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単発アルバイト⑭ イタリアンレストラン洗い場・ホールスタッフ

こんにちは。高校5年生です。

昨日はお盆最終日の8月15日でした。前日夕方にイタリアンレストランの洗い場・ホールスタッフの単発アルバイト募集を見かけたので応募し、行ってきました。

その前の日、14日は都合の良い単発アルバイトの募集がなかったのでお休みにしました。毎日毎日アルバイトに行っていたので、お昼に家でゆっくりしているのがとても新鮮でした。どこかに出かける予定のない日って、こんなに落ち着くんですね。

15日も行ける範囲の単発アルバイト募集が前日まで見つけられなかったので、お休みにしようかなと考えておりました。しかしながら前日になり、普段見かけないお店の募集が出ているのを発見したため、せっかくならばと応募しました。

今回お世話になったイタリアンレストランは、大きな駅の近くにある飲食街にありました。お客様の目の前でチーズやトリュフを削ったり、注文を受けてから生地をこね、材料をのせて石窯でピザを焼いたりする、本格的なレストランです。カウンター席とテーブル席があり、店内は飲食街の他のお店に比べて広々としておりました。お客様はお子さん連れもいたものの、ほぼ大人です。男性・女性だけのグループや夫婦、友達数人のグループ、スーツケースを持った旅行者など様々な方がいらっしゃいました。

私はお料理やお飲み物を運ぶこともありましたが、基本的にバッシングとテーブルリセット、洗い場、洗い終えた食器やグラスを元の位置に戻すことの4つを任されました。こう書くとお仕事は少ないように見えますが、ランチタイムの時間帯は息つく暇もないほど動き回っておりました。テーブルリセットの方法が独特だったので覚えるのに苦労したのと、店内が広いので物が置いてある場所から運ぶ場所まで行ったり来たりする時間がとてもかかったことが印象的です。

1つ、嬉しかったことがあったので書きます。それは、途中から一緒に洗い場を回したベトナム人の女性と仲良くなったことです。

アルバイトを始めてすぐ、「1時間後にベトナム人の女の子が来るから。初めてここで働く子だから、洗い場のやり方を教えてあげて」と頼まれました。まだお店の勝手が分かっていないときだったので、「私が教えられるの?!」と不安でした。とは言え洗い場は他のお店と変わらない作りなのですぐに慣れ、1人で回せるようになりました。

1時間後、女性がやってきました。お店の方が「一応日本語は分かるみたいだから」と言っていましたが、「一応」どころではないほど日本語が上手でした。私が大して説明をするまでもなく、彼女は洗い物の山を一目見てすぐ理解したようで、テキパキと洗い物を進めていきました。洗い場を経験して上達したことを自覚していた私も、彼女の手際の良さを見て「私もまだまだだな」と思いました。私ならグラスや食器を割るのが怖くて1つ1つゆっくり丁寧に洗ってしまいますが、彼女は扱いは丁寧ながら、手の動きがものすごくスムーズでした。きっと洗い場の経験は私よりあるんだろうなと感心しました。
後で聞いたら、このお店の前に韓国料理のレストランでキッチンのアルバイトをしていたそうです。

ランチタイムの時間帯はとにかく動き回っていて、「次はこれをお願いします」くらいしか会話できなかったのですが、16時頃に洗い場が落ち着いたとき、彼女とやっと喋ることができました。彼女は1つ年上の23歳で、ベトナムで大学を卒業した後、今年の5月に日本語を勉強するために来日したそうです。今は日本語を学ぶ学校に通いながらアルバイトをしているとのことで、留学生はアルバイトできる時間が制限されているとも言っていました。

彼女が1番言っていたのは、「日本語が難しい」です。日本人の名前は色々あって、覚えづらいそうです。私が名乗ったときも聞き取れなかったようで、紙に平仮名で書いて見せると覚えてくれました。
「日本語には漢字、平仮名、カタカナがありますが、ベトナムにはそういうのありますか?」と訊くと、「ないですないです!」とのこと。ベトナムはアルファベットを使っているそうです。確かに昔、ベトナムは1945年まで「チュノム」という漢字が使われていたものの、今はローマ字が公用語になったと本で読んだことがあります。彼女はチュノムに馴染みのない年齢でしょうから、漢字が難しいというのも納得です。

ちなみに、もう1つ難しいのが敬語だそうです。ベトナムの言葉にも敬語はあるものの、日本語のように色んな形に変わるわけではないそうです。確かに日本語は尊敬語、謙譲語、丁寧語と形が違いすぎますよね。

彼女はずっと「日本語が難しい」と言っていたものの、話していて聞き取れない言葉がありませんでしたし、標識や看板も問題なく読めると言っていたので、きっとたくさん勉強されたのでしょう。「子どもの頃、どうやって漢字を覚えましたか?」と訊かれたので「ノートにたくさん書いて覚えました」と答えたら「私もそうしています。私、子どもみたいです」と笑っていました。地道に書いて覚えている彼女の姿が思い浮かびました。「今も上手だから、これからもっと上手になりますよ」と伝えたら、「上手?そんなことない~」と謙遜していらっしゃいました。またどこかで彼女に会う機会があったら、もっと日本語が上手になった彼女に会えるのかなと楽しみです。

彼女と話して得た学びとして、熟語は柔らかい言葉に言い換えると伝わるということが分かりました。彼女に名前を尋ねたとき、「それは名字ですか?」と訊いたときは伝わりませんでしたが、「上の名前ですか?」と訊いたときは1発で伝わりました。
確かに、昔読んだ本に「外国人に伝わりやすい日本語」が載っていて、「腹痛」は「お腹が痛い」に、「昼食」は「昼ごはん」に、「睡眠時間」は「寝た時間」に変えると伝わるようになると書かれておりました。あれは事実だったんだなと身をもって体験しました。
こんな貴重な体験をさせてくれた彼女に感謝です。

以上、「単発アルバイト⑭ イタリアンレストラン洗い場・ホールスタッフ」でした。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

また、次の投稿でお会いしましょう!