高校入試頻出テーマ史の攻略7 エネルギー・環境問題

本日もよろしくお願いいたします。
今回は久々に頻出テーマ史攻略を行いたいと思います。今回のテーマはエネルギー・環境問題です。
これらについては出題形式もさることながら、小論文や評論文、英語長文のテーマとしても出題される可能性がある重要テーマです。ここ8年の解析から見えるエネルギー・環境問題をまとめていきたいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。


■エネルギー・環境問題 出題形式

では、さっそく今回のテーマの出題形式を見ていきましょう。
出題の基本としては地理分野の出題、公民分野の出題、3分野総合の出題が中心となります。

➀地理分野の出題

地理分野の出題の中心はエネルギー関係が中心となります。となると、①火力発電・水力発電・原子力発電といった主要エネルギー、②地熱発電、風力発電などの再生可能エネルギー、③エネルギーの原料など出題する内容は多くなります。
➀についてですが、これについてはそれぞれの発電所が置かれている場所、そこに置かれている理由が問われます。また、世界の発電所の割合も出題されます。なぜこの地域はこの発電所が多いのか、ということを考えてほしいのです。
こういったデータについては、「データブック オブ・ザ・ワールド」(二宮書店)や国勢図会などを使うのがいいでしょう。中学社会ではデータブックを使うところは少ないですが、最低でも図表・資料集などを使って確認をしておきましょう。

②についてですが、これについては置かれている場所もそうですが、再生可能エネルギーを活用する利点と問題点をそれぞれ考えておきましょう

③についてですが、石炭・鉄鉱石の世界の分布、日本の輸入量、世界の産出量・輸出入量などについてそれぞれ知識を整理しておきましょう。また、近年新しく出ているのが、レアメタル、新しいエネルギーであるシェールガスやメタンハイドレートといったものも気を付けておきましょう。
そして、来年の入試で少し警戒を入れてほしいのが南鳥島です。近年のニュースで南鳥島で調査していたらマンガン団塊だんかいが確認された、とのことで、採取した団塊からコバルト、ニッケルなどが試算されたとのことです。中学入試では警戒が必要なものですが、高校入試でもエネルギー・環境問題がテーマとなると注意しておく必要があります。

②公民分野の出題

続いて、公民分野の出題ですが、こちらはエネルギー問題というよりも環境問題の出題がメインとなる可能性があります(一部地理・歴史と融合している問題もある)。その中で警戒が必要なのが、①京都議定書・パリ協定、②公害病に関する問題、③ゼロカーボン(カーボンニュートラル)やグリーン購入といった新語など警戒する問題は非常に多いです。

➀についてですが、こちらは京都議定書・パリ協定の対比討論型の出題に気を付けてください。特に、先進国と発展途上国の温室効果ガスの扱いに関する立場を短文記述問題で出題することは多いです(正誤問題もないわけではない)。グラフの変動をみての正誤問題も警戒をしておきましょう。

②についてですが、公害病に関する問題といえば、四大公害病です。その公害病が発生した地域(地図での出題がある)・原因などを答えられるようにしましょう。また、公害病に対応するための法律・省庁などもあわせて出題されます。短文記述問題で出題されることはあまりありません。
また、公衆衛生についても整理しておくといいでしょう。

③についてですが、今年の公立高校入試でも出題があったゼロカーボン、グリーン購入、エシカル消費、食品ロスなどといった新語に注意をしておきましょう。
といっても、ゼロカーボン(カーボンニュートラル)については、ライドアンドパーク、3R、食品ロスなどの話を総まとめしたものです。昨年出題があった環境保全もこれに該当します。なお、カーボンニュートラルについては、新教科書には掲載がある予定です。
一部新語については別記事で改めてまとめますので、そちらで解説します。また、記事については、入試問題使用許諾の関係上、メンバーシップ限定公開となりますので、ご容赦ください。しかし、入試で点差をつけることができる情報が多いので、ぜひ、メンバーシップ、単品購読を行っていただき、知識のアップデートをしましょう。
これらに関する問題点や課題・解決法などをまとめておく週間を付けておくといいでしょう。これらのテーマは国語の長文、小論文のテーマなどに影響を及ぼすことになります。関連知識・背景知識などを意識してまとめておくといいでしょう。
特にこれらの問題については問題データが少ないので、出題のあった問題を参照にまとめておくといいでしょう。

③三分野総合問題の出題

そして、三分野にまたがった問題も出題があります。歴史になると自然災害が多くなりそうですが、エネルギー関係だと近現代での出題が多くなるうえ、現代社会の問題との融合問題も想定されます。
上記で触れた問題をベースに様々な都市で行われているゼロカーボンシティの取り組みなどを自由記述させるなどのことも想定されます。伝統工芸品との関連も警戒をしておきましょう(サンプル問題としては広島県などが使いやすいうえ、自由記述問題もあるため、よいトレーニングとはなります)。

もう一つあるとすれば、SDGs関連の問題と融合させることです。実際にSDGsのテーマにエネルギー関係、環境問題関係の問題が絡んできます。
出題としては資料を見てグラフの変化、与えられた資料をもとに短文記述問題で出題、自由記述での出題がメインとなると思います。

■今後の予想問題は?

こちらについては、時期を見て作成をしていきたいと思います。もちろん、新作問題も作成予定です。多忙すぎた場合は作成が遅くなりますが、今年は他にも作りたいテーマ史の問題があるので、そちらも作成していきます。
現在考えているのは、上記で出そうなタイプの問題を解析していきます。もちろん、問題の解析とランクについては拙著の『高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本』(かんき出版)を併用してまとめたいと思います。

入試ランクを用いた予想問題演習は他に類を見ないものとなっています。完成した際はメンバーシップ限定公開でアップしますので、よろしくお願いいたします。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。