ほっと防災 関西そなえ術 記事一覧

「ほっと防災そなえ術」は、NHKの番組「ほっと関西」で紹介されているコーナーの一つです。このコーナーでは、地域とともに学ぶ防災の知識や技術を紹介しています。例えば、災害時の被災者支援や災害マネージメントについての情報が提供されています。
この記事では、その一覧を掲載しております。
防災に関する具体的な質問や知りたいことがあれば、教えてくださいね。


万博会場の災害リスクと対策は

「ほっと防災 関西そなえ術」。
新年度、ほっと関西では、災害への備えに関する情報を定期的にお伝えします。
1回目のテーマは「万博会場の災害リスクと対策」です。
万博会場は島で、周辺は海。
南海トラフ巨大地震や台風などの心配があります。
博覧会協会は去年12月に「防災基本計画(初版)」を公表し、リスクと対策の基本的な方針を示しました。
今回は、このうち地震と津波の対策について見ていきます。

被災者の実情に合う支援の仕組みを 支援団体が国会議員に訴え

「ほっと防災・関西備え術」。
今回は、大きな災害が起きた後、被災者の生活をどう再建するのかについて考えます。

災害時に被災者それぞれの実情に合わせたスムーズな支援ができる仕組みを実現しようと活動している団体が4日、東京・永田町を訪れ、与野党の国会議員に災害救助法などの改正が必要だと訴えました。

4日は、大阪公立大学の研究者や盛岡市のフードバンクのメンバーなどで作る「311変える会」が衆議院の議員会館で集会を開き、与野党の国会議員、18人が参加しました。
グループは、大きな災害が起きた際、支援する側が積極的に被災者を訪問して課題を把握し、関係する機関と連携して実情に合わせた支援を行う「災害ケースマネジメント」と呼ばれる手法を全国で広めようと活動しています。
4日は、ことし1月の能登半島地震の被災地では、地元の自治体に災害ケースマネジメントを想定した計画が無かったことから訪問支援を実現するまでに2か月かかったことを国会議員に説明したうえで、大阪公立大学の菅野拓 准教授が、「事前に財源や人手を確保するための計画を作ることが大切で、そのためには平時から支援を行う行政と民間の団体が連携する仕組みを作る必要がある」と訴え、災害救助法の中に災害ケースマネジメントを位置づけることなどを求める要望書を手渡しました。
311変える会代表の阿部知幸さんは、「いま困っている能登の被災者にもあまねく支援が届くようスピード感のある法改正を目指したい」と話していました。

【災害ケースマネジメントとは】
「災害ケースマネジメント」は被災者からの申請を待つことなく、支援する側からアプローチしていくのが最大の特徴で、被災者へのヒアリングをもとに状況と課題を見極め、平時の福祉施策なども含め利用できる制度を調べて個別に生活再建に向けた計画をつくります。
さらに行政や弁護士、ソーシャルワーカーなどともチームを組み複雑に絡み合った生活の課題にワンストップで対応することを目指しています。
災害ケースマネジメントは鳥取県で2018年に、徳島県でおととし(2022年)、条例化されましたが法律上の位置づけはまだ、ありません。
ただ、ことし1月の能登半島地震も受けて、法改正に向けた議論が与野党で進められています。

【“南海トラフこそ必要”】
近い将来、起きるとされる南海トラフ巨大地震では、地震のあとの避難生活で体調が悪化するなどして亡くなる「震災関連死」が多数にのぼるという試算があります。
関西大学の奥村与志弘 教授がまとめたもので、インフラが復旧しない中で自宅や避難先での生活が続くなどした結果、最悪の場合、震災関連死は7万6000人にのぼる可能性があるとしています。
これは東日本大震災のおよそ20倍にあたる数です。
これについて「311変える会」のメンバーで大阪公立大学の菅野拓 准教授は、「南海トラフ巨大地震は被災範囲が広く、地元から離れて避難する人も桁違いに多くなり被災者の状況把握が極めて難しくなる。だからこそ誰がどのように支援を届けるのかを法律で明確にし、災害ケースマネジメントに取り組める人材をいまから増やしていく必要がある」と指摘しています。

和歌山 上富田町「流通備蓄」とは

「ほっと防災・関西そなえ術」。
今回は、和歌山から、食料品などの備蓄に関する注目の取り組みをお伝えします。
和歌山県では、「地震災害対策」として、少なくとも3日分の備蓄品を自治体などで用意することを方針としています。
備蓄品は、職員が倉庫などに「保管」して管理するのが一般的ですが、上富田町では、このほど「流通備蓄」という、新しい仕組みを導入しました。
どんな仕組みなのでしょうか。

上富田町によりますと、発災した際に備えて品数などを店舗と具体的に決めておくことは全国でも珍しい取り組みだということです。
この「流通備蓄」については、ことし3月から始まり、試行段階だということですが、今後、本格的に運用していくことで、さらなる自治体の負担軽減につなげたいとしています。

災害トイレ備蓄 必要な「使用回数」2割の自治体届かず 大阪

「ほっと防災 関西そなえ術」。
今回は、「災害時のトイレのそなえ」です。
7月1日で能登半島地震の発生から半年でしたが、被災地では断水も長く続いていたので、トイレは本当に大きな問題になりました。

【「トイレのそなえ」 大阪の自治体は】
南海トラフ巨大地震など、大規模な災害に向けた簡易トイレなどの「トイレの備蓄」について、NHKが大阪府内の自治体に取材したところ、およそ2割の自治体で、国のガイドラインにある避難者1人あたりのトイレの「使用回数」分に届いていない可能性があることが分かりました。
専門家はトイレの備蓄については「使用回数」を意識した備えが重要だと指摘しています。
ことし1月に発生した能登半島地震の被災地では、水洗トイレが使えなくなって、衛生環境の悪化が課題になりました。
大阪府と府内43の市町村は、既存のトイレとは別に災害用のトイレを避難者50人につき1台確保するという「台数」の目標を定めていますが、何回分を用意するかについては特に定めていません。
今回、NHKは、避難者が1人あたり1日に5回トイレを使用するという国のガイドラインや、各自治体が備蓄することになっている日数を踏まえて必要な「使用回数」を試算し、この数を確保できているか検証しました。
その結果、43市町村のうちおよそ2割にあたる10の市と町では、必要な「使用回数」分に届いていない可能性があることが分かりました。
災害時に避難者のトイレのニーズを満たせなくなるおそれがあり、災害時の避難生活に詳しい兵庫県立大学の阪本真由美教授は、「実効性を考えれば、トイレの備蓄は、『台数』だけではなく『使用回数』を意識して備える必要がある」と指摘しています。

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