nami

コピーライターをやっています。何卒。

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最近の記事

公共広告・マナー広告

ちょうど今、ピンクリボンデザイン大賞の応募期間中だし、これまで何回か取り組んできた経験から思うことを。ピンクリボンのように、乳がん検診の定期的な受診を呼びかけるような公共性の高い広告やマナー広告のコピーを考える際、「どんな属性の、誰に言うか」はいつも悩ましいところだ。 ピンクリボンを例にすると、あれこれ視点や切り口を増やして、いろいろな属性の女性を想定してコピーを書くこともある。母、娘、祖母、主婦、会社員、恋人がいる人etc...また、そうしたほうがターゲットがイメージしや

    • コピーライターのストレス

      職業はコピーライターです、と言うと、どうせさらさら~っとテキトーに耳障りのいい文章を書いて消費者をダマくらかしてお金もらってるんでしょ、などと身もフタもないディスり方をされることがたまにあるが、そんなに楽な仕事だったら苦労はしない。もちろんやりがいがあるから長年続けてこられたわけだけど、それを凌駕するほどのストレスも抱えているのだ。何度辞めてやろうかと思ったか。今回はその一例をご紹介したい。 ※あくまで個人の経験によるものです。すべてのコピーライターに当てはまるわけではないこ

      • コピーライターの就職と転職②面接での質問

        コピーライターの就職と転職①からだいぶ時間が経ち過ぎて(約2年ぶりやないか!)、もともと2つ目に何を書くつもりだったかすらもうすっかり忘れてしまったのですが、とりあえずこれまで広告制作会社でのコピーライター職の採用面接で訊かれたことのある質問をまとめてみました。自分が実際に訊かれたものもあれば、他の人から「こんなことを訊かれた」と教えてもらったものもあります。これからコピーライターとして就職・転職しようという人に少しでも役に立てばと思うけど、受ける会社や面接官によって内容は変

        • 第57回宣伝会議賞 感想戦

          はい、というわけでね(YouTuberをイメージした導入)、第57回宣伝会議賞の各賞が発表されました。個人的な感想としては、できればあの人が獲らないといいなあ…と思っていた人がちゃんと獲っていなかったので、それはよかったなと思います。 この頃になるとだいたいいつも現れるのが、受賞作に対して「どこがいいのかわからない」「別のがよかった」「過去の作品と同じ構文」といった感想を投稿する人たち。正直、自分にも身に覚えがあります。箸にも棒にもかからない頃、酒を飲みながら「オリエン無視

        公共広告・マナー広告

          そのイキだ

          今日、2020年3月9日、ツイッターのトレンドに「#クロレッツそのイキだ」というハッシュタグが並んでいるのを見かけた。 これを見た瞬間、強烈な既視感があって記憶をたどってみると、第42回宣伝会議賞「明治キシリッシュガム」の協賛企業賞に以下のような受賞作があったことを思い出した。 話は変わって、お部屋探しマストのCMソングの歌詞って、もともとは「あなたのわがままに応えます」だったと思うのだけど、いつからか「あなたのこだわりに応えます」に変わっている気がする。これに対し、第5

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          宣伝会議賞とSNS

          宣伝会議賞に挑戦するにあたり、身近な同業者を除いて、自分の他にどんな人が取り組んでいるのかはこれまでずっとぼんやりしていたが(本誌やSKATで名前と受賞者の方の顔くらいは見ていたけど)、近年、SNS(この場合、ほぼツイッター)が普及し、宣伝会議賞に関する投稿が増えてくるにつれて、なんとなく他の応募者のパーソナリティがほんの少しだけリアルに感じられるようになってきた。それまでも、個人ブログなどで発信されていた人はちらほらいたけれど。 あくまで個人の見解だが、初めのうちは互いに

          宣伝会議賞とSNS

          学生チーム対抗企画

          以前、宣伝会議賞の贈賞式に運よく呼ばれて虎ノ門ヒルズに行った際、贈賞式後のパーティーで特に話す相手もおらず、所在なくぷらぷら会場内をうろついていると、「あれ、あんな受賞者いたかな?」という若者をちらほら見かけた。それがどうやらこの「学生チーム対抗企画」に参加した学生たちであるらしかった。 この企画は、賞の応募期間中に大学生のチームを募集し、一次審査の通過本数が多かった上位の2チームを贈賞式とパーティーに招待する、というものらしい。その関係者の誰も悪くはないし、ほとんど逆恨み

          学生チーム対抗企画

          第57回宣伝会議賞一次審査結果を振り返って

          先頃、第57回宣伝会議賞の一次審査通過者が発表された。個人の結果としては前回とだいたい同じで、20本に届かないくらい。そして、今回はどうやら贈賞式に行けないようだ。無念。コンスタントに選ばれ続けることの難しさを改めて痛感している。というか、むしろ長い間この状況が当たり前だったのに、最近になってなまじ贈賞式に行けたりしたものだから、感覚が麻痺しているというか、調子に乗っているというか。内心、いい波乗ってんねー!(死語?)と思っていた自分が馬鹿だった。身の程を知れ、さもなくば死ね

          第57回宣伝会議賞一次審査結果を振り返って

          コピーは愛だ

          スピッツは『運命の人』の中で「愛はコンビニでも買えるけれど」と歌っていますが、広告コピーの世界にも「愛」はそこかしこに溢れていて、特にいろんなものを「愛だ」と断言しているコピーは昔からたまに目にします。今回はその中から見たもの聞いたものをいくつかご紹介したいと思います。 ピザハット LAVIE KOMEHYO pixivコミック スカイライン ちょっと違いますが、かつて『ザ・カクテルバー』というお酒の広告ではこういうコピーもありました。 一体何が愛なのか?は完全

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          ◯◯女子・◯◯男子

          一時期そこら中で聞かれた「◯◯女子・◯◯男子」というような、ある種の性質や属性を持つ人たちを一まとめにして名前を付ける行為は、なんとなく「いい加減もういいんじゃないの」という雰囲気が世間で醸成されてきたようなイメージを勝手に抱いていたのだけど、2019年11月現在、以下の2本のテレビCMを見て、あれ、まだそうでもないのかな、と感じた。 気になるのは、どちらも「◯◯男子」という点で、「◯◯女子」については最近はまだ確認できていない。自分が見ていないだけで、どこかの広告では使わ

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          宣伝会議賞ひとり打ち上げ2019

          応募締め切りまでまだ10日ほどありますが、一身上の都合により、とりあえず一旦このへんで締めようと思います(もしかしたら、最後に多少悪あがきするかもしれませんが)。ただでさえ課題数が減ったのに、途中でさらに1つ減るというハプニングはあったものの、個人的には今回も楽しく苦しみながら取り組むことができました。(あの課題の応募作品の9割が「なんでん関電」とかであれ!という、心の中のゲスい祈りが届かずに済んだのは不幸中の幸い) 振り返ってみても、個人的には取り組み方も応募本数もまあ例

          宣伝会議賞ひとり打ち上げ2019

          宣伝会議賞におけるプロとアマチュア

          宣伝会議賞は、名目上は「コピーライターの登竜門」という主旨があるにせよ、過去のグランプリなど一部の受賞者を除いて、年齢・職業問わず誰でも参加できる。現在、課題の案件を実務で担当してさえいなければ。 広告業界の人ばかりではないし、中には主婦の方や学生さんもいる。応募の目的は人それぞれで、広告業界への就職・転職のきっかけにしたい人もいるようだし、この賞に限らずいろいろな公募に挑戦して賞金を狙う人もいれば、仲間との出会いを期待する人もいるようだ。個人的には、少しでも名前を売ろうと

          宣伝会議賞におけるプロとアマチュア

          褒め合う文化

          先日とあるイベントにて、お二人の大御所コピーライターの方によるセミナーを拝聴してきた。テーマは、企業のブランディングにもコピーがまだまだ有効ですよ、というもので、それを説明するために、まずはこれまで実際にご自身が手がけられたコピーを例として挙げ、もう一人の方がそのコピーのどこが優れているかを解説する、ということを交互に行う形で進行されていた。その際、それぞれの方が「なんかごめんなさいね、お互いに褒め合ってるみたいで」というようなことを、少なくとも5、6回はおっしゃられていて、

          褒め合う文化

          まだ課題を見ていない人に

          我々は先日、第57回宣伝会議賞の課題をまとめた非売品の冊子をいくつか入手することに成功した。自分の分はすでに掲載誌を自費で購入済みだったので時すでにお寿司だが、せっかく手に入ったのだから、身近な人にでも配って参加者の裾野を広げようかと考えた。てか、「我々」って誰だよ。 わざわざ自分からライバルを増やしてどうする、お前にそんな余裕ないだろ?ん?と、隠しきれない器の小ささから負の感情がぬらぬらと湧いてきたりもしたけど、とはいえ宣伝会議賞には長年お世話になっているし、微力ながらほ

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          コピーを閃くアイテム

          前回紹介した「コピーを閃く瞬間」には続きがありましたので、ご参考までに。後編は、「コピーを閃くアイテム」です。では、はりきってどうぞ。 え、なになに、そういうお前は何使ってんだよ?そこまで言うなら仕方ない。(←古典的自作自演というか様式美というか) 自宅では、ほぼほぼPCでWordに書いてます。電車の中なんかでは、スマホのメールの本文に打ち込んでいき、その都度下書き保存して、ある程度溜まったらPCのアドレスにメールで送る、というやり方が多いです。そんで自宅のPCでメールか

          コピーを閃くアイテム

          コピーを閃く瞬間

          やるべきことをもろもろ後回しにして部屋の片付けをしていたら、懐かしい雑誌の切り抜きが出てきた。ちょうどタイムリーだし宣伝会議賞はもちろん、それ以外でもコピーを書くときの参考にしてもらえたら幸いです。 しかしよく見たら、これ『宣伝会議』の2008年9月号らしい。11年前…。この頃、もうすでに自分もプロのコピーライター(末端とはいえ肩書きは)だったと思うんだけど、これを見ながら「そうなんだー…超一流はすごいなあ…!」とタメ息ついていたのは今となってはいい思い出です。こんなのを大

          コピーを閃く瞬間