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何をしている人ですか?にうまく答えられない時代

「何をしている人ですか?」
「お仕事は?」

そう聞かれた時に、うまく答えられないでいる。

どうして答えられないのか。それは、自分の中でしっくりくる言葉が見つからないからだ。1つの業界だけでなく幅広く手がけていたり、今までの仕事図鑑には名前が載っていないような独自の仕事をしているという人はまさにそうだろう。

私の場合、今の自分に納得できていないというのもある。

♦︎職業のカテゴライズ

例えば、小売業の販売員であったり、不動産業の営業であったり。もっとわかりやすくいうと"どこどこに勤めています"だとか。そんなふうに名の知れた職種で、且つ一箇所に勤めていると比較的わかりやすい。カテゴライズに当てはまる仕事であれば、自分が何者であるか一言で説明しやすい。

一昔前、"ハイパーメディアクリエーター"という肩書きに「なんじゃそりゃ」と思っていた。なんでもありか、と。それが今や、なんでもありが珍しくない世の中になっている。

"プロ無職"や"プロ奢ラレヤー"なんてつい気になっちゃう上手いネーミングをされていたり、自分で自分の仕事や生き方をクリエイトされている素敵な人が増えてきているように思う。

一般的にカテゴライズされていない独自の仕事を見つけた人は、独自の名前で答えることができる。が、それを思いついて尚且つ世間に認知させるのが難しいところ。

♦︎あれこれやってます

これまた名前をつけるのが難しいのが、あれこれやっていますという人。
できることはなんでもやるよ、というスタンスの人だったり、面白そうなことはとにかくやってみる人だったり。普段は会社員で、個人ではアート作品やアクセサリー等を作って販売していたり。デザイナーでありライターであり写真も撮ります、だったり。手広くやってますよ、という人は一言では表せない。

今は特に複業の人が多くなってきたように思う。BASEのような個人でも気軽に売買できる仕組みが増え、学生でも主婦でも人気作家になり得る。なんだか夢物語のようだが、実際にそれで稼いでいる人だっているのだ。

noteだってそう。本業の傍らで書いていて、書籍化される可能性だってあるのだから。

♦︎こんなもんじゃない自分

私はというと、今の自分の仕事をうまく言えない。その理由は、上記の2つではない。一言で言えば派遣OL。けれどうまく言えないのは、今の自分にしっくりきていないからだ。はっきり胸を張って言えない。(あれこれやっているのもあるが)

なんというか、借り暮らしな気分なのだ。

以前「ラベルのないわたし。」という投稿をした。今よりももっと現状の自分を受け入れられていなくて、モヤモヤと葛藤していた頃の話。

周りが独自のラベルを貼っていたり、変化の時代だからこそ、"こんなもんじゃない自分"を探している。

いや、私はそれはそれは普通だ。普通というか平凡だ。類い稀な才能なんて持ち合わせちゃいない。けれどいっちょまえなプライドのようなものはある。ジレンマのようなものがある。それは時にパワーとなり、時に足かせとなる。

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仕事が自分自身で作りやすくなった時代だからこそ、より"こんなもんじゃない自分"を探してしまうのかもしれない。

けれど、自分が胸を張って言えるような仕事を持てたり、それが多岐に渡ったりすると、また「何をしている人ですか?」の問いにうまく答えられなくなることにも。

いつだって人はラベルを見たがるし、何でもかんでも名前をつけたがる。

名前をつけると気持ちはスッキリするし周りもわかりやすくて良いのかもしれないが、独自の肩書きで飽和状態になる日も近いのかもしれない。


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サポートとても嬉しいです。凹んだ時や、人の幸せを素直に喜べない”ひねくれ期”に、心を丸くしてくれるようなものにあてさせていただきます。先日、ティラミスと珈琲を頂きました。なんだか少し、心が優しくなれた気がします。