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単発アルバイト⑥ エンタメ居酒屋ホールスタッフ

こんにちは。高校5年生です。

前回、前々回の記事でとある土曜日に入ったアルバイトについて書きました。ご覧くださった皆さん、ありがとうございます。
こちらの記事ではその翌日、日曜日に入ったアルバイトに関して書いていきますね。

日曜日のアルバイト先は前々回にお話しした通り、居酒屋さんでした。居酒屋さんと言っても皆さんがイメージする店舗ではなく、体育館か市民プールかと見間違えるような大きい建物です。店舗がやけに大きい理由は、詳しくは触れませんがこのお店が体験型の居酒屋さんだからです。特別な施設が備えつけてあり、体験をしながら食事を楽しむことができるエンターテインメント性に優れた居酒屋さんです。何と表記して良いか分からないので、タイトルは「エンタメ居酒屋」としました。体験の内容をはっきり書くとお店が特定できてしまうので、避けておきます。

私が入った時間帯は、開店からランチタイムが終わるまでの4時間です。受付からテーブル・座敷へのご案内、オーダー、お料理出し、バッシング、洗い場作業、洗い上がった食器の移動、そして縁日の担当です。
他のは分かるけど縁日って何??って感じですよね。お店の一角に結構広めの縁日コーナーがあり、そこでの業務を1人で任されました。お子さんと保護者をお迎えし、やる遊びを選んでもらい、保護者の確認を取って準備し、実際に遊んでもらい、景品を出してお見送りまでやります。担当する方法は大まかに教えていただいたので、細かいところは自分で考えて行う必要がありました。

これ以外の業務は他の居酒屋さんとほぼ変わらなかったので、今回は縁日の担当で起きたことに絞ってお話ししていきます。笑って良いのか分かりませんが、振り返ってみると面白いことだらけでした。

では早速、「縁日の担当で私が出会った保護者たち」をご紹介していきます。

①ダーツこだわるパパ

縁日コーナーにはダーツがありました。3本勝負で、的に書かれた数字を合計した点数に応じておもちゃがもらえます。ダーツの矢には磁石がついていて、的に当たるとくっつくようになっておりました。
小学校低学年とおぼしきお子さんにダーツをさせていたときです。矢が的にある線の上に刺さりました。縦線(?)ではなく、横線(?)だったため、私は書かれた数字の通り集計をしました。
すると見ていたお父さんが、「線の上なんだから点数が高くなるのではないか」と私にジャッジの訂正を求めました。私はダーツのルールを知らないので、「え、そうなの?!」とビビりました。しかしこれは縁日のお遊び。使っているのは子ども用のおもちゃのダーツで、線の上なら点数を上げろという指示はもらっておりません。線の上だったら何点なのか分からなかった私は厳密に集計する必要はないのではと思い、的に書かれた数字だけで集計しているとご説明しました。
子どものお遊びであっても、ルールにものすごく厳しい方がいるんだなと思いました。

②小学1年生だから手加減してくれママ

輪投げに挑戦されたお子さんのママです。輪投げは幼稚園児と小学生では投げる位置が少し異なり、床に2本の線が引いてありました。小学生の子は、幼稚園の子よりちょっとだけ後ろで投げることになります。
私は輪投げの輪を渡すとき、「小学生ですか?」と尋ねて線の説明をしておりました。すると見ていたママが「1年生だから幼稚園のところで投げさせて」とリクエスト。何かずるいなぁと思いましたが、反論するのが面倒になり、幼稚園児と同じ位置から投げることを許しました。まあ、ただのゲームですからね。
その子に許してしまったので、その後も小学1年生の子には幼稚園児と同じ位置から投げることを許すことになりました。見ている限りでは1年生の子は結構大きかったので、幼稚園児と同じ線からでなくても輪は入りそうでした。
輪投げの様子を見守りながら、親として子どもに有利な条件を提示したい気持ちは分かるものの、ルールはルールとして守ることを教えなくて良いのだろうかと考えました。これがまかり通ると知ったら、お子さんは今後「ごねたら許してもらえる」と勘違いして成長してしまうかもしれません。もし私が子どもを育てることになったら、輪投げが入らなくて悔しい思いをしたとしても、ルール通りにプレイさせると思います。スポーツだって社会生活だってルールを守るから成り立つので、それを感じて育って欲しいですね。

③引き金危なくないよねママ

2~3歳くらいのお子さんが射的に手を伸ばし、「やりたい」と言いました。お母さんは射的以外のゲームをやって欲しそうで、しきりに違うゲームを提案しておりましたが、お子さんが射的の前から動かないので結局、射的をすることになりました。
射的の鉄砲は遊園地やお祭りで見る一般的なおもちゃの鉄砲です。コルクの弾を込め、引き金を引くと弾が飛び出てきます。そのお母さんは「引き金に指挟まないよね?!指挟まないよね?!」と何度も確認しておりました。ただ指をかけている状態でも十分ゆとりがありますし、引いても指を入れるスペースが狭くなるわけではないので挟まる心配はないと思いますが、やはり親御さんとしてはそれほどに心配なんだなと感じました。お子さんを間近で見ている方しか分からないことがあるでしょうから、外野から「過保護だ」「気にしすぎだ」と言うべきではないのだろうなと思いながら、そっと見守りました。

④景品しょぼいからこっちにしなさいママ

それぞれのゲームでもらえる景品を1つ1つ見て、景品が豪華そうなゲームをお子さんに勧めるお母さん。お子さんがどうしても「射的がやりたい」と言って譲らなかったのですが、「この景品しょぼいじゃん。要らないじゃん。こっちにしようよ」と言ってお子さんを連れて行こうとしておりました。一応、店員の私が見ている場で「景品しょぼい」を連呼するのもどうかなと思いますが、何よりお子さんがやるゲームなのに、お子さんの意思を無視している様子も、見ていて私の子ども時代を思い出しましたね。私の親も結構「こっちにしなさい」というタイプでした。
ちなみにこの方、3番目の「引き金危なくないよねママ」と同じ方です。

⑤やっぱいいですママ

小学校中学年くらいの男の子を連れて、くじを引きに来たママ。くじは千本引きと言って、たくさんヒモが出ている中から1本を引っ張り、ついてきたおもちゃをプレゼントするものでした。つまり、引くまでは何のおもちゃが出るか分かりません。分からないからドキドキするのが醍醐味ですね。
男の子がくじを引くと、上がってきたのはキラキラしたピンクのカチューシャ。「おめでとうございま~す」と言いかけたとき、横からママがドン引きした顔で「もう1回引かせて」とのこと。何が出るか分からないと謳ってくじを引かせているわけなので、引いた時点でもう引き返せないでしょ……と思いましたが、「う~ん、じゃあ特別にもう1回だけ」とおまけしました。
黙って男の子が引っ張ったのは、またまた同じカチューシャがついたヒモ。私が景品をヒモからほどこうとすると、ママはものすごく嫌そうな顔をして男の子の手を引き、「やっぱいいです」と帰っていってしまいました。
このくじは1回200円。お祭りの縁日では当たった景品を見て「あ、やっぱ要らない。返金して」と言う人はいませんよね。このお店の縁日は参加した回数を店員が集計し、レジで支払うタイプだったので言いやすかったかもしれませんが、景品が気に入らないからと2度もキャンセルするのはマナー違反ではないかと感じました。

以上が特に印象的だった「縁日の担当で私が出会った保護者たち」です。もちろん、マナー違反ばかりだったわけではありません。ゲームを終えた後で「ほら、お姉さんにありがとう言った?」とお子さんに声をかけている親御さんもいらっしゃいました。促されてちゃんとお礼を言うお子さんたちを見て、とても微笑ましい気持ちになりました。

ちなみに帰って母にこの話をしたところ、「みんな親バカねぇ」と笑っておりました。「ルールは守らせなきゃ自分にそれだけ価値があると思っちゃうから、先生とか周りの大人に強く言う子どもになるよ」とのこと。
確かに私が小学生だったときも、先生が希望通りに動いてくれなかったときに「教育委員会に訴える」とか「PTAで話し合う」とか、脅しのように言っている子がおりました。子どもを守る姿勢を見せることは自己肯定感アップに繋がりますが、ルールがある場面はきちんと従うことを教えるべきですね。

以上、「単発アルバイト⑥ エンタメ居酒屋ホールスタッフ」でした。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。

また、次の投稿でお会いしましょう!