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40代の姉妹、川で遊ぶ。

2歳離れた姉と川へ出かけた。

きっかけは職場のキャンプの下見だったのだが、幼い頃よく遊びに来ていた川なだけにテンションが上がる。

「メダカとかさ、ハヤの子どもとかいないかなぁ」

川を覗くと沢山のおたまじゃくしが。

見てしまうとどうしても捕まえたくなってしまう。

魚釣りの網も持ってきてはいたが、素手で捕まえるのもなんだか懐かしくて川の中に手を入れる。

「あー、捕まえたよー」 

嬉しそうな姉の声。

私は。というと魚を見つけるのに必死。

メダカは何匹も見る。ハヤの子どもいないかなー。

「あっ、いたいた」

捕まえたいけど、動きが速くて捕まえられない。

仕方なくメダカを虫取り網を水中に忍ばせてゲット。

何十年もこんな遊びしていなかったが、意外と体は覚えている。面白いな。

下見の事をすっかり忘れて川で遊んでしまう姉妹。 

それもまたそれで私たちらしくていい。

川遊びを満喫した後は、自動販売機でサイダーを買って飲んだ。

大人だ。

昔はジュースなんて買えなかったなぁ。キャンプ場の水飲んでたよね。ふと幼き頃が蘇る。 

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「あの橋渡って見ようよ!!」

「いいよ」

「あの橋の先って何があるんだっけ?」

「えっ、知らないよ」

キャンプ場の受付のおばちゃんに滝がある事を聞き、行ってみることに。

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「蛇でそうじゃない??」

「出るかもね」

おしゃべりしながら左を向くと

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「滝見えたね」

「もっと先に行くともっとすごいのあるみたいだから、やっぱりそこまでいかなきゃね」

足取りも軽くなります。

「パワースポットらしいよ」

「楽しみだねー」

案内図を見ていると、ロープと書いてある道が。

「ねぇ、ロープって書いてあるんだけど、ロープ伝って歩くのかねー、急斜面なのかねー」

「まぁ、道だから大丈夫でしょ」

っと、歩いた目の前に現れたのは…。

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        ロープ



しかもかなりの急斜面。というか、えっ、落ちる感じ??

小学生の子どもとお父さんが後ろから来たので先を譲り、降りる(落ちる??)様子を見て見る。

(えっ、無理っぽい)

そう思った時、姉も

「あはは、これ絶対無理なやつ」

と言った。

こうしてあっさりと断念。

「滝見たかったなぁ」

「サポートしてくれる人がいないと無理だね」

「私たち年とったね」

変に納得してUターン。

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幼い頃は喧嘩ばかりしていた姉妹もこんな風に年を取っていくのだなとなんだか笑えた出来事。

そして滝を見る事はできるのか?

二人一緒なのか?

別々なのか?

そんな事を考えながら橋を歩いた。

これを機会にもっと二人で遊びに出かけたいと思った。


昔を懐かしみながら。




一緒に歩いたあの畑道。八幡様に続く道。山の中に入る道。私の前にはきっと貴女がいた。

今更ながら「ありがとう」って言いたい。

でもまだ恥ずかしいから、背中に向かってこっそりつぶやいた。

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