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おいしさとはなんなのか?

僕は料理人として色々な料理を作り、そして今はチーズケーキの新しい味わいや、様々なプロダクトのお手伝いをしています。

基本的に僕に求められるものはおいしさ。おいしいものをどうやって生み出すのか?というところにスキルが偏っています。しかしその中でも、おいしさの解像度や定義の仕方が明確になっているので、ある意味再現性の高いおいしさ作りができるようになってきたと感じています。

おいしさとはなんなのか?

生産者が丹精込めて作った野菜もおいしい、家族が作ってくれた料理もおいしい、有名なレストランの料理もおいしいです。では何によっておいしさが作られているのか?最終的においしいとは誰が決めているのか?そこを理解することが大切だと僕は考えます。


おいしさとは機能的なものか?情緒的なものか?


おいしさとは何で作られるのか?栄養成分的な旨味の含有量なのか?それとも同じ時間を過ごす仲間との情緒的なシーンが作り出すのか?

これはどちらもが正解です。正しく言えば、両方を考慮して皿の上の物理的なおいしさも、食べ手の感情を揺さぶる情緒的なおいしさも、どちらも満たし、更に何か感覚に訴える何かがあれば最高です。

僕たち料理人は得てして皿の上にフォーカスを当てがちです。お皿の上にどれだけのおいしさを創れるか。そこに意識を向けて、自分なりの表現をしています。技術と知識を総動員してアートに近い表現もしています。

お皿やカトラリー、テーブルや椅子、フロア全体の設えなども意識はしますが、それ以上にお皿の上が戦場です。全体感を持って空間と料理のバランスまで意識して料理を作るのは中々難しいです。

あくまでも口に入るまでの料理という物理的な部分を創造するのがメインの仕事です。僕もそう思っていました。

しかし実際には食べ手がおいしいと感じなければ意味がなく、自分の味覚で感じるおいしさだけではなく、それを食べ手においしいと感じてもらう必要があります。(これはとても難しいのですが、自分のおいしいがそのまま相手に届くわけではありません。だからこそ、自分の生み出すおいしいの理由を含めて理解してもらった方が結果的においしいと感じてもらいやすくなります)


ほとんどの人はその技術も価値も理解できない。


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