【あなたの年金が増える?】加給年金の基礎知識を徹底解説
「加給年金って何?」「振替加算って何?」「誰が受給できるの?」と考える人がいます。
厚生年金について学ぶことで、老後の老齢年金額を増やせる可能性を秘めているのが加給年金です。
年の差がある夫婦には重要な内容になりますので、本記事で基本情報をまとめました。
加給年金を知らないと損をする!
年金には大きく分けて、国民年金と厚生年金があることは多くの人が知っているでしょう。
加給年金とは、厚生年金の被保険者だけが受け取れる加算手当とお考え下さい。
ご家族の生活のため、必要なお金を給付してくれるものです。
本記事には、加給年金に関する情報をまとめ、振替加算についてもご説明します。
加給年金とは
加給年金とは、厚生年金に加入している第2号被保険者が受けることができる、老齢厚生年金に追加してもらえる年金です。
主にサラリーマンや公務員が対象になります。
以下には、加給年金の詳しい解説と、加給年金を振替加算する場合に必要な知識をご提供します。
加給年金を受給するための要件
老齢厚生年金にプラスして加給年金を受け取れば、年金の金額を増加させることができます。
金額増加を期待し、加給年金を請求するには以下の要件を満たす必要があります。
・被保険者期間が20年以上ある
・65歳到達時に、その方に生計を維持されている配偶者または子どもがいる
加給年金は、厚生年金に加入している人だけが請求できるものですが、厚生年金の被保険者である期間が20年以上必要です。
通常、20歳から会社勤めをしている場合でも、40歳にならなければ請求できません。
また、国民年金のみの自営業者は、加給加算対象外です。
加給年金とは、家族を養うための補填と考えると良いでしょう。
被保険者が老齢年金を受給する時期に、養うべき家族がいる場合に請求ができます。
加給年金を受給するための対象者
前述の通り、加給年金を受給するには配偶者や子どもがいなければいけません。
配偶者や子どもは、年齢の基準がありますのでご確認ください。
・配偶者(65歳未満であること)
・子ども(18歳到達年度の末日までの間の子)
加給年金は、養うべき家族のための加算であるため、配偶者が老齢年金を貰えるようになったり、子どもが働ける年齢になることで支給が停止します。
家族のための加算であることは、理解できるでしょう。
加給年金はいくらもらえる?
加給年金は、配偶者や子どもがいることで支給される年金です。
受給額について、対象者それぞれまとめていきます。
配偶者が65歳未満の場合
被保険者が65歳到達時点で、配偶者が65歳未満であれば加給年金を請求可能です。
支給される金額は、年間224,900円です。
年間金額を12カ月で分散して受け取れ、毎月の老齢厚生年金と共に受給できるようになります。
配偶者が65歳以上の場合、後に述べる振替加算もご参考にされてください。
子ども(1人目、2人目)がいる場合
1人目と2人目の子どもがいる場合、年間各224,900円が受給できます。
月額にすると、約1万8000円程度です。
大きな金額ではありませんが、子ども2人の養育費として3万6000円があるのは有難いものでしょう。
子ども(3人目以降)がいる場合
3人目以降の子どもには、年間各7,5000円が受給可能です。
子どもが3人以上いる場合、1人目と2人目の受給額に合わせて7,5000円が受け取れます。
例えば、子どもが合計3人の場合には、年間約50万円程度が加給年金として受け取れます。
振替加算も知っておこう
加給年金に関する内容に、振替加算があります。
加給年金は65歳を目途に支給が停止してしまうため、夫婦2人が老齢年金を受給するタイミングで金額が減ってしまうことが考えられます。
生活困難になることを防ぐため、振替加算が用意されています。以下で詳しくまとめます。
振替加算とは
振替加算とは、加給年金を受給していた場合に被保険者への給付から、配偶者への給付へ切り替えることです。
例えば、夫が65歳の時点で妻の年齢が55歳である場合、老齢厚生年金に加えて加給年金を受給しています。
10年後、妻が65歳を迎えると加給年金の受給が停止します。
老後を送る生活費を考えると、加給年金の金額を必要とする場合があります。
その場合、夫に給付されていた加給年金分を、妻の老齢年金に振り替えて加算することができます。
ただし、振替加算の対象者になるには以下の要件を満たす必要があります。
振替加算の対象者要件
日本年金機構によると、振替加算の対象者は以下の要件を満たす必要があります。
1. 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること
2. 妻(夫)が老齢基礎年金の他に老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間を併せて240月未満であること
3. 妻(夫)の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(夫は40歳以降の)加入期間が次の表未満であること
参考:日本年金機構
振替加算は、公的年金制度が始まった1961年(昭和36年)以前に生まれた人が対象であり、上記に当てはまる人は厚生年金を全て納めたとしても老齢年金支給額が満額にならないため、補填として考えられました。
昭和後期や平成生まれの人は、振替加算はできません。
加給年金に関する悩み相談はどこに?
加給年金や振替加算は、文章を読むだけでは理解できない可能性がある複雑な仕組みになっています。
ご自身だけの判断では不安な場合、専門の人に相談したいと考えることもあるでしょう。相談できる場所を確認しておきましょう。
年金事務所に相談する
最も正確な情報を手に入れるには、年金事務所へ問い合わせるのが一番です。
年金関連の相談には、以下のものを持っていくと親切に答えてもらえます。
・年金手帳
・年金証書または改定通知
・基礎年金番号がわかるもの
年金事務所へ足を運べる方は、1度ご相談をされると良いでしょう。
移動が困難な場合、電話でも答えてもらえますが、個人情報を含む内容は窓口へ足を運ぶ必要がある場合が多いです。
街角の年金相談センターに相談する
街角の年金相談センターへ相談するのも良い方法です。
年金相談センターは、全国社会保険労務士会連合会が運営しており、個人の年金や保険に関する相談を聞いてくれます。
対応する人は社会労務士の資格を有した人物ですので、安心してご相談ください。
参考:全国社会保険労務士会連合会 街角の年金相談センター一覧
ファイナンシャルプランナーに相談する
年金だけでなく日常生活を取り巻く多くの悩みを相談するには、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも良いでしょう。
FPは、税や保険、年金など多くの知識を幅広く有した人です。
あなたの資産やローンなどの返済状況に合わせて、保険の加入を勧めてもらえたり安全にお金借りる方法を提案してもらえたりします。
老後資金の相談や年金以外にどこに相談して良いかわからないお金の悩みがある方は、相談されてみてください。
参考:日本FP協会 ファイナンシャル・プランナーに相談しよう
まとめ
加給年金を受給するのは、被保険者が65歳到達時に配偶者や子どもの年齢が要件となります。
要件を満たすご家族がいる場合、申請を行えば受給できるものです。
多額とは言えない金額ではありますが、生活を良くするために受給できるものは受け取ることをおすすめします。
詳しい情報は、最寄りの年金事務所などに問い合わせてみましょう。
自分の厚生年金の受給額が知りたい人は、以下の記事も合わせてご覧ください。
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