教員になる前にやっておくべきこと

学生から教員になる場合と、民間企業から教員になる場合とで対策は違うと思うが、私が考える「やっておくべきこと」を考察したいと思う。

まずどちらも「ハウツー本を最初から信用して行くな」ということ。確かに教育書にはこうすればうまくいくなど、いろいろな方法が書かれている。どれも確固たる実践に基づいて得た知見が詰まっており、参考にはなる。

しかし、よく考えてみるとその本は「その著者が実践から得た知見で書いたもの」であり、それがすべてではない。

目の前にいる子供たちの実態や学校という組織体によっても変わってくるし、当然保護者も多種多様である。本に書かれていることを信じて実践してもうまくいかないと思う。

おそらくだが、本を読んでいざ現場に立ってみると、「思っていたことと違う」「何かが違う」ことに気づくはず。決してその通りにはならないのは、会社員として働いていても同じであり、仕事の内容によっても変わってくる。求められるのはその場での「即対応能力」であり、「決断力」だと考える。

どうせ読むのであれば、多くの教育者の本を読むことをお勧めする。考え方が違っていて当然である。先に述べたように「その人の実践から得た知見」に基づいて書かれた本だからである。ある程度読んでいくと、この場合はこうした方が良い、など自分の考えの器が広がってくるはずだ。

といいながら私は教員採用試験にも合格していないが、学習支援員として現場に入って授業をやらせてもらったので、ある程度の対応能力を求められ、実践はしてきた。やってみて痛感したのは、大学や独学で教育を勉強してきた机上での理論と実践はまったくかみ合わないなということ。当たり前である。教科書通りにやってできるのなら、誰も苦労しないし、こんなにも不人気な職業になるわけがない。現場はいろいろなことで苦労しているのを目の当たりにし、精神的に参って休職される先生もいる。それでも子供たちと接する以上、実力や力量以上のことを求められてもやらなければいけないのが現場である。それを乗り越えるには、ある程度着任前までには心がけて、準備しておいた方が良い。

あと、教員採用試験をこれから受ける人について。おそらくその前に教育実習があると思うが、正直教育実習だけでは教師の仕事の全部を知ることはできない。時間があれば学習支援ボランティアをやったり、本を読んだり、できるかぎり機会を作って情報収集をしておくと良いと思う。やらないよりやった方が良い。教材研究の仕方、学級経営、授業研究等々、ボランティアも本も大事だが、私は大学附属小学校などでの公開授業を見ることをお勧めする。

現在コロナ禍であるため、実地での公開授業はできないが、オンラインによる公開授業を行っているところが既に何校かある。授業の雰囲気を何となくでもつかめるかもしれない。もちろん、その学校の授業スタイルがあるので、それがそのまま自分の実践に活かせるとは限らないが、得るものはあるだろうと考える。

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