【トレーニング日記】 トレコ 腕立て伏せをするの巻

 トレコは腕立て伏せをしました。
 苦手なのです。できることはできるのですが、右肩の調子が悪くなるため、これまでしれっと避けてきました。
 でも胸元のあばらが浮いて見えることも嫌なのです。
 トレコは意を決して、腕立て伏せをします。案の定、肩の調子が悪くなりました。腕立て伏せを取り入れてから、バレーボールのスパイクのときに痛みが走ります。
 だからトレコは迷いました。腕立て伏せをやめたほうがいいのかと。
 いや、ここでやめてはいけません。しっかり乗り越えるのです。
 そしてトレコは末端のトレーニングをしました。腕立て伏せをしてから、明らかに手首の動きが悪くなっていたからです。
 スパイクを打つとき、ボールに手首が負けてスナップが効きません。ボールを叩きつけることができず、コートの外へ打ってしまいます。
 トレコは右肩の脱臼経験があるから、やはり肩の使い方が下手くそなのです。
 二キロのダンベルを持ち、手首や肘周りのトレーニングをします。小指側の手首が、動かすたびにポキポキと鳴ります。真っ直ぐ動かせません。何度も何度も動作を修正し、ようやくまっすぐ動かせるようになりました。
 曲げるたびに親指側へズレていた肘もまっすぐ動かせます。

「これなら腕立て伏せをしても大丈夫かもしれない」

 そう思ったトレコはさっそく腕立て伏せをしました。あまり高い負荷はかけられません。両手と両膝をつき、ゆっくり下へおろしていきます。
 そして気付いたのです。脱臼経験のある右肘が曲がっていないことに。右肘が曲がらないから左手に体重が乗り、右肩を前に突き出す動作でかばっています。
 立っているときに、右肩が前に出てしまうことが気になっていましたが、腕立て伏せのときも同じことが起きていたのです。
 そしてトレコは修正します。肘を、曲げるのです。無理やり曲げるのではありません。
 体重を受け止める役割に、肘も参加してもらうのです。サボっていてはいけません。
 ゆっくり体重をおろし、肘の角度がきちんと変わっているかを確認しながら動かします。
 手が、震えてきました。今まで使ったことのない筋肉を使っています。
 手のひらで受け止めている体重の位置も変わります。親指側に片寄っていたものが、真ん中へと変わります。中指と薬指の付け根が熱くなりました。今まで使えていなかったのだと気が付きます。
 動作の修正で喜ばしいのは、今までサボっていた筋肉が目を覚ましてくれることです。こんなに心強いことはありません。
 今回の腕立て伏せの結果はまだわかりませんが、きっと、スパイクに影響しているでしょう。ワクワクしながらタンパク質を摂取するトレコなのでした。
 
 
 
 
 

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