私は記憶を手繰る度…
私はなんでも、思い出します
オタマジャクシの足、トンボの赤茶けたいろ、
図書館の外で、シロツメクサを見ていたあの時
みんな、みんな、思い出します
そして、その度、淋しくなります
もう二度と、あの時は訪れないから
もう二度と、あのしあわせは来ないのだから
あの幸福は、去ってしまったのだから
私には、もう幸せなんて、訪れないでしょう
私には、もう人を愛する時は、来ないでしょう
全ては、悪い、夢のようでした
街の灯とともに、時は、撫ぜて行きました
時は、ただ、流れてゆくものです
ただ、一切は、流れてゆくのです
なので私は、心の幸を、ここにして
この静寂のうちに、限りなく、限りなく…
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