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脱げかけた、猫

借りてきた猫、という言葉がある。きっと彼女のためのものだと思った。

たしか、どこかの作品で書いたような気がする。
「ここにおいで 君の××な君と一緒に」だね。
あれは彼女との記憶。なぜ更新されないかって? 断絶してしまったからだ。

人との関係は簡単に切れる。一度切れてしまったものを結びなおすのは難しい。切ってしまうのは、あんなに簡単なのに。

無理矢理笑っている彼女を口説いたのは私だった。それから10年くらい共に生きたような気がする。今もどこかで猫を被っているんだろうか。
やめときなさいって、しんどいだけなのに。
幸せになってくれてるといいなあ。本当に心からそのまま、無理しないで笑える場所で、笑っていてほしいと思う。

実は彼女が私を初めて「妬んで」くれた人だった。
そんなものとは無縁で何もかも劣っていると思っていたから、割と本気の青天の霹靂だった。
(いやいやいや!! 君だってけっこう色々持ってんじゃんか! 何を羨んでんの! 両親だってそろってて温かいご飯が帰りを待ってていくらでも甘えられる友人関係を持っていて、私以上に素敵な人生じゃないのか?)
なんて、びっくりした覚えがあるし、妬まれる理不尽さに打ち震えた。
まさか一番身近な友人からそれを向けられるとは思ってもみなかった。

それがAちゃんとの記憶です。他にもあるんだけど、どこかで断片はたくさん組み入れてきたから、あえてここで取り上げるのはやめておきます。
ああでも、一つだけ。彼女のことは本気で好きだった。叶わないものだったけど、好きだったよ。


栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!