【第二期 欲求を開発しよう!】Part 4.5 過去の欲について(大学生編・後編)

2020.03.15

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【第二期 欲求を開発しよう!】
Part 4.4 過去の欲について(大学生編・前編)

4-5. 大学生編(後編)

・農学部に進んだ理由


僕が農学部を選んだ理由は、高校のときに読んだ「もやしもん」という漫画の影響を受けたからだ。

当時(2010年前後)はこの作品が流行っていた。

この作品は、都内の農業大学を舞台にした作品で、
微生物と会話できる主人公が、自由かつ独特の伝統を育む校風の中で、成長していく物語だ。

僕は、これを読んだときに素直に「いいなぁ…」と思った。

「こんな勉強をしたい!」
「こんな分野に興味がある!」
という動機ではなく、なんとなくその雰囲気の世界に存在してみたい、
という程度の気持ちだった。


結果として僕は、そうゆう研究室に所属することになった。
(何を研究したかは書かない)


・研究について(学部4年時)


研究そのものは、そんなに興味がなかった。

これやって、と言われるからやってみるかんじ。

でも不思議なもので、やってるうちに愛着のようなものができてくる。
こんな実験ができるな…とか。
そうゆう研究があるんですねぇ…とか。
ただ、学問そのものを自発的に勉強するというかんじではなかった。


研究室のメンツは、とても恵まれていた。

大学1~3年まで幽霊のように過ごしていた僕にとっては、
初めて「実在する個人」
として扱われた感覚だった。

特に、僕がつくことになった先生は、とてもフレンドリーな人だった。
嫌な意味での「コミュ力高いマン」ではなく、
その人その人に合わせて、他人とうまくやっていける人だった。
結果として僕は、その人に心酔していくことになる…

・研究以外の活動

学校関連でいえば。

学科内で、研究室対抗のソフトボールが活発に行われていた。

運動が嫌いな僕だったが、
研究室のソフトボールの方針は、
初心者に対しても能力に応じた形で徐々に慣れさせていく空気だった。
なので、
「ソフトボールって、ちょっと面白いな…」
ってなかんじで練習に参加するようになっていった。


ランニングもするようになった。
正確には、強引に連れ出されるかんじではあったが。

組織への帰属心が芽生え始めていた僕は、
「この人達の中に溶け込みたいな」
という思いが動機となって、皇居ランニングなどに参加するようになっていた。

半年くらいしたころには、(かなり嫌々だったが)、
フルマラソンにも参加させられていた。
このときは、二度と参加しない!と心に決めるほどしんどかった。


前に述べた、アルバイトはどちらもなくなっていた。
和民のバイトは時間の都合などで1年位勤めてやめていた。
漫画喫茶の仕事は楽だったが、肝心のお店が潰れてしまった。

色々環境が変わった僕は、改めてバイトをすることにした。

近所にあったデニーズのホール担当だ。
やはり、「役割・立場」が与えれられる仕事は良い。
「店員」として振る舞うことで、知らない人にも話しかけることができる。
(あくまで席に案内したり、注文とったり、という次元の話ね。常連さんと仲良くする、みたいな高度なものはできなかった)


・進路

理系の院生の場合、大学4年を終えたあと、さらに2年間大学院に進学することが多い。
文系学生が大学4年で就職して卒業するのとは対照的だ。
理由としては、「理系の仕事」に就職するには、大学4年では足りないとみなす企業が多いからだ。
(理系学生でも4年で就職する人もいるが、ほとんどは文系職につく)

僕はどうだったか?
全く何も考えていなかった。
大学進学のタイミングで、「将来のことを考えるのを先延ばしにされた」わけだが。
結局このタイミングでも、「周りの人がみんな進学するから」、大学院に進んでしまった。


こうゆう進路のレールってのは、本当によくないと思う。


レールに従うことに慣れてしまって、
「自分でレールを築く」
という訓練を受けるチャンスを失うと…

レールに乗っている間は、思考することを放棄してしまうのだ。
もっと言えば…
「自分の人生とは、思考して、熟考して、丁寧に選択していくものなのだ」
という感覚すら、学ぶことがなく人生をだらだらと過ごしてしまう。


そうゆう人が、問題に直面するのはいつなのか?

それは…

「その先のレールが途絶えていること」

を認識したときだ。



まとめて見ると改めて思うことがある。
組織に所属して、その中に存在することに喜びを感じてしまうと…
「組織に貢献することに喜びを感じてしまう」
組織が自分の安全基地のように機能したり(無条件の愛情)、
組織から自分が評価されたり(承認欲求)、
組織から自分が存在することを求められたり(存在意義)

安定した雇用とか、部活動とか、はたまたバイトリーダーでもいいし。
(やはりここでも、宗教ってのは強いシステムだと感じてしまう)
そうゆうのが機能する間は、思考停止しても楽ちんでいられるのだ。
組織のことを優先したらいいのだから。

「組織」というものを頭の中から外して横に置いたときに。
「あなたの中身はなんですか?」
と聞かれて答えられないなら。
それはやばい兆候かもしれない…

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Part 4.6 過去の欲について(大学院生編)

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