【特別区経験者】1次試験不合格者のための再チャレンジに必要なこと(択一・論文別)

先日、特別区経験者の1次試験の合格者の公表がありました。
合格された方は、2次試験(面接試験)に向けて、
引き続き、実践的に準備を進めていただければと思います。

一次試験の合格者の状況は以下の通りです。
合格者が増えている分、例年よりも合格者の割合がやや高めになっていることがわかります。

<事務1級職>
受験者1,146人、1次試験合格者561人

<事務2級職>
受験者720人、1次試験合格者244人

今回は、残念ながら、1次不合格者だった社会人受験生向けに、
再チャレンジに必要なことを解説していきます。

※再チャレンジとは、再受験のこと。
寺本講師が使ってる表現。受験生の立場に配慮している良い表現だなあと思ったので、使わせていただいています。

※来年度の最終合格に向けて、真剣なアドバイスをさせていただくため、受験生にとって厳しいアドバイスも出てきます。今は、まだ気持ちが来年度に向いていない、もう少し落ち着いてから読みたい、という方は、ここで一旦終了していただくことをオススメいたします。

※社会人経験者試験は、最終合格者が少ないため、不合格を契機に離脱する受験生はいるものの、再チャレンジする受験生が多くなるという構造を抱えています。出る人が少なくても、入る人が多ければ、受験生は増えていく、ということです。

まず、
一次試験で不合格ということは、
①択一試験で足切り以下
②択一試験は足切り以上だが、論文試験の評価が相対的に高くなかった
のいずれか、ということになります。

択一の足切りラインについて、特別区人事委委員会から正式な公表はありません。

予備校の合格状況をみると、今年度は11~13点程度が合格点だったようですから、10点以下だった方ということになります。

ここから、<択一試験>と<論文試験>に分けて、合格する受験生がしてきたこととの対比で、受験対策を振り返りりながら、何に不合格要因があったのか、再チャレンジに向けた課題を発見していただければと思います。

<択一試験>
・択一試験の勉強で、どの科目で何点とるかを戦略的に決めていたか。
・戦略に沿って、勉強量や学習スケジュールを設定して勉強できていたか。
・数的処理を満遍なくできるようになろうと勉強しなかったか。
・できない科目に固執して勉強してしまっていたか。
 例1)数的処理が苦手なのに、知識科目の勉強をしなかった。
 例2)数的処理が苦手で、文章理解の英語も勉強しなかった。
・知識科目の勉強で、暗記が定着していないまま試験に臨まなかったか。
・択一試験を解く順番を決めていたか。
・択一試験で、どの科目にどのくらいの時間をかけるか決めていたか。
・直前1週間、直前1か月で、何を、どのくらい復習するか決めていたか。

<論文試験>
・論文試験の勉強量を十分に確保できていたか。
 ついつい択一試験を多く勉強していなかったか。
・論文試験の学習範囲が狭くなっていなかったか。
・過去問を一通り対策して、必要な模範答案を作成していたか。
・当日の時間配分を決めていたか。
・時間内に答案構成する練習はできていたか。
・当日に知らないテーマが出題された場合の準備をしていたか。
・手書きで、90分で1500字程度を書く練習をしたか。
・一定時間当たり、どのくらいの文字数を書けるか把握していたか。
・当日の栄養補給、休憩の取り方を事前に決めていたか。
・当日の休憩時間中に、何を勉強するか決めていたか。

以上の確認事項に対して、どれも十分にやったと思える方は、
適宜休んでから、来年度に向けて準備を開始しましょう。
対策の方向性は合っています。

(年明けからの開始でも良いと思います。ただ、できれば数的処理は少しでも良いので継続することをオススメします。)

今年度は、貴方以上の実力を有する(または運の良い)合格者が多かっただけです。そういう人達は採用されて抜けていきます。

実力をつけて、合格点ギリギリではなく、余裕をもって、確実に1次試験を突破することを狙ってください。

併せて、
面接対策のブラッシュアップを忘れないようにしてください。

今年度、面接試験を受けられなかったため、具体的な改善点は出てこないかもしれませんが、職務経歴書(面接カード)の記載内容の改善、面接本番を意識した想定問答の作成、模擬面接などを通じて、レベルアップを狙っていきましょう。

来年の受験で決着をつける、という覚悟を持って、再チャレンジに望んでいただければと思います。

他方、
上記の確認事項に対して、十分な回答ができなかったと思った方は、受験生活を見直す必要があります。

まずは、確認事項の内容を参考にして、択一対策、論文対策を進めていただければと思います。他の記事で色々と対策を書いていますので、そちらも参考にしていただければと思います。

注意点として、
自分が落ちた試験種別にこだわりすぎないようにしましょう。

択一試験で落ちてしまった方は、
ついつい択一試験対策に時間を割いてしまい、次年度に択一は足切りを突破したけど、論文試験で落ちた、という結果になりがちです。

目指すのは、最終合格であり、採用です。
目標ラインを正しく設定することを意識しましょう。

また、
論文試験で落ちてしまった方は、
論文試験に重点を置いて対策をして、択一対策が手薄になり、その結果、次年度に択一で足切りにひっかかる、ということになりがちです。

これは、特に3年以上受験している再チャレンジ組によくみられる傾向です。

試験は年1回しか行われませんから、非常にもったいないことです。

安定して択一試験を突破できるよう、学習スケジュールや勉強量に一定程度は択一対策を盛り込むことを忘れないようにしましょう。

以上、特別区経験者の1次試験不合格者の方々が、来年度に再チャレンジして、1次試験を突破するために必要なことを解説してきました。
(2次試験突破に必要なことについても、追って別稿で解説予定です。)

1次試験の合格者が公表されて、
不本意な結果に泣き崩れた方もいらっしゃると思います。
怒り狂った方もいらっしゃると思います。

わざわざ貴重な時間とお金を使って、
人生を変えるために受験しているわけですから、
当然のことだと思います。

だからこそ、
今回の経験を振り返り、そこから改善点を発見し、取り組むことを通じて、正しい方向性で対策を進めることにより、来年度に、確実に合格できる実力を身に付けられることを切に願っております。

我々は人生を変えるために真剣に取り組む社会人受験生を応援しています。
落ち込むことは色々とあると思いますが、それに負けないで、前向きに受験生活を送るための一助になれば幸いです。

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