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住職の週報8 -2021/4/28

“嘘も方便”は、よく知られていますが、「方便」は元来仏教用語です。お釈迦様が衆生(生きとし生ける全てのもの)を悟りに導くために、仮にとられた便宜的な教えや方法を指します。

お釈迦様は、人それぞれの機(能力や素質)に対応してそれぞれに相応しい方法で説法されました。これを「対機説法」とも申します。

現代では、個人別の体質に応じた医療が行われるようになってきました。テーラーメード医療、あるいは個別化医療と呼びます。お釈迦様は二千五百年前に、すでにテーラーメード(個別化)説法によって衆生を悟りに導こうとされていたとも言えるのではないでしょうか。

人を騙す嘘はいけませんが、「方便」を潤滑油として使うことも一つの智慧に違いありません。

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