【No.11】FACT FULLNESS第2章〜世界は悪い方向に向かっている、のか?〜
今日はFACTFULLNESSの第二章。
前回のnote
今日の話は、「僕たちは世界が悪くなっている、と勝手に思い込んでいる」という話。
結論:世界は良い方向に向かっている
第1章の話と被っているが、結論としては「世界はいい方向に向かっている」。
例えば、第1章で世界を4つのレベルに分ける、という分類をしたが、そのレベル1に当たる人の割合はどう変化しているのだろうか?
正解は、20年前は29%、現在は9%だ。もしあなたが大学生ならば、あなたが生まれてから今に到るまでにレベル1の人は3割ほどに減っているということだ。
他にも、平均寿命。世界の平均寿命は2017年のデータで72歳だった。
第二次世界大戦や飢饉などの突発的な年をのぞいて、1800年の35歳からほぼ毎年平均寿命は伸びている。
ちなみに、日本の平均寿命は84歳。世界でもトップレベルだ。
それでも僕たちは「世界は悪くなっている」と考えてしまう
客観的事実として、データは世界がよくなっている、という根拠を表している。それでも僕たちがこの現状を実感できていない。なんとなく悪いニューズばかりが続いて、世の中の悲劇は増えていると感じてしまう。
その理由は、大きく分けて三つの理由がある。
1. 人間は昔を美化してしまう
人間は昔の悲劇から目を背けがちだ。みんなにも経験があると思うが、昔の思い出は美化されて脳に残ってしまう。
だからなんとなく「昔はあんなによかったのに」という雰囲気が作られてしまう。
2. 悪いニュースの方が報道されやすい
当たり前だが、飛行機事故のニュースは流れても、無事到着した飛行機のニュースは流れない。
ニュースでは事故や悲劇が流れているが、その背景にある「普通」の出来事は報道されない。
3. 監視の目が厳しくなった
昔に比べて、世界がより繋がったことで、隠蔽ができなくなった。
例えば、1960年代に人間の平均寿命がガクッと減っている。これは、中国で一説によれば4000万人が餓死するという大飢饉があったからだ。
ざっくり説明すると、まず、国の方針として、中央政府が各地方に対して農作物の無理なノルマを課した。
それに対して、各地方の機関も反抗できず、実際の収穫高よりも多くを申告してしまった。これを見て中央政府は「まだ大丈夫だ」と思い、どんどん高いノルマを課していき、地方の機関もそれに応じて農作物の数字を水増ししてしまった。
結果、地方の農作物のうちのほとんどが中央政府に送られてしまい、国民のに農作物が残らなくなってしまった。結果4000万人が餓死し、道路には死体や人喰いのあとが散乱していたらしい。
そして、これが一番すごいのだが、中央政府はこの失敗を認めず、39年間も隠蔽していた。
現在、この規模の失敗があった時に、隠しておくことは難しいだろう。
つまり、悪い事例が増えたのではなく、悪い事例を発見できる可能性が上がっているのだ。
まとめ:「悪い」と「良くなっている」は両立する
世の中には、まだまだ「悪い」ことはある。ただし、変化としては「良くなっている」というのが真実だ。
僕たちは「悪い」ニュースを見るたびに「悪くなっている」と勘違いしてしまうが、実際は良くなっている。
それを踏まえた上で、悲観的になりすぎず、冷静に判断していきたい。
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