人生行き詰まっら『ぐりとぐら』を読め


『ぐりとぐら』とは日本を代表する絵本として知られており、1967年に出版されてから50年以上たった今でも読み継がれている名作である。

『ぐりとぐら』はシリーズ化され、現在では多くの種類の絵本があるが、今回は第1作目である『ぐりとぐら』についてあらすじとその面白さについて述べる。

あらすじは、料理をする事や食べる事の大好きな野ねずみの双子、ぐりとぐらがどんぐりと栗を拾うために森にやってきた。
しばらく歩いていると、道の真ん中の大きな卵を見つける。
ぐりは大きな目玉焼き、ぐらはフワフワの卵焼きを作ることを提案。
結局、朝から晩まで食べても残るくらいの大きなカステラを作ることに決めた。
しかし、家まで持ち帰る方法が思いつかず、結果この場所でカステラ作りをすることになる。大急ぎで家に戻り、調味料や調味するための道具を準備する。料理が出来上がった頃、良い匂いに誘われて森中の動物が集まっり、その動物の仲間たちと黄色いカステラを食べた。
最後に残った大きな鍋と卵のカラで車を作って、家まで乗って帰ったとさというのが大まかなあらすじである。

この物語の中で私が注視したのは「最後に残った鍋と卵の殻で車を作り家まで乗って帰った」という部分である。
これはフランスの人類学者レヴィ=ストロースが著作『野生の思考』で述べていた「ブリコラージュ」という概念そのものだと感じる。
「ブリコラージュ」とは、前もって計画的に準備されていない、その場その場の限られたありあわせの道具や材料を用いてものをつくる手続きを指す。
この物語の中で、使い終わった大きな鍋と大きな卵の殻は一般的に考えると用済みの廃棄物とも言えるだろう。しかし、ぐりとぐらはそういった一般的な枠組みで考えず、それを車として再利用できると考え、実際に作り上げのだ。
私はこのエピソードがこの本の示唆に富んでいる部分だと感じたため、ここで紹介した。
これは人生を生きる上でも大きな教訓となる。
生きている中で困難な事にぶつかった時に「こういう能力があったらな」や「こういう風に生まれてたらな」などと思うことはあるだろう。しかし、自分が持っているものを今1度見つめ直し、それを有効活用できないか考える姿勢というのは必ず活きるだろう。
このように、人生で行き詰まったと思う時にこそ『ぐりとぐら』を読み直して、柔軟な考え方を思い出して欲しい。

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