【第二期 欲求を開発しよう!】Part 4.4 過去の欲について(大学生編・前編)

2020.03.08

目次はこちら
前回はこちら
【第二期 欲求を開発しよう!】
Part 4.3 過去の欲について(高校生編)

4-4. 大学生(前編)


晴れて東大に入学した僕だが、すぐにアイデンティティ・クライシスを迎えた。

いままで縋っていた、「勉強できるキャラ」が封じられてしまったのだ。

困った僕は、「普通の人」になろうとした。

・サークル

とりあえず、ギターをやってみたかったので、軽音サークルを訪ねた。

だが、「じゃあ好きな人と適当にバンド組んで」から始まり、
おされ集団の空気、コミュ力が命、ウェイウェイしたかんじの環境に…

無理無理無理無理無理無理無理無理

となってしまい、一ヶ月くらいで姿を消した。


弓道のサークルも顔を出してみた。

だが、こちらもなんとなく嫌だなぁと思ってしまい、
一ヶ月で行かなくなった。


僕は結局、孤独ルートに入ってしまった。


・麻雀

たまたまクラスに麻雀好きなやつがいて、
彼らが麻雀サークルを立ち上げたので、それに混じった。

だけど、麻雀に対する熱意がガチ過ぎて、
それについていけず、いやいや参加するようになってしまった。

こちらも、半年くらいかなぁ?
いやになってフェイド・アウトした。


・バイト

僕は、「東大生」という肩書が嫌いになっていた。
彼らと同じに扱われることが嫌だったし、
それに見合った実力もないと感じていた。

あなたどこの学校?と聞かれても。
どうしても、「一応、東大生です…」と
否定的に答えることしかできなかった。

どうしていいかわからなかった僕は、
「アルバイトをして、普通の感覚を養おう」
と考えた。

1つ目が、居酒屋の和民だ。

接客業をすれば、コミュケーション能力が上達しないかな?
などと考えた。

バイト自体は悪くなかった。
「店員さん」という立場を得ることで、
人並みには対応できていたのかな…?
(今、思い返すと、気の利かない店員だったと思う)

もう一つは、漫画喫茶の店員だ。
これは、たまたま高校のクラスのやつが勤めていて、
上京組で集まったときに紹介してもらった。

個人経営で、お客の入りもゆるゆるだったので、
空き時間にたくさん漫画を読めた。

・漫画

上京したときに、兄からいらない漫画をダンボールで多めにもらった。

家ではそれをちょこちょこ読んだり、買い足したりしていた。

では、僕は漫画が好きだったのだろうか?

やはり、当時の感覚としては、
「好きだから!」
というよりは
「そこにあるから」
という気持ちが強かった。

後々研究室に入った時、
酵母マンは漫画好きだな!と聞かれても、
「いや、そんなことないですよ」
となぜか答えていた。

好きな作品は好きだけど、漫画というジャンル全体をひとまとめにして好き!ということに抵抗があったのだろう。
めんどくさいやつだ。

・小説

中学・高校の頃は、ほとんど読書をしていなかった。

しかし、この頃「屍鬼(しき)」という作品がコミカライズされ、アニメ化もされていた。
屍鬼は小野不由美(おのふゆみ)原作のホラーで、
コミカライズは藤崎竜がジャンプSQで連載していた。

僕はこの作品にすごくはまった。

ここをきっかけにして、屍鬼の原作小説だけでなく、
小野不由美の作品を片っ端から読むようになった。
特に、十二国記ははまったなぁ。

とはいえ、それ以外の本を読むほどには至らなかった。

・アニメ

前述のように、アニメもちょいちょい見たりした。

高校の頃は、ノイタミナ枠の「墓場鬼太郎」にドハマリした。
あと、「怪~ayakashi~」も好きだったな。
こうゆう怪奇系が大好物なのだ。

だから、屍鬼も非常によくなじんだ。

だけど、深夜アニメをごりごり見よう!とかまでは至らず、
気になる作品があれば、たまに見る、という程度だった。


・カラオケ

孤独でやることがない酵母マンだったが、
ジュディマリとラルクはずっと聞いていた。

そのうち、「自分も歌いたいなぁ」という気持ちが芽生えた。

最初こそ、一人でカラオケに行くことには強い抵抗があったが、
「受付さえすませればこっちのもんだ」という意識が勝ち始めて、
ヒトカラに足を運ぶようになった。

最初はうまく歌えなかったけど、
だんだん音域が広がったり、ビブラートとかも出るようになって楽しかった。
誰かに聞かせたい!という気持ちもあったけど、
お前の歌なんか聞くやついないよ。という自己卑下の声に抑圧されていた。


・服など

服にも多少興味が出ていた。

高校3年の頃から仲良くなったクラスのやつが、
ファッションに興味が強かったので、その影響を受けたのだ。

僕の地元にはセレクトショップなどはほとんどなかったのだが、
唯一「FREAK'S STORE」というところだけがあって、
高校の頃から(現在も)そこで買うようになった。
(高校の頃はお金がないので、2着くらいしか買わなかった気がする)

上京した後は、おしゃれな街にも行くようになった。

かっこいい靴を買ってるんるん気分になったり、
ツイード生地のバッグを買ってにやにやしていた。
でも、結局一人でやってるから。
どうせ誰も見てないけどね。
という心の声がいろんなものを空虚にしてしまっていた。


大学の前半(1~3年)の頃を振り返ってみたが…

正直記憶が薄くて曖昧なのだ。

これは僕の個人的な感想なんだけど、

記憶は、他者と関わる経験を介して初めて定着する。

ような気がする。

一人で空虚な時間を多く過ごすと、あまり変化がないし、
思い出話とか、記憶を呼び起こす写真などの記録もない。
その時自分が生きていた、という証がこの世に残されていないから、
自分の記憶も薄くて曖昧になってしまうように思う。


そういえば、大学生として肝心の、勉強の話が全く出てこないね。

出てこないってことは…
そうゆうことですよ。
(記憶にないのです)

そんな、存在そのものが極めて薄まっていた時代の酵母マンの話でした。

・生きづらさを考えるようになる

この頃から、ネットで「うつ病」とか「発達障害」、「パーソナリティ障害」などを検索するようになっていた。

ちょうど、愛着障害克服記録の冒頭のあたりですね。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

Next

【第二期 欲求を開発しよう!】
Part 4.5 過去の欲について(大学生編・後編)

サポートの目安はアサヒ・ザ・リッチ1本文です。