【エッセイ】私と彼女のスキマを埋める

ここ数日、とある少女と暮らしている。

もちろん、比喩だ。
折に触れて、ある女の子のことを考えているのだ。

彼女はかつての私に少し似ていて。
今の私にはあまり似ていない。

彼女の考えは、言葉は、共感できる部分が多く、
「仲良くできる」気はしている。

彼女のことを考えると、かなり重たい問題について思案することになるが、
私はそれを苦痛に感じない。

彼女が私を見て好きだと思うかはわからないが、
私は彼女を一目見て好きだと思った。
一般的にはあまり好かれない要素も、好ましいと思った。


私は彼女について「書いてあること」以上を知り得ないので、
「書いてないこと」については想像で埋めるしかない。

私が彼女として言葉を発する以上、
私が決めなくてはならないことは、意識上にも無意識上にもあるのだろう。

スキマを埋めよう。
その日まで、できるだけ。

幸い、速断より熟考が好きだ。
今の活動を始めてからはあまりなかった
熟考の実行チャンス。

欲を言うならば、
私が彼女を取り込むのではなく、
私が彼女に取り込まれたいものだが。

着ぐるみみたいに中に入り込んで、足りないスキマを何かで埋めていく。
それは分析だったり、妄想だったり、決め打ちだったり、たまに願望だったりする。

私の声が空虚に聞こえたなら、きっと埋まりきっていなかったのだろう。
そういう日もある。
そういう日しかないかもしれない。

透明人間が良い。
その方が都合が良い。
やっぱり私は、物語の中に溶けたいのだ。

現実をやめたいわけではないよ、念のため。


兎角ゆず様「The Essence」へ臨むにあたって

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