デカルト物心二元論

デカルトの「物心二元論」とは何かと言うと、心と体が別のものであるとしたデカルトの主張を、哲学的には心身二元論と呼び、物質科学的には物心二元論と呼んでいるだけである。 だから今でも本によって名称が変わっているが、それは哲学的分野の著作か、科学論的な分野の著作かということだけである。 まあ、デカルト自身はいろいろと悩みの多かったエリーザベト王女を慰める意味でそういうことを言ったのであるが、記録に残っているんで後世の人が勝手に持ち上げたというだけである。
物質と精神が、この世界の実体として存在するという考え方のひとつである。
実体とは様々な言い方や定義が与えらているが、デカルトにおいては「それ自体によって存在するもの、それの存在のために他のものを必要としないもの」と定義された。
ただそれ自身のみで存在するといった意味合いである。そして二元論とは、この世界の根本原理として2つの独立した要素があるということを示しているが、デカルトによるとこの世界は物体と精神から成っているということである。
デカルトは、これら2つの実体の本質(備えている特質、というような意味です)について、物体=延長(大きさがある、ということです)と、精神=思惟(知的な働きのことです)と考えた、 こうした二元論、たとえば人間が肉体と魂(精神)から成り立っているというような考え方は古代からあるものですし、現代の我々にとっても馴染みのあるものではないでしょうか。しかし、互いに独立して存在している物体と精神が、どのような働きによって一個の人間として成立しているのかということは大いなる問題であり、デカルトもその説明に苦心したようです(parole_lalaさんの回答にもそうありましたね)。結局、彼は松果腺(松果体)という器官の存在により両者が結びつけられていると考えましたが、説得力には欠けるものでした。。

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