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短編【ポテトサラダ】小説

身勝手な話だけど煌羅理きらりが邪魔になった。

中学の時から一緒につるんでいた仲間からは「おまえらは思考回路が一緒だよな」と良く言われた。実際にオレの価値観と煌羅理きらりの価値観は鍵と鍵穴のようにピタリと合っていたしセックスの相性も鍵と鍵穴の様に抜群だった。

そんな煌羅理きらりが邪魔になったのは、オレの前に未絵みえが現れてからだ。4つ年下の未絵みえとは価値観が全く違ったが、それが新鮮だった。そして、オレは未絵みえと一線を超えた。だから、身勝手な話だけど煌羅理きらりが邪魔になった。

煌羅理きらりは嫉妬深いオンナだ。オレも嫉妬深いから良くわかる。別れ話を切り出しても、まともに聞いてくれる筈はない。煌羅理きらりは嫉妬深い上に独占欲も強い。とにかくいちいちオレの行動を監視しようとする。それがウザい。とにかくいちいちオレの気を引こうとする。それもウザい。死んでもらう意外に考えが浮かばなかった。色々考えた末、毒殺する事に決めた。

一番手っ取り早く、警察にばれても「え?そうなんですか?オレ全然しらなかったっス!」と白を切り通せる毒を選んだ。それはジャガいもの芽だ。ジャガいもの芽には毒がある。と聞いた事がある。本当にそうか、ネットで調べてみた。便利だぜ、インターネット。ネットによれば摂取して7時間から19時間後に吐き気や下痢などの症状がでる。また大量に摂取したら、呼吸困難、昏睡状態から呼吸停止になる場合もある。と書いてある。知っている人もいるが、知らない人間だっている筈だ。そしてオレは知らない人間。まさかジャガイモで人が死ぬなんて。警察に追求されても、オレは知らなかったで押し通す。

昔、ダチと波止場で単車を使ってチキンレースをした時も、オレはブレーキをかけずに、そのまま海に突っ込んだ。それくらい根性はある。警察に嘘を突き通すくらいわけもない。

オレは早速ジャガいもを大量に購入し、三週間冷凍庫に放置した。そうすると、ジャガいもは小さな芽をいくつも出した。あとはその芽をくり抜き、すり潰してポテトサラダを作り、煌羅理きらりに食わせるだけ。明日、煌羅理きらりを俺の部屋に呼び、ポテトサラダをごちそうしよう。オレは煌羅理きらりに電話をかけた。

「あ、ちょうど良かった。いまカッちゃんに電話しようとしてたトコ。ウチらって、本当に気が合うね」
電話に出た煌羅理きらりはすぐに喋りだした。こっちから掛けた電話なのに。そういう所もムカつく。

「そうだね。あのさ、」
「カッちゃん」
「え?なに?」
「カッちゃんさ、煌羅理きらりに隠してる事があるでしょ?」
「な、なに言ってんだよ」
「まあ、良いよ。今からコッチに来ない?」
「え?」
「沢山ポテトサラダ作ったんだけど。食べながら、ゆっくり話そうよ」

オレと煌羅理きらりの価値観は鍵と鍵穴の様にピタリと合う。「おまえらは思考回路が一緒だよな」と良く言われた事を思い出した。

⇩⇩別の視点の物語⇩⇩

混ぜるな危険

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