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子ども扱いしない店員

こんにちは。高校5年生です。

前回の『単発アルバイト⑱ 洋食屋ホールスタッフ』、ご覧くださいました皆さん、ありがとうございます。
今回はこちらのお店で働くとき、個人的に気をつけたことを思い出しましたので、書いていきますね。

気をつけたことというのは、ある程度大きなお子さんに子ども用の取り皿やエプロンを出すとき、そのたびに出すかどうかを尋ねたことです。
お店の方からは特に「確認してから出して」と言われたわけではありません。これには、私の幼少期の経験が関係しております。

小学生の頃、家族で外食をしたときに何も聞かれず子ども用のスプーンとフォーク、エプロン、取り皿が目の前に置かれるのがとても嫌でした。問答無用で子ども用の椅子に座らされるのも嫌でした。
私は背が低かったので、幼稚園児に見えたのでしょう。お店の方に悪気がないのも、今なら分かります。しかし当時の私は読書が好きで頭だけは大人ぶっていたので、幼稚園児の弟と同じ皿、同じシルバー、同じ椅子に座らされることに屈辱感でいっぱいでした。私の意思を確認せずにお子様メニューを頼まれたり、おまけのおもちゃをもらったりするのも本当に悔しかったです。
ですから私は考えておりました。「私が大人になったら、どんな小さな子でも子ども扱いしない」と。

大人になった私は、「あの気持ちを清算するのは今だ」と思いました。ベビーカーに乗っていたり、先に子ども椅子を持ってくるよう求められたりしたお子さんには何も聞かずにお子さん用の取り皿やエプロンを出しましたが、大人用の椅子に座っているなど、小学生以上だと思われるお子さんには出す前に必ず、「お出しして良いですか?」「何セットお持ちしましょうか?」と聞きに行きました。
最初から決めつけて出した方が楽ですが、それは昔の私の悔しさが許しませんでした。

小学3年生くらいの女の子とベビーカーに乗った男の子を連れたご家族連れが来られたときのことです。ベビーカーに乗った男の子にはお子さん用セットを出して良いだろうと判断しましたが、小学3年生くらいの女の子は大人用の椅子に座り、大人用のメニューを読んでいらっしゃいました。私は「この子はお子さん用セットは要らないかも」と思い、「おいくつお持ちしましょうか?」と聞きに行きました。
ご両親が「もう要らないだろう?」と女の子に確認すると、女の子は「要らない、要らない」とのお返事。そしてベビーカーの中を指差しながら「(男の子には)要るでしょ」とのこと。その表情が少しだけ得意げに見えて、昔の私と弟に重なりました。確認しに行って、本当に良かったです。

私は以前アルバイトをしていたときも、子ども扱いしないことに密かにこだわりを持っておりました。呼びかけるときは大人と同じように「お客様」。相手がタメ口でも、絶対に敬語は崩しませんでした。全て、私が幼少期にされて嫌だったことの裏返しです。どんなに小さな子でも、自分にだけ大人と違う態度で接客されていること、タメ口で話されていることは理解できると思っております。せめて私が関わったときだけでも、悔しい気持ちになるお子さんがいないようにしたいです。私はこれからも、同じことを心がけていくつもりです。

以上、「子ども扱いしない店員」でした。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。

次の投稿でまたお会いしましょう!