雨の日のピザ
外見は、小さなキャンピングカーといったところだが、その中で、まるまると太ったおっさんが、ピザを焼いている。車にピザ釜をのせて、街から街へ、移動しながらピザを焼いて売っているのだ。これがけっこう旨い。
よく近くのスーパーの駐車場でやっているので、そのたびに買いに行くのだが、一つ困ったことがあって、このおっさん、雨が降ると容赦なく休んでしまう。なので雨の日は、こっちはピザなしになってしまう。
さらに俺を悩ませるのが、今日のように、午前中はザーザー降りだが、次第にやんできて、夕方頃には晴れ間も見えるような日だ。やっているのかどうかがわからないので、今日はピザなしなのか、ピザありなのか、悶々としてしまう。ピザなしならなしで構わないのだが、ピザありなのかなしなのかが曖昧だと、どうもだめなのだ。
と同時に、あのおっさんのように、気ままに生きてみたいと、思ったり思わなかったりもする。
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