見出し画像

BasicPitchを使って、バンブラPをMIDI出力してみる

バンブラPの打ち込みについて、日々考えていたことがあります。

バンブラを超えるDTMソフトが後にもない」と……。

バンブラP、及び大合奏バンドブラザーズPは、2013年に任天堂から発売されたソフトなのですが、簡潔で明快なUIからいまだに離れられず、このご時世において現役です。

ですが、やはり前世代のスペックであることは否めず。音はやっぱりプロのものには叶いません。でも、ピアノロールを少し学んで分かったことは、バンブラほどのお手軽さがないことにどうも尻込みしてしまいます。

作曲がしたいのに、作曲が面倒くさいというジレンマ……。そんな時、ある話を聞きました。最近のご時世です。AIで耳コピができるようになった、と。
私からすると、AIといっても大まかなデータくらいしか算出できない便利ツール程度にしか思っていなかったので、当初はあまり関心を惹くものではありませんでした。
それに昔からそういう機能あるし……。

ただ、どうしてもやりたかったことが……
それが前述の通り、バンブラPで打ち込んだものを実用化できないか、という話になります。今回はそれについて軽くまとめてみました。

(2024/4/27 追記)
実際に曲を制作するにあたって、気づいたこともあったので少しだけ追記致しました。ご参考になれば幸いです。

Basic Pitchとは?

https://basicpitch.spotify.com/

Spotify社が開発している、AI耳コピ解析ツールです。wavファイルなどの音楽ファイルからMIDIを出力するツールで、言わずと知れた潤沢な音源のデータベースとノウハウを持つ会社なので、精度の高いツールとなっています。

ただ色々試してみましたが、やはり拾えない音は拾えません。アンサンブルを全て抜き出したり、ドラムやパーカッションの音は全く拾えません。ですが、音の大体の分布がわかるので、それはかなり便利だと思われます。

今回は、こちらを使ってバンブラの音をMIDIに変換してみます。

手順

◎必要なもの
・バンブラP
・Basic Pitch
・MIDI編集ソフト(Dominoなど)
・録音ソフト(Audacityなど)
・録音できる機材(ステレオ入力できるものが良い。レコード録音用のアナログライン入力などがオススメ)
・電卓

①まず、バンブラPを起動します。

②作曲画面を開き、変換したい曲のミキサーを開きます。

③以下の通りにします。
・全体音量をx1.50
・録音するパートのリバーブを0
・1パートならば、録音するパートの楽器を99、それ以外の音を0
・2パートでならば、ステレオで-15、15にしてLRのパンを最大まで振る
・3パートだったら上記に併せ、そのうち1つを0の中央に置く
この状態で決定や保存はしない

コーラス、シンセパッドといった音域が高いものは、ピアノ、ビブラフォンなどに置き換えて実行すると拾いやすいです。また管楽器は綺麗に拾える時もありますが、ややリズムが崩れやすい傾向があります。個人的にはピアノをお勧めします。

パート3のピアノはコーラスに該当するパート

④上記の状態でライン入力して、録音します。これを、ピアノ、ギターと言ったようにパート毎に収録します。リセットする場合は戻るを押して、楽器を変えた場合はそのまま保存しないように注意してください。

⑤録音した音源を(無編集のままでも可)、Basic Pitchにアップロードします。

ここにドラッグ&ドロップ

⑥読み込みが開始されるので、しばらく待つとMIDIになっているはずです。

⑦できたMIDIを編集ソフトで読み込みます。その際、上記からダウンロードしたファイルのテンポが120固定となっております。
編集する際は小節のセクション毎に区分けを振るのが断然良いので、ここで電卓を使います。
まず単純計算で、変換したい曲のBPM÷120をしてください。すると小数点が出るので、編集ソフトでタイムストレッチを使い、全選択(Ctrl+A)をした後その倍率を適用させてください。
すると、音源の尺が丁度の計算になります。

⑧トラックをまとめ、小節を揃えます。この際に、基本的には小節頭でペースト(Dominoなら2小節目の位置)をするとちょうど良い位置になります。イントロから使われる楽器はプログラムチェンジ以外を全選択して切り取り、頭でペーストするだけでOKです。それ以外の部分から始まる楽器はバンブラの画面で確認しながら適時対応しましょう。

録音する際、プログラムの精度によって長音符が細切れになったり、倍音を拾ってしまうことがあります。こちらは自分で結合したり、適時消していきましょう。
また、雑音も拾ってしまうこともあり、MIDIに残ることがあるので(C3以下に発生しやすい)、そちらも消してしまいましょう。
なので手直しは必須です。良い曲を作るためにここは頑張りましょう。

実際どんな感じ?

こちらは、以前バンブラPにて耳コピした「狂花水月」。

こちらを試験的に、MIDI化しアレンジしたものがこちら。

やや微調整が必要だったり、ドラムは手打ちとなりますが、かなりいい感じにできたのではないでしょうか。少し調整不足なところもありますが、ここまでMIDIに落とし込めると知ってなかなか嬉しいですね。

(2024/4/27 追記)
実際に曲を作ってみました。ご一聴頂けると嬉しいです。

最後に

バンブラPはフレーズメモに最適ですし、MIDI化ができるとなると可能性が広がりそうです。耳コピだけでなく、自分で作曲した曲にも応用できます。
もし、バンブラで本格的な作曲をしてみたいという方がいたら、ご参考になれば幸いです。

それでは、いいバンブラライフを。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?