対処法はこの時期のあつもりのほうが顕著なのですが、この手法はノー編集ですと絶対できないことですね。

ついでにこれについてはバイオRE:2から継続の特徴でありますが、基本的に残虐表現、エグい表現が多いこのゲームにおいて、そういったシーンはすゑひろがりずのお二人のプレイカットに切り替えたり、二人の表情を切り貼りしたりしているので、この手のゲームが苦手な人もなんとか見てられます。これでもだめな人はいると思うのですが、そういう人はバイオハザードというゲーム自体が絶対ムリなので、素直にけも藪(あつもり)や甲乙平(ヒューマンフォールフラット)実況を見ることをおすすめします。

余談ですが、この手の残虐シーンを隠すようにしたのは、RE:2のときに一度年齢制限をYOUTUBE側からつけられてしまったことに端を発するようです。そもそもバイオハザードというゲーム自体が年齢制限ある(17才以上)ゲームだしなあ…。ただ、その年齢制限回避目的で#2に通称「目安箱の乱」と呼ばれるちょっとした騒動が起きるのですが…ここについては好みの問題もあるのでなあ。編集の試行錯誤の痕跡という意味で、今は良かったんじゃないかと思います。

企画と生配信という試み

このバイオRE:3においてはドッキリ的な企画ものと、最終回生配信クリアと言う試みも行われました。

ドッキリ的企画は「すゑひろがりずの二人が初心を忘れてカタカナを多用するようになったので、黒子が勝手にカタカナをカウントして言った回数分おごってもらう」というもの。一部すゑファンかつアンチ黒子の皆様方が変なお怒りを上げていたこの企画、なんといいますか、私個人はすごく深夜のTV番組のドッキリ企画だなあと思って楽しんでおりました。最初カウント音がうるさいなと思ったのも事実ですが…っていうかなんでよりによってそういう企画日に限ってお茶会じゃなくピザパーティーしちゃうのすゑひろがりず。そういうところだよすゑひろがりず。

生配信については、それまでフリートーク1時間(アーカイブなし)を何回かやってはいたのですが、ゲーム実況生配信は初めての試み。事前告知でなんの武器で倒すかRT数で決めたりとか、ものすごくYouTuberっぽいことをしてるなあと思いましたが、そこは芸人。あっという間に上限(5000RT)を超えたせいで南條さんが1万RT言ったら素手と言い出し、結果1万RTを達成すると言う。配信最初でごちゃごちゃ言い合っておりましたが、最終的に23000人超えのファンと生配信中にラスボス~エンディングに到達まで行われました。

ちなみにこの生配信のフルバージョンは、最近できたすゑひろがりず副局番にアップされています。いろいろな企画やトーク長尺ものは今後こちらに不定期アップとのこと。

そして、最終回の編集バージョンがアップされたのが6/22、つまり昨日。局番側もこれで完結です。

……ボスを倒す緊急生配信をやったのは5/23で実は1ヶ月前だったという事実は忘れてても大丈夫です。

南條さんの新規能力開眼

さて、ようやく書きたいところにたどり着いたよ。RE:3の特徴。

リモート収録なのですが、バイオハザードというゲームは一人プレイです。レジスタンスモードとか言うな。そこまでやらなかったし。

プレイするのは三島さんです。ゲーム機も三島さんのおうち。南條さんは自分のおうちで三島さんのプレイを配信機材を通じて見ることになります。

はい、やってることは視聴者とあまり変わらなくなるんですよ、これ。仕方ないんですよ、三島さんのお家に行くこともダメだったんですから(そもそもそれができるならいつもの配信部屋で収録可能ですし)。

最初は普通にツッコミを入れる南條さん。しかし、かなり早くに飽きます。というか、これはきついとなった模様。そりゃそうだ。ツッコミのテンポも遅れるし、突っ込んでも三島さんがスルーするし(RE:2のときは直接体を叩いたりできたので三島さんも反応していることが多かった)。

そこからの南條さんがすごかった。

残虐シーンを配信できないというハンデを逆手に取った形態模写シリーズやモノボケ、声真似、アテレコ芸といったものを繰り出してきます。

それはもうやりたい放題。途中で休憩とか言い出すしさあ。モノボケは劇場公演でも見ることはあるのですが、声真似とかアテレコとかはここで開眼した気がします。完全なボケ役の南條さんの盛り上げをご堪能ください。

なお、南條さんが収録に使っていた部屋は服と小道具をしまい込んであるサービスルームという小部屋なんだそうな。モノボケに走ったのはそういうことらしい。そして、自宅の中で音漏れしにくい場所がそこしかないらしく、TVを含めた自宅配信はいつもそこでやってるんだそうな。鼓打たないといけないからだけど、たまに奥様が在宅勤務してるという話をするたびに、奥様の仕事に支障がなかったのかすごく気になっています…。

三島さんのツッコミ能力

南條さんがボケまくるゆえに、コンビの役目としてはボケにあたるはずの三島さんが突っ込む機会が増えていくのは必然的なのですが…。

三島さん、プレイしながら南條さんのボケを見て突っ込むことは難しいのよね。いや、隣でボケてるなら対応仕様もあるでしょうが、南條さんの姿はスマホかタブレットサイズの画面の中。しかもどうも南條さんを映している機器は床置きだったりする始末。

結果として、ボケスルーしたり、ダブルボケになったりするのは仕方がない。とはいえ、結構な箇所で三島さんのツッコミが見られます。このツッコミの様子が普段のお二人の関係が垣間見えて面白い。ネタ作ってるのが三島さんゆえの力関係と言うか。

個人的に三島さんのツッコミで好きなのは「だまらっしゃい」です。

……南條さんの収録部屋に対し、三島さんの場合バイオRE:3の収録時は金屏風をブース状に囲み建ててやってるので、場所がどこなのかよくわかりませぬ。というか、その金屏風って、収録部屋から自宅に運んだ、の?
(局番トークや配信番組の収録時は途中から日本画家の方に送られた松の布絵を背景にリビングで行っていることがわかるのですが…けも藪配信も途中から金屏風が消えるので、作ってもらった金屏風の行方が気になっております)

というわけで見てほしい

とにかく見てください。唐突に始まる寸劇など、ゲーム実況かどうかはさておきとにかく楽しめます。

……あと、これを書くにあたってもう1回初期のバイオRE:3実況見直したんですが……南條さん、初期の頃は記憶よりも美人だなあ……というどうしようもない感想が浮かんでしまったけれど、その点についてはなんというか疲れているんだということにしておきます、はい。



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