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KUNIBIKI'17 Event Report 1.

こんにちは。

FunkotsuのSNS経由でご覧いただく方は、はじめましてですね。

KUNIBIKIを主催するアートプロジェクトFunkotsu(フンコツ)のワタナベコウキです。

KUNIBIKIでは事務局として裏方のこと全般をやっておりました。

(よく聞かれるのですが、私自身は美術作家でないので作品はつくりません)

今回、KUNIBIKI'17の公式イベントレポート「2回」に渡ってお送りしたいと思います。

KUNIBIKI'17とは、東京・大阪・京都・鳥取・島根の芸術作家たち17名による展覧会。年に一度お盆期間に開催しています。会場は島根県立美術館
主催する組織はFunkotsu(フンコツ)、メンバーはこの人たち。
中島祥吾
sota

では早速行ってみましょう。



Report 1.「会場で何が起こり、何を発したのか」



例年にも増して溢れた"ジャンルフリー"感


KUNIBIKIは、ジャンルに関係なく自由な作品が、ずらずらっと展示してあるのが特徴です。

まずは、作品の一部をご覧ください。


山岡 翼 "勾玉男の男磨き"

オートマタという技法。要するにカラクリで作品が動くんです。

子どもたちに大人気でした。


辻 友香 "Feel so slow"

布に万年筆で直書きされた作品。ゆらゆらと漂う感じが素敵でした。


tama "イントロ"

毎朝こんな清々しいといいのになーと思わせる作品でした。


長岡 武志 "影向(ようごう)"

ヤマタノオロチを擬人化させる試みは、多くの人の心をつかみました。


嘉本 光留 "足の裏の神様"

ポップな配色にどこか不思議な世界観を感じます。


戸谷 遥 "太陽の匂いをかぐ"

表情がにゃんとも可愛らしい。


柏本 真依子 "ひらく"

消しゴムはんこを用いた版画作品。アンケートに「美しい」という声が多数寄せられました。


テツヤ "かたち2"

ねじれる形の先には、何が待っているのか。


ご覧いただいた通り、美術館の一室にこれだけバラエティ豊かな作品が集まりました。

見応え抜群でしたね。

全ての作品を紹介しきれませんでしたが、こちらから作品の写真がご覧いただけます。



テーマに込めた想い


今回、作品テーマは「発」という漢字一文字でした。

テーマを発案したのは中島祥吾(Funkotsu代表)。

昨年、一昨年と「距離の旅」「時間の旅」と、"旅シリーズ"を続けて来ました。

理由は、芸術と旅の相性の良さに昔から気付いていたから。

越後妻有 大地の芸術祭瀬戸内国際芸術祭などはまさにその代表格。

さらに、お盆開催ということもあり『非日常感』を来場者のみなさんに味わってもらいたかったのです。

また、「距離」「時間」というテーマは、来場者さんの心と作品が結ばれやすくもあり、面白い解釈の生まれやすいものでした。

なぜなら、距離・時間は身近にあるのだけれど、

"それが何色でどんな形をしているか"について、文章に変換しづらいワードだった為です。

対して今回のテーマ「発」。

読み方も決まってなければ、イメージする色も様々。

この噛み砕くのがとても難しいテーマのせいで、「会場が取っ散らかるのではないか?」と何度も悩みました。

案の定、


恐らく参加者の皆さんが苦しまれたことでしょう。

しかし、そんなテーマに踏み切ったのは、昨年の中島くんの姿を見ていたからでした。

京都市美術館で行われるLINK展へ参加することになった彼。

LINK展14イベントレポートはこちら

テーマは「形ある怒り」

本人曰く、「うち、普段怒らないからなぁ…笑」とぼやきながら・・・

(まだまだつづきますが以下省略)

と相当悩んだようです。

結果的に、面白い作品を作り上げてたのを見てて

「テーマは少し難しい方が面白くなるかも」と思い、「発」に決定したのです。

※何故、発を選んだのかは中島くんがコメントをくれる(はず)



ぜんぶ表現してみようと思った


テーマは発ですが、

作家さんて、常に発してるんですよね。

・芸術を生業にしている人、そうでない人

・住んでいる場所、キャリア

・使用する画材、作り方

全て違う人たちによる"発"信。

体験談ではありますが、グループ展って田舎町の近所付き合いにすごく似ています。

「隣の家(作品)に迷惑かけたらイカン。」とか、

逆に、「うわ、むっちゃこっちへ(作品が)はみ出てきてる」とか。

そんな理由もあり、結構こじんまりな展示をされるケースもあるんですよね。

しかし、

今回は各作家さんが、展示スペースぎりぎり(ちょっとはみ出して)に設計されたり

鑑賞の仕方に影響を与えてみたり、と

例年のKUNIBIKIよりもバラエティ豊かに感じました。

さらに、作家さんの思いもぎっっっしり、詰め込まれていたようで

大阪から参加された大家 春子さんに伺ったのですが

「数年前に大病をしてしまい、それ以降

"やりたいこと、表現は全部やってしまうおう!"」

という体験談の元、とてもダイナミックな作品を展示していただきました。


大家 春子 "白いブラックホール"

来年10月に兵庫県で今回展示されたものの関連作品を発表されるとのこと。

大家さん、素晴らしいエネルギーをありがとうございました!とても楽しみにしています!



人を動かした発というテーマ。

そしてそのテーマの先にある芸術で人の心を動かした。


アンケートに「あなたにとって、発とは?」と質問を投げかけさせていただいたところ、沢山の"発"回答をいただきました。


また、今回の展覧会を見に来られた方で

「私も次回参加したい!」とお声がけいただいた方が大勢いらっしゃいました。

これからもKUNIBIKI及びFunkotsuはみなさまの"発"表の場を創造しつづけていきます。

また今回、関西方面から多数のご出展を支援してくださったLINK展さま、心から感謝申し上げます。

KUNIBIKI'17に参加されました
山本ようこさん
閔柚子さん
山田輝見子さん
辻友香さん
中島祥吾

が参加するLINK展9月19日〜24日まで京都市美術館にて開催されます。

KUNIBIKI山陰チームもみんなで見学に伺いますのでどうぞよろしくお願いします!


さて、

「挨拶とスカートの丈は短い方が良い」と打ち上げで中島くんが言ってましたが

こんなに長々と書いてしまいました。

次回Report.2では、KUNIBIKIの裏側について、いろいろ綴ってみたいと思います。

それではまた。


photo by Yomura

from Gallery Sphear

sugar&spice Racoもよろしくね。

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