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あるアマチュアチェロ弾きさんのこと

すこし寂しい話になります。

先週に弦楽合奏の演奏会が無事終了しましたが、能登の地震があったり、妻が持病治療の関連で入院したりで(幸い大事無いのですが)、年明けから落ち着かずスッキリしない気分が続いています。

年に何度か、こういう暗い気持ちになるときに思い出す、昔交流のあったアマチュアチェロ弾きさんのことを書かせて頂きたいと思います(ここではC さんとします)。

20年以上前、独身時代にマイホームページを作成していた時期があり、当時もチェロや所属オケの話題を中心に気ままに雑記を連ねていました。Cさんはホームページを見て色々と感想を寄せてくださり、私もC さんのブログを見てコメントを書いたり、途中からはメールでもやり取りをするようになりました。

C さんは近畿にお住まいの主婦の方で、子育てや愛犬の世話の傍ら、30台半ばで始められたチェロにも大変熱心に取り組まれていていました。毎日のようにチェロの話題や練習記録をブログに書き込まれていて楽しみに拝読していました。
遠方のため直接お会いしたことはありませんでしたが、私からはオケ曲のチェロパート譜を沢山見繕って郵送してあげたり(当時は楽譜の入手手段が乏しく、無料ダウンロードやネット販売も一般的ではありませんでした)、Cさんからは御礼に松脂をプレゼントしていただいたり、、ささやかな交流がありました。

しかし私はその後、結婚し、仕事が忙しくなり、子宝に恵まれ、生活環境が大きく変わりました。そして所属オケの面倒な人間関係(笑)に悩んでいたこともあり、、ホトホト嫌気がさしてしまい、仕事と子育てを建前?にチェロやオケ活動から11年も遠ざかってしまい、ホームページも閉鎖し、いつしかC さんとの交流も途絶えてしまいました。

オケ演奏会に11年ぶりに乗ったのが2017年、それからは年に2回ほどエキストラ出演をするようになり(エキストラは気楽。。)、日常的にチェロに触れるようになってある時、ふとC さんのことを思い出しました。今でもチェロを続けておられるのだろうか。

久々に拝見したブログは2010年で途絶えていました。最後の投稿には、病気にかかって入院していること、チェロが弾けなくなり知人に預かってもらうことにしたこと、病気に打ち勝ってまたチェロを弾きたい強い願いが書かれていました。

なぜここで終っているのだろう。
不安になり、あれこれ検索したところ、同じオケに所属されている方のブログにたどり着き、C さんは程なくご逝去されたことを知りました。まだまだチェロを弾きたかっただろう、お子さんやご家族のお気持ちは、、色々な感情が湧いてきましたが、すでに7年が過ぎていました。

細々でも交流を続けていたら、少しでもブログを拝見し続けていたら、、もちろん運命は何も変わらず私の自己満足でしかないのですが、一言でも励ましや御礼の気持ちを伝えたかったと悔いが残り、今でも時折C さんのことを思い出し、遺されたブログをつい訪れてしまいます。

私は今年で50になります。体力的にはまだまだ元気ですが、病気で突然楽器を弾けなくなる日が来るかもしれません(私の妻は10年前に病気の影響で左半身の自由が効かなくなりヴァイオリンをやめています)。

今この瞬間に元気にチェロを弾けることに改めて感謝し、人との繋がりを大切にしていきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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