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おいしさをデザインする。vol.4

ちょっと更新が遅れていますが4回目を書いていきます。


前回のお話はこちら。

具体的な香りのバランスとおいしさのデザインについてですが、僕がやっているMr. CHEESECAKEのケーキを題材にしてお話したいと思います。

テーマに取り上げるのは『ヒラミレモン』と2020夏に販売した限定フレーバーです。

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このフレーバーはMr. CHEESECAKEのアートディレクションを担当しているタカヤ・オオタが沖縄出身なのですが、常々シークワーサー味が食べたいという要求をしておりまして、実際に作った味です。

当初はシークワーサーという名前が可愛さを感じず断っていたのですが(本人も半分冗談でしたが)夏フレーバーを考える中で、シークワーサーをググってみるとヒラミレモンという文字が現れ、この名前は可愛いと思い、真剣に考えるようになりました。

Mr. CHEESECAKEを作る上で難易度が高いのは生のフルーツを入れにくい(焼成後に水分が出る)ことや、基本的には中に何も入れずに1本のケーキとして成立させたい(僕個人の縛り)があり、あくまでもチーズケーキとしてのおいしさを最大化させるためにやるべきことを考えている部分で、シークワーサを活かそうとすると、中々難しくなりました。

酸味のある食べ物は同時に特徴的な香りを持ち合わせていることが多く、酸味によって香りが引き出される側面があります。シークワーサーの場合も同様で、その香りを活かすには酸味を強くする必要がありました。


香りをどうやってデザインするのか?


様々な表現方法はあると思うのですが、Mr. CHEESECAKEを作る上での制限を考えた時にシークワーサーのパウダーを使うことを前提に考えました。青果は仕込む時期に手に入らなかった事も要因としてあります。さらにミントで清涼感を出すことも考えていました。

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