渡哲也さんに想う。

先週金曜、お盆進行の繁忙期で特に多忙な仕事で、残業を終えた夜21時ちょい前、さあ、帰ろうかって思った矢先、我がiPhoneのニュース速報アラートが。

何と、俳優の渡哲也さんが、肺炎で亡くなったとの悲報が。

享年78歳でした。

渡さんと言うと、色んな方面でその実績というか人となりが語られてるので、詳細は割愛しますが、私たち世代(私は1977年生まれ)としては、やはり、テレ朝系でO.Aされてた刑事ドラマ「西部警察」シリーズと、「ゴリラ~警視庁捜査第8班~」で魅せた、男が憧れるリーダーシップと責任感と正義感と人間的な魅力を持っていて、部下や仲間達を引っ張っていく指揮官のイメージが強烈でした。

「西部警察」は私が幼少期から小学生になる時期にO.Aされてた刑事ドラマで、当時「太陽にほえろ!」(日テレ系)、「特捜最前線」(テレ朝系)、「Gメン’75」(TBS系)と刑事ドラマが各局で高視聴率を獲得していた中でスタートしました。

「太陽にほえろ!」が青少年向けのストーリー展開、「特捜」が多種多様化する国内犯罪に立ち向かう警視庁が新設した精鋭部隊「特別捜査課」の活躍と社会性と人間ドラマを織り交ぜた作風、「Gメン」が国内だけでなく国際犯罪、警察内部の犯罪にも対応した警視庁が秘密裏に設立した特別捜査部隊の活躍を当時の社会問題、国際情勢を織り交ぜたハードボイルドの作風で展開してたのに対して、「西部警察」は刑事ドラマとしての基本線をキープしつつも、毎週派手なカーチェイスと爆破とアクションシーンをふんだんに盛り込むことで、エンタテインメント性を追究して、既存の刑事ドラマとの差別化に成功し、若い男子の心を鷲づかみにして、人気ドラマの仲間入りを果たしました。

その象徴的存在として、渡さん演じる大門部長刑事(通称:団長)が居ました。

角刈りというか坊主頭にスーツでビシッとキメて、凶悪犯罪者をショットガンで一撃で仕留めて駆逐する様に、当時幼稚園児だった私は、子供心に「格好いい」と憧れたものです。

その後、平成に入り、「西部警察」のチームを中心に制作された「ゴリラ~警視庁捜査第8班~」は、「西部警察」とは一線を画した作風でした。

国際的なテロ組織が絡む犯罪から国内の凶悪かつ多種多様な複雑化した犯罪を撲滅すべく、警視庁が秘密裏に結成した直轄の傭兵部隊的なチーム「捜査第8班」(通称:ゴリラ)のリーダー・倉本班長が部下達とともに犯罪撲滅に格闘する姿が印象的でした。

大門部長刑事とは違う、どこか影のあるキャラクターながらも、強い正義感、責任感、リーダーシップで皆を引っ張っていく倉本班長の姿にも感銘を受けたものです。

ドラマのキャラクターと実生活の姿が一体化しつつも、分け隔てなく皆に接する姿に憧れを持った方も多いと思いますが、私もその一人でした。

石原プロモーションを、石原裕次郎さん亡き後から永らく経営者として守り「石原軍団」を束ね、1991年に直腸ガン手術を克服して俳優活動に精力的に向き合いながらも、近年は心筋梗塞などの大病に見舞われたり、石原プロの大番頭だったコマサさんこと小林正彦さんや、実弟で俳優として永らく活躍し、後年ドラマで共演した渡瀬恒彦さんの他界など公私ともに色んな事が起きたことや、自らの健康状態とかを鑑みて、今年になり石原プロを畳む決断をしたあたり、どこか思うところがあったと言うか、自らの行く末を予感してたのかなと思いました。

正直、本当の意味で一つの時代の終わりを実感した次第です。

謹んでご冥福をお祈りいたします。そして、稀代の名優・渡哲也さんの勇姿を心に刻みたいと思います。




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