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【知ってるようで実はあいまい】改めて学ぶ原稿の表記ルール(2013年9月号特集)


原稿の表記に関するルール

ここでは、原稿の表記の仕方について説明していきます。

記号の使い方

「 」:直接話法のとき、または何かを強調するときに使います。

『 』:二重カッコは、「 」の中でさらにカッコを使う場合や書籍名などに使います。

( ):パーレンは注釈や補足説明に用います。

〝 〟:普通とは違う意味であることを表す場合などに用います。
〈例〉その 〝パソコン〟 は紙製だ。

:マス目の中央に書くのでナカグロと言います。二つの言葉を統合し、「書籍・雑誌コーナー」といった使い方をしたり、「ザ・ロング・グッドバイ」「カート・ヴォネガット」のように外国語の単語の境目に用いたりします。

……:言葉が中途であることを示す場合などに用います。三点リーダーという記号(…)を二つ重ねます。「…」のように三点リーダーが一つだったり、「‥」のように二点リーダーを使っていたり、「・・・」のようにナカグロを三つ書いたりした原稿を見かけますが、誤りです。

――:思考線と言います。俗にダッシュと言われる記号を二つ重ねます。
〈例〉果たして本当だろうか――。

改行したときは一字空ける?

 筒井康隆著『乱調文学大辞典』にはこう記されています。

「書き出しは升目をひとつあけて書く。それ以後も、改行するたびに一字分落して書く。会話の場合のカギかっこは一字目に書いてもいいし一字落してもよい」

 ですが、カッコで始まる文章の場合、今は一字下げをしない人が多いようです(ただし、全角のカッコを使います)。

セリフのあと、一字下げていない作品があるようですが?

  改行一字下げは、もとは出版社の符丁のようなもので、それが一般化したものです。だからいろいろな流儀があります。
 たとえば、古い童話などでは、少年は注意深くあたりを見て、
「それ、今のうちだ」
と言った。
 のように、セリフのあとを一字下げにしない流儀の出版社もありました。
これは「改行=段落が変わった」とする考えで、強調のためにセリフは独立させたものの、《と言った。》のところで段落が変わっているわけではないので、一字下げはしないという発想です。
 これも誤りではありませんが、最近はほとんど見かけなくなりました。

?や!のあとは一字空ける?

 前の文が?や!で文が終わり、あとに続く文がある場合に限り、文と文がくっついてしまわないように、?や!のあとを空けます。

例1
犯人は誰? なぜこんなことが?
ただし、一字空けるのは「?や!で文が終わり、あとに続く文がある場合だけ」

ですから、以下のような場合は、
「本当に愛しているの? 」とはせず、
「本当に愛しているの?」
のように一字空きにしません。

句点はどんな時に省略する?

通常の文は文末に句点(マル)をつけますが、?や!で文が終わった場合は、
そのとき、君はどこに?。
とはせず、
そのとき、君はどこに?
のようにマルを省略します。
また、セリフなどカッコでくくられた文章も、最後のマルを省略します。

例2
「なんだい、ごあいさつだね」

小説の場合の特殊なルール

ここでは、小説の場合の特殊なルールについて説明していきます。

カッコのあとに地の文が続いている場合、カッコのあとにマルをつける?

普通の文では、文末にマルをつけるのはご存じのとおりです。

例1
モーリヤックは「小説家は、あらゆる人間のうちで、最も神に似ている」と言った(「小説家と作中人物」より)。これ小説の場合の特殊なルールに対してサルトルは「小説家は決して神ではない」と反論した。

前記の例文の場合、二つのセンテンスがあり、その境界にマルがあります。普通はそうしますね……

まだまだあります!約物・原稿・小説のルール
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※本記事は「公募ガイド2013年9月号」の記事を再掲載したものです。

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