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高気密高断熱住宅の設計施工方法

総隙間面積測定値120÷述床面積69.405㎡=C値1.7


気密測定状況

* プロフィール *

老兵の私が早期引退して約10余年が過ぎた頃。コロナ過になり、外へ出かけることもなく暇つぶしにWeb等を拝見していたところ、以前携わっていた高気密高断熱住宅のページに目が止まり拝見してみましたが、「昔携わっていたころと基準内容など、あまりが変わってないな!」と感じました。色々なwebを見てみると、私が勉強してた頃と同じく無駄な建築設計施工が多いのに気が付きました。「ここをこうすれば簡単に低予算で良い高気密高断熱住宅ができるのに・・・・」



そこで、業者間ライバルなど一切しがらみがなくなった今こそ、私が勉強して極めた工法も、もう私には必要がない、高気密高断熱住宅のマニュアル公開を実行しようと考えました。
このWebをみれば次世代省エネルギー基準に適合した住宅の設計施工が簡単に低予算で出来るようになります。

私の自宅も高気密高断熱住宅にて18年程前に設計施工し今も居住しています。当時は居住しての実験台となり改良に役立てました。現在も高気密高断熱高耐震の恩恵を受けています。



* はじめに *

設計会社の方、建築会社の方、一般の方で建築予定があるなど高気密高断熱の住宅施工に興味がある方、興味があれば御覧頂き活用してください。

高気密高断熱の設計施工にて注意すべき箇所とオリジナル施工方法を各項目にて説明いたします。
10年程前の国の断熱基準にて作成してありますので、最近の断熱基準は各自にてお調べ頂き、ご利用下さい。(10年前も今も施工は変わりません。)
また記憶が曖昧な事があるかもしれませんが、その場合にはお許しください。
なお、この業界に携わる方ならご理解頂けると思いますが、当時のお施主様の特定が出来ないように建築地域、私の居住地、氏名などの個人情報にかかわる詳細については未公表とさせて頂きます。

当時の私が設計施工していた基準値は・・・
 次世代省エネルギー基準Ⅲ地域準拠
  断熱性能:等級4
  相当隙間面積:2.0以下
  屋根又は天井 熱抵抗値4.0m2・K/W
  壁      熱抵抗値2.2m2・K/W
  床      熱抵抗値3.3m2・K/W
  開口部    玄関K3 サッシ複層
(A12) アルミ樹脂複合
  換気     第3種換気システム

物件により(施主希望や地域により)断熱性能をⅡ地域仕様にて施工。
残念ながらⅠ地域は全く別物になるので設計施工はしていません。


私も当初は、一般在来工法しか知りませんでしたので、某メーカーの高気密高断熱の講習を受講し高価な断熱パネルを仕入れて四苦八苦したものです。高価な仕入れを行えば利益が減り施主様の負担が増えていきました。
これは何とかしないとと考え少しづつ改良を行いました。この施工は在来工法を行ってきた方なら何方でも施工出来る方法です。
特殊な施工もないので大工+監督+断熱工事責任者(兼任可能)にて施工出来ます。断熱材の吹き付け施工など別業者を増やす必要もありません。
もちろん当時はフランチャイズによる気密測定も行いC値は1~2を確実にクリアしています。
気密施工は行えば行うほどC値は良くなりますが自己満足の世界になり負担が増えます。
私も一時はC値を良くすることに熱中しましたが副資材(気密シート、気密テープ、ブチルテープなど)と施工手間、チエック箇所も増え施工費が増大しますので最終形として、第3種換気システムに最良なC値1~2に設定しています。
私の考えは断熱性能が上がり結露なく性能機能が発揮出来れば良いと言う結論に達しました。数値の事だけしか考えずに開口部の玄関や窓を小さくしたり引き戸を採用しないなど使い勝手を悪くするのは辞めましょう。快適な住宅の設計施工が第一条件です。
改良を繰り返した最終フランチャイズ契約時の購入パネルでもはけっこう隙間が多くて後気密施工が大変でしたが、それでも後気密処理を行うことで良い数値になりました。
この工法は経験から得た気密処理が最小になる施工方法です。
C値を1~2に保つ設計施工はこのwebにて簡単に出来る様になります。


高気密高断熱住宅は設計にて全てが決まります。また施工工程表作成も非常に大事です。
間取りプランが決定したら高気密高断熱住宅に適合するように各所の検討を行います。

* 設計編 *

1.プラン

プランを行うには高気密高断熱住宅の設計ポイントがあります
プランで大事な個所は暖かい家が良いか涼しい家が良いかの希望を施主に伺いどちらかに少しシフトする事です。
当然断熱性能はありますが、軒のない家の場合、直射日光が入りますので夏は不利ですが冬は有利になります。
日射遮蔽が一番のポイントになりますが、施主の外観希望もありますのでこの点を必ず説明して下さい。
私の居住地域の冬は朝冷え込み昼は快晴なので昼間に太陽の熱を取り入れすれば暖房はほとんど不要です。居住地域もプランには重要です。
この辺の話は他の媒体情報を参考にして下さい。ここでは設計施工を極めましょう。


2.換気扇の選定

システムキッチンは必ず同時吸排を選定して躯体からφ150のアルミフレキダクト2本が設置出来るかのチエックを行ってください。
換気扇の承認図を手配してキッチンの天井高内に収まるか、梁の下を抜くことが出来るか、ダクトの吸気方向と排気方向の向き確認が大事です。
ユニットバスの換気扇は逆流防止シャッター付き普通排気換気扇で十分です。24時間換気扇が機能してもUB換気扇から外気を吸気する事はほとんどありません。
ただし必ず天井換気扇とします。φ100のアルミフレキダクトを1本にて排気しますので結露水の水勾配がとれる配置確認をキッチン同様に行います。(ユニットバス本体を施工されるとユニットバスの換気扇ダクトの気密処理が施工しずらくなるので先行配管を必ず行います)
24時間換気扇は第三種換気システムを使用します。工事が簡単でパーツが少なく、電気代もお得です。
ただし必ず気密性能C値1.0~2.0を確保します。
私の場合はキッチンダクトとUBダクト及び24時間換気扇の墨だしと設置及び換気配管工事を自分で行いました。
24時間換気システムは1階と2階に本体を分けて設置しますので各室内吸気個所が決定し図面が出来たら換気扇メーカーにて圧力損失計算書を取り寄せます。(各部屋の面積と天井高が必要です)
ダクト長や吸気個所数などにより本体の大きさが選定されますので建築確認申請書や住宅保証会社から請求された場合に提出できるように準備しておきます。私の場合は確認申請と保証会社書類に添付して提出しましたし、施主への見積根拠として提示しました。
24時間換気システムの設置個所は洗面所や納戸などの天井高が低くできる箇所で長く人が滞在しない箇所に設置しGW断熱材にて消音を行ないました。寝室の設置は厳禁です。
24H換気の点検口は600角にてアフターが容易になるようにします。
自然吸気システムはリクシルのサッシ内蔵の換気框にて施工の省力化を行います。当初は各メーカーの吸気口を設置していましたが施工に労力が必要なのと価格が高く、メンテナンスも大変なのでサッシ内蔵に切り替えました。
24時間換気システム本体もフクビ→エモト→パナソニックと変更しています。
最終使用の24時間換気システムの品番はFY18KED1等ですが能力はメーカーに依頼(無料)して圧力損失計算により決定します。


3.鋼製建具

アルミ樹脂複合ガラスA12などをメーカーなどの情報により選定して下さい。

玄関と鋼製建具は基準以上の物を使用しないと、結露でびっしょりになりますのでご注意ください。
引き違い建具のほうが気密性能には不利ですが気密性能C値1.0~2.0には全く問題なく多用しました。(和風平屋で多数設置もあり)現在居住の家も引き違い窓が多いですが窓を締めた時の隙間風は感じませんし、もちろん気密測定でも問題ありません。逆に季節が良い時は窓の解放を楽しんでます。やはり引き戸は使いやすいですね。


4.基礎

基礎においては在来工法と同じ工法ですが、UB設置基礎部からは室内と考えますので次の施工が必要です。UB設置個所はUB側に20ミリ厚程度の板状断熱材を型枠内に設置し生コン打設をします。
後日接着するより気密が保ちやすいからです。
UB個所は室内として考えるためにUB工事前に基礎パッキン箇所を発泡ウレタンにて気密断熱処理を行います。
人通孔の個所もUB施工前に板状断熱材(基礎厚内程度)で塞ぎ発泡処理にて気密断熱を行います。
ここで使用する断熱材は熱伝導率等はあまり気にせず、出来るだけ水に強くて断熱気密を良くする素材を選定します。
基礎立ち上がり部材が厚いとUBに干渉しますので20ミリ程度とし、UB床には水漏れ時の排水口(フクビ製土間水抜)設置のため敷き込みしません。(断熱材の厚みは布基礎部幅より選定)
土間に水抜きがないと、もし水漏れがあると水の逃げ場がありません。床に敷き込みの必要性がある場合にはコンクリート耐圧土間下にて断熱が良いかと思います。
堀コタツ設置の場合は床と壁(大引下設置)などを断熱材で囲み発泡ウレタンにて断熱切れがないように施工してから、この場所だけは気密シートを設置します。
私の家では堀コタツを設置しましたが電源を入れた事がありません。コタツ布団があれば人間の熱で十分だからです。人数が多く集まる正月などは暑すぎるのでコタツ布団は掛けません。
発泡ウレタン吹き付け個所は他に玄関の内部土間タイル仕上げ個所があります。コーキング材を併用して気密処理を行います。
また、梁など羽子板等のボルトが外部と内部を貫通している箇所は熱橋となりますので発泡処理を行います。


画像奥がUB断熱箇所 設備配管終了 この後土間掃除をして 土台からの床工事です

5.構造駆体

造躯体は在来軸組工法にて施工します。パネル工法などの躯体はクレテック金物などが相性が良く当初は使用しましたが、建て方までの保管が大変です。
広い個所に仮置きが必要で、かさばるので運賃も多額になります。告示1460号が告示された当時は柱頭柱脚金物の選定が大変だったので重宝しましたが、今では無料ソフトなどで柱頭柱脚金物の計算選定が簡単にできますし金物を減らす事も出来るのでので在来工法にて金物を選定するのが良いかと思います。
ちなみにクレテック金物等は基礎から床方向に金物特有の開口があるので断熱気密には不利です。もちろん1、2階の梁接合部にも空洞があります。この空洞の断熱処理が大変なんです。
パネルとクレテックの相性が良いと言うのは在来軸組の羽子板ボルト等がパネルと干渉するのが良くないと言う事だと思います。対策は技術編にて記載します。


6.図面

高気密高断熱住宅設計に必ず必要なのは
基礎伏図
換気図
建具図
断熱材仕様図
電気図
住宅設備承認図
構造材図(プレカット)
告示1460号金物配置図

上記が施工に必ず必要な図面となります。


床断熱工事終了

* 施工編 *

A.基礎工事

基礎工事においては[設計編]にてユニットバスの断熱について記載しましたが、もうひとつ大事な事があります。それはホールダウン金物です告示1460号の計算にて少なくなるようにしても建物の出隅などに設置するようになります。そして壁の断熱などと干渉する事が多いのではないでしょうか?ホールダウン金物の設置方法は基礎図面に詳細寸法が掲載してありますので参照して下さい。そしてもうひとつ、立ち上がり基礎が終了したら玄関の下地土間を打設します。玄関建具の框部は型枠を入れてピット状に仕上げ玄関建具設置後にモルタル詰めにて気密を確保します。なおここで使用する型枠は在庫の30ミリ程度の板状断熱材をガムテープなどで一体化して設置しておけばバールなどで簡単に取り外し出来ます。ただし、厚い断熱材は取り外しが大変になるので使用しないほうが良いです。玄関建具の耳が干渉する立ち上がり部にも必ず板状断熱材を打ち込みしておいて下さい。この施工寸法も基礎図面参照して下さい。
基礎工事から気密住宅施工は始まっています。


B.設備工事

基礎工事時に先行スリーブ配管が終了していますが、基礎立ち上がり終了時に設備工事を行います。全ての配管を床工事前に終了し配管の立ち上がりは建て方後に床下に潜り設置してもらいます。床貫通穴はコーキンクなどで気密処理を忘れないようにして下さい。
私の場合はこのタイミングにて外部給水排水浄化槽工事を終わらせます。外部の土の掘り返しは完成間近にはしたくないですね。
建て物がない状態なら設備業者もミニユンボのバケット操作が楽ですし狭小地では基礎内にブルーシート養生して土を仮り置き出来ます。工事が早く楽になればその後の工程に余裕が出来ます。私の管理現場では設備業者さんは喜んで施工していました。勝手口土間と外部給水排水工事の順番は要注意です。


C.床工事

基礎工事時に先行スリーブ配管が終了していますが、基礎立ち上がり終了時に設備工事を行います。全ての配管を床工事前に終了し配管の立ち上がりは建て方後に床下に潜り設置してもらいます。床貫通穴はコーキンクなどで気密処理を忘れないようにして下さい。
私の場合はこのタイミングにて外部給水排水浄化槽工事を終わらせます。外部の土の掘り返しは完成間近にはしたくないですね。
建て物がない状態なら設備業者もミニユンボのバケット操作が楽ですし狭小地では基礎内にブルーシート養生して土を仮り置き出来ます。工事が早く楽になればその後の工程に余裕が出来ます。私の管理現場では設備業者さんは喜んで施工していました。勝手口土間と外部給水排水工事の順番は要注意です。


床断熱工事終了

そして断熱材はネオマフォームです。土台大引の施工が終了したら断熱材支持金物を配置して断熱材をカットし大引き間に落とし込みます。断熱材をカットするのは必ず丸ノコを使用してください。ジグソーなど使用すると綺麗にカット出来ません。
カットして出た端材は綺麗にカットされていますので、防蟻処理済野縁(私の場合は左官定規LS25をステップル留め施工)を大引横に打ち付け詰め込みながら敷き詰めます。高価な断熱材なのでゴミにならないように使い切って下さい。1階面積が15,6坪の家で製品4枚程度は端材使用で代替えできます。ゴミを使っていると言われないように、端材利用を必ずお施主様に伝えて下さい。端材利用しても断熱性能はまったく変わりませんが必ず隙間なく詰め込んでください。当初購入していた高額なメーカー断熱パネルも継ぎ接ぎでしたから全く問題ないでしょう。
断熱施工終了後は実付床構造用合板を敷き込み釘はN釘使用遵守です。私の場合は、床合板加工は大工人工人件費よりプレカット工場が低価格なので工場カットとしました。床断熱材カットは自社作業場でカットしても現地カットでもOKです。
土台外周部には土台芯から外側に合板調整材を掃き出し窓以外に施工しますが隙間が出来ないように施工して下さい。壁施工後に隙間をコーキンク処理しますので丁寧にお願いいたします。



床養生(イージーコート使用改良前の土間シート仕様時)

最後に床養生材イージーコートを敷き込みます。雨養生にはこれが一番です。気密住宅は仕上がっていくと工事中は気密により空気の通りはわるいので(合板下に板状断熱が入っているのも要因)で床合板が濡れるとなかなか乾きません。イージーコートは屋根のルーフィング終了後すぐに剝がして下さい。
床養生終了後は床上に脚立や仮筋交いなどを搬入してブルーシートなどで2重養生が良いです。
建て方終了後は1階柱と床合板の隙間をコーキング材でシールします。コーキングへらを使用して床合板と平になるように処理して下さい。色はあえて目立つホワイトが良いかと思います。これで1階合板の気密施工は終了です。合板に実付を使用するのは気密のためでもあります。


D.天井工事

ここで言う天井工事は断熱の天井工事の事です。天井は1階梁上と2階梁上設置があります。1階梁上は2階居室下が吹きさらしで外気に接する箇所(玄関ポーチなど)や1階居室上がベランダの場合等です。


2階梁上の小屋束

どちらも断熱材は同じですが使用する構造用合板が違います。1階梁上は1階と同じ実付28ミリ構造用合板でN75釘止めで2階梁上は12ミリ構造用合板を使用しN50釘止めです。
構造用合板を使用する事で火打ち材は不要となりますので板状断熱材が使用出来ます。
工程では1階梁が終了後に2階床合板を敷き詰めますのでとても安全に作業が出来ます。2階床施工時には上記理由などで断熱材を入れる箇所がありますので1階床と同じ工程にて断熱材を設置します。


小屋束周辺:断熱受金物→断熱施工→構造用合板12ミリ→N50釘@150→小屋束設置→コーキンクを施工→柱脚金物を設置→小屋筋交→母屋→タルキ→タルキ留金物タルキック→野地

1階梁上と2階梁上に使用する断熱材はネオマフォーム厚40ミリです。「断熱材の厚みが少なくて熱抵抗値に適合してないぞ」と気が付いた方は正解です。
天井断熱材が躯体の羽子板ボルトと干渉しないようにプレカット発注時に出来るだけボルト位置を下げてもらうのですが、当時の記憶では40~50ミリ程度しか下げる事が出来ませんでした。
ネオマフォーム以外だと厚みが増し羽子板ボルトに干渉し梁上から大工が足で無理やり押し込んだ経験もあります。熱橋予防にはいいかもしれませんが見た目が悪く上手くいく箇所とダメな箇所が出来て性能が保てません。
よって建て方時はこのままで、造作時にGW100Kなどを挿入します。2階梁上は12ミリの構造用合板が設置されているので屋根ルーフィング終了後(雨仕舞完了後)に敷いて行けば結構簡単に敷き詰められます。が、問題があります。

小屋筋交いが結構邪魔で綺麗に入らない箇所も出来てしまいます。よって2階居室天井下地にGWを敷き詰めプラス断熱とするのが施工も楽で断熱施工が完璧にできるので最良だと思います。天井ネオマフォーム断熱材と2階居室GW断熱材の間空気層も出来ますので考え方で賛否ありますが施工後の問題はありませんでした。
もっともGWを音遮断の為に入れていた物件も多かったので問題ないのではないでしょうか。メインのネオマフォーム40ミリとGWの熱抵抗値が基準以上になるよう注意して下さい。


2階梁上の合板を施工した後に小屋束を建てたらすぐ合板と小屋束の隙間にコーキングにて気密施工します。発砲ウレタンも可能ですが大工のエアーホースに発泡ウレタンが接着しやすいのでお勧めできません。その後にカスガイ以上性能がある小屋束の柱脚金物にて梁と小屋束を緊結します。その金物は合板を挟んでも性能がある物を選定して下さい。
天井合板が敷き詰められているので安全に作業が進みますからコーキング処理が忙しい事になります。小屋筋交いを大工に施工される前に完了しないとコーキング処理が大変ですし垂木や野地板が施工されるとコーキングは不可能になります。

天井合板は3尺角の箇所を設計段階で設定し点検口と同じく2階から屋根裏に出られるようにしますので、その箇所は釘止めしないよう注意して小屋筋交も干渉しないように合板上にマジックで点検口と表示して注意を促します。
私の場合は天井断熱材と天井構造用合板は建て方前に自社作業場にて加工しましたので点検口表記マジックはその時書きました。
点検口の細かい施工(居室から出られるように細工)は2階居室の天井下地工事までに行います。1階床は市販の高気密高断熱用点検口を使用するのが良いかと思います。また施工は造作時でOKです。


天井点検口:小屋裏への点検口です。自作でハンドルを作っています。


1階天井(上部はベランダ) :羽子板の熱橋防止発泡ウレタンは建て方翌日施工、外部外壁に干渉なければ切断しないでそのままの団子状態

D.電気工事(第一部)

電気工事会社は特別な器具(気密コンセントボックスなど)は不要です。(コンセントの気密施工は図面参照)気密が大事である事の徹底と壁貫通時に配線穴を内部側と外部側から行う事を指示します。
建て方終了時に床下地が終了してますので何時でも工事に入れますが配線されると他の施工障害になるので工程表を渡し工事日を指定します。
タイミングは壁工事が終了し防風防湿シートを外部に貼る直前がベストです。私の場合は換気ダクト工事と24H換気扇は自分で設置しましたのですが電気配線を先に施工されると結構障害になるので電気工事業者へ外注しない場合はダクトと24H換気扇施工が終了してから現場入りさせて下さい。
設計者はコンセントの位置を出来るだけ外部に接する箇所が少なくなるように設計するのもポイントです。


1階居間から吹き抜け越しに見てます。2階ホールに施工した2階用の24時間換気扇です 改良途中の天井断熱材が厚いため羽子板ボルトに干渉しています。

E.壁工事(第一部)

壁工事が断熱気密工事の一番大変な箇所です。玄関や窓サッシなどの開口部や電気配線、設備配管、空調エアコン、24時間計画換気システム、など多くの工事がある為です。
しかし私の行っていた壁断熱気密工法なら在来工法の延長であり気密断熱工事で良く使用する特殊な建材は不要で材料費と人件費が少なく済みますし、施工する各職人さんたちへの負担も少なく施工が単純なので施工ミスも発生しずらくなります。
お施主様にとってもプランの制約が緩くなり低価格にて次世代省エネルギー基準住宅に入居できるようになります。
設計者、施工者、建築主がWinWinですね。

さて、ここからが次世代省エネルギー基準住宅の設計施工に大事なマニュアルになります。

とても重要な電気工事と壁工事のポイントが全て掲載されています。また高気密高断熱住宅設計の必要図面として下記pdfがダウンロード出来ます。
特にパネル図面は各所の断熱気密パネルが直ぐに設計施工出来る詳細図となっています。

次世代省エネの高気密高断熱住宅の設計施工を机上ではなく実際に施工したマニュアルになります。提供図面も同一物件で統一されてますので施工の繋がりがご理解頂けます
同業他社との差別化へ、新基準対応で顧客の確保を確実にしましょう。

この工法を取り入れれば造作は大工にストレスがない普通施工でOK。
次世代省エネルギー基準住宅の設計施工が自分の物になります。他社より先に取り入れが有利です。
また、設計事務所におかれても、色々ある書籍や媒体が多く、本当に性能住宅が設計出きるか、不安を抱くよりこのwebにて実際の施工例を取り入れて設計や管理にお役立て下さい。
特に造作時は普通の造作工事になるので設計の意匠幅が大きく広がります。
なぜ気密シートがいらないか?気密シートがなくて壁内結露はどう防ぐことが出来るのか?なぜ気密コンセント等を使わないで気密が保てるのか?
その回答はこの後の電気工事、壁工事、駆体工事、壁断熱工事、鋼製建具工事の施工編(第二部)とダウンロード図面で確認して下さい。


* 施工編第二部 *

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