見出し画像

住職の週報5 - 2021/3/21

神仏(しんぶつ)、あるいは神(かみ)や仏(ほとけ)と言いますが、神様と仏様の違いは一体何でしょうか。

仏(ぶつ)は本来ブッダ(budda)の音訳で、覚者(目覚めた者、真理を覚った者)と意訳されます。元々はお釈迦様(釈尊)を指す語でしたが、阿弥陀仏など多くの仏に用いられ、仏はガンジス河の砂粒の数ほどに、ほとんど無数にいらっしゃいますと、経典(阿弥陀経)には述べられています。

同様に、神様も八百万の神々というように、数多くいらっしゃいます。日本の神話では、伊邪那美尊(いざなみのみこと)や伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)、須佐乃男命(すさのおのみこと)、大国主命など多士済々です。

恐らく大昔(神話の時代)に大活躍された生身の人間が、亡くなられてから崇(あが)められて、神様として祀られているのでしょう。また、悲劇的に亡くなった無念の者が死後に祟(たた)ることを恐れて、お祀りしている場合もあります。

ギリシャ神話やローマ神話、ゲルマンの神話でも多くの神々が活躍します。現在のキリスト教やイスラム教の「一神教」は、むしろ例外と言えます。

昔から日本は、神様も仏様も一緒くたに信仰する、いわゆる神仏習合の世界ですが、明治初期には、キリスト教的偽一神教信仰である「国家神道」の教義による廃仏毀釈運動によって、多くの寺院や仏像などが破却されました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?