マガジンのカバー画像

自由律俳句

36
自由律俳句と言うただの言葉あそび。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

【自由律俳句】


みぎ足で糞を踏んだ時ひだり足は無事だと笑う奴だよお前は


私を知ってる人達の記憶を消して私を完全に殺して欲しいの


貴方が巻き直してくれるからもう一度崩す真冬のマフラー


ドレスが白いほどドス黒さが際立つ結婚式


急に後ろからハグしないで怖いから

【自由律俳句】

死にそうな貴方の顔を見てちょっとだけ笑いそうになった私を許して

生姜湯を飲んで胃の形がはっきりと分かったとき空腹だと気がついた

言葉があふれてくるんだ脳味噌が小さいから

恋の物語が美しいのは他人事だからと知った失恋の朝

ぎゃあああああと叫びたい時ぎゃある

【自由律俳句】


何か嫌なモノが私の扁桃体をいつもくすぐっている


核兵器のボタンを預かってから胃が痛い


たまには右のおっぱいを見てあげて下さい


髪の毛を切った理由を聞かない代わりにチョコをあげる


35.8度の低体温症だから燃えるような恋を知らないのきっと

【自由律俳句】


伊豆の旅行の約束を思い出させてくれた朝の納豆


空から大量の鼻水が降ってくる日があってもいい


モツ鍋を持つ鍋と言う親父の顔面を殴る強く殴る


前世で貴方に殺されたのよと隣の席の女が言ってくる映画館


私が殺した赤ちゃんと同じ泣き声をだす猫に乳をあげる

【自由律俳句】

幸せもいつかは終わると気付けない時が一番幸せだったのね

咳止めシロップを蟻にあげてみる優しさ

貴方の好きな満月が浮かんでいる夜に締め殺してあげます

ペンチ売りを見ませんでしたか奥歯が痛くて仕方がありません

満天の夜空なのだから私ばかり見ないでと言う練習

【自由律俳句】

ドラマ映画に出てくるYouTuberキャラもう見飽きた


怒られる前にキレる大人は子どもより子ども


謝らないでと言われるのが一番辛いと言う白猫


誰も見ていなくても立ちションベンをしないという強い意思


寄生虫には寄生虫の正義がある事を知る日が来るとは

【自由律俳句】

落ちたから投げた千円札かえして神様


死のう死のうと思って八十四歳もう死にたくない


飽きるのに飽きたと言うのダサいと言うナマケモノ


震える指でダイヤル回したあの日の夜から三十年目のクリスマス


友達は利用するものされるもの雨に撃たれて死んだ人の子守唄

【自由律俳句】


足が臭いならフライパンで焼けばいいじゃない


踊る阿呆に見る阿呆おなじ阿呆なら踊っちゃ損損


夜食べた罪悪感は朝うんこになってサヨウナラ


昨日の涙と歳の数は嘘


嫌われている気がするけど乾杯


【自由律俳句】


コミュ症のハーレイ乗りの本職はきこり


立体駐車場の登り坂で律儀にウィンカー


食べないと決めた映画館にポップコーンの匂い


一粒づつ重み感じて食べたアーモンド十粒で腹一杯


彼女を見ると動悸動悸するので心臓外科手術