海上保安学校の試験内容は?出題傾向や勉強方法【過去問あり】

本記事は、海上保安学校学生採用試験の内容をまとめています。

対象区分は9月試験(船舶運航システム課程や航空課程他)。
海上保安学校(特別=5月試験)の内容は下記記事をご覧ください。

☑︎本記事の監修者(江本)
公務員試験の分析・情報配信・カウンセリングをこなす国立大学職員(14年目)/情報メディア「公務員試験タスクフォース」運営/過去の受験データに基づくクローズドなノウハウを配信中。

海上保安学校学生採用試験の内容

海上保安学校学生採用試験は、第一次選考と第二次選考に分かれています。

第一次選考試験では、基礎能力試験(教養試験)と学科試験、作文試験が、第二次選考試験では、面接試験と体力検査がそれぞれ行われます。

基礎能力試験(教養試験)

基礎能力試験(教養試験)は、 計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験です。

※区分に関係なく、全員が同じ問題を解きます。

  • 試験時間:90分

  • 問題数 :40問

  • 出題形式:択一式(マークシート)

  • レベル :高校卒業程度

  • 出題科目:数的処理、文章理解、社会科学、人文科学、自然科学

試験科目が多く、出題範囲も広いため苦手とする受験者は多いです。過去問分析をしっかり行い、出題傾向を把握し勉強することが大切。

過去問や出題傾向について、詳しくは次の記事を参考にしてください。

学科試験

学科試験は、数学や英語、物理の基礎学力を測る筆記試験です。

※対象は情報課程、航空課程、管制課程、海洋科学課程。

海上保安学校 学科試験の概要
学科試験の概要

大学入試レベルの内容です。そのまま高校の授業が役立つので、先生に聞くなどして対策しましょう。

学科試験の過去問は次の記事で紹介しています。
【入試問題】海上保安学校(船舶・航空課程他)の過去問と活用方法

作文試験

作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。

筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、人間性などを総合的に測ることを目的としています。

海上保安学校 作文試験の概要
作文試験の概要

作文は点数化されず、合否判定のみですが、毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので、早めに準備をしてください。

過去のテーマは次の記事でまとめています。

【模範解答例あり】海上保安学校の作文対策!過去問と傾向を徹底解説

体力試験

体力検査は出来て当たり前」の部分が強いので、日頃からトレーニングをしておきましょう。

体力試験の内容

なお、基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。

面接試験

志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが海上保安官として適任かどうかを評価・判断する面接試験です。

配点比率は低いですが、人物試験でC評価(A~Eの5段階)以上ないと足切り(=不合格)なので注意してください。

早い段階から自己分析を進め、長所短所や志望動機を考えておきましょう。

詳しい傾向や対策について、詳しくは次の記事を参考にしてください。

【海上保安学校(船舶・航空他)】面接試験の質問内容と対策方法

海上保安学校の過去問

実際に過去問を見て、どんな問題形式なのか確認してみましょう。

過去5年分の問題・解答を次の記事でプレゼントしています。

■特別|10月入校コース

■9月入校コース(船舶、航空他)

海上保安学校の出題傾向

試験科目は多いですが、全科目から均等に出るわけではありません。

なので、どの科目で点を取り、どの科目は手を抜くのかを考えることが大事です。

科目ごとの問題数は次のとおり。

まずは数的処理と文章理解、そして政治・国語を優先的に勉強するといいでしょう。これらの科目だけで全体の約6割を占めています。

これらの科目にある程度メドが立たないと、合格は光の彼方なので、勉強当初は、これら主要科目に時間を使ってください。

出題数が少ない科目に時間をかけても総合点は上がりません。すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは出題数の多い科目を確実に正解することが大切です。

なお、過去10年間の分野別頻出度をまとめたデータを次の記事で公開しています。

■特別|10月入校コース

■9月入校コース(船舶、航空他)

江本どこから手をつけたら、点になり、効率よく勉強できるのか知りたい人は特にオススメ!

海上保安学校の勉強方法

僕自身、公務員試験を受験して大学職員として働いていますが、総じて大変だったのは「科目数が多すぎる」ということです。正直、21科目もまともに勉強しようと思えばとんでもない時間がかかってしまいます。

これまでの受験勉強とは少し違った工夫が必要なので、次に対策方法を紹介しますね。

適当に始めるのはNG

最初に、多くの受験者が陥りがちな傾向を紹介します。

これに当てはまったまま勉強しても時間の無駄なので注意!


「とりあえず参考書、問題集を買った。ネット、Youtubeで試験科目や傾向を理解した!これで教養試験を勉強できるぜ!!」

そう思ったはずなのに、いざ参考書や問題集をやろうとしたら

あれ?結局なにから手をつけたらいいの…?


こんな感じになる受験者は相当多いです。

こうなってしまう原因は、

あなたが出題傾向をきちんと理解していないまま(したつもりで)勉強しようとしているからです。

勉強できる人とできない人の差

これから勉強の仕方について2パターンを紹介します。

片方は勉強できる人の思考、もう片方は不合格者に多い思考です。


◾️Aパターン

たとえば、海上保安学校の過去問を分析して「海上保安学校の数的推理は『速さ』の出題が多い」というデータがあるとします。

このデータに基づくと、「海上保安学校を受験する人は数的推理の『速さ』から勉強するといい」、ってことになりますよね。

【Aパターン】
数的推理は速さから勉強する!


なぜなら…、海上保安学校の数的は速さがよく出るから

◾️Bパターン

一方、他の公務員試験を分析して、警視庁と市消防、さらには東京消防庁の数的推理は「速さ」の出題が多い、だとすると。

「もしかすると数的推理は『速さ』が重要なんじゃないか?」という推測が成り立ちます。

【Bパターン】
数的推理は速さから勉強すればいいのかな?


だって…、警視庁や市消防、東消の数的推理は速さが多いらしいから。


さて、効率よく勉強するためには「Aパターン」と「Bパターン」のどちらの思考でするのがいいのでしょうか?




正解は「Aパターン」で勉強すること。



なぜなら、勉強範囲を大幅に削減できるからです。簡単にいえば、覚える量が少なくなるので短期間でも十分に対策できるんですね。

海上保安学校で出題頻度の高い分野を理解したうえで勉強する
→Aパターンの思考

参考書や問題集の重要度Aから順番に勉強する
→Bパターンの思考

こう考えれば、圧倒的に「Aパターン」で勉強するべきです。

勉強が苦手、点数が取れない人の多くは、がむしゃらに問題数をたくさんこなして、そのとき覚えた知識を本試験で使う、いわば「Bパターン」のようなな勉強をしています。

それに対して勉強ができる人は、まずは出題範囲をきちんと理解し、必要な科目・範囲にそって勉強する手法をとります。

これができる人とできない人の差です。

出題範囲をきちんと理解していると、他のライバルたちが100問解かないとできるようにならないところを、たった10問解けばできるようになるくらいの差が生まれるのです。

そして、この正しい思考法で勉強をしていくためには、やはり「過去問分析」をして、正しく出題範囲を理解することが不可欠になります。


出題範囲を理解して勉強すれば、

  • どの科目がよく出て、

  • 必要ない分野はどこなのか

を、簡単に判断できます。逆にいえば、何も知らないまま適当に勉強するから落ちるのです。

そもそも人生のかかった試験なのに、適当に対策すること自体がナンセンスなんですよね…。

ぜひ、勉強を始める前に、海上保安学校の出題範囲を理解してから勉強してください。

★過去10年間の出題範囲を公開★

独学で勉強している方やこれから対策を始める人は、過去問を集めたり、分析したり一人では難しいこともあると思います。

そこで以下の記事で過去10年間の出題範囲をまとめたデータを公開しています。

■特別|10月入校コース

◾️船舶、航空他(4月入校コース)

「何から勉強すればいいんだろう・・・」と悩んでいる人には必要なデータだと思うので、ぜひ参考にしてください。

note最後まで読んでいただきありがとうございました!noteは他にもあるのでそちらも是非(サポートは特に不要です。本当に余裕ある方のみで🙇)