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リバプールと僕の30年

19-20シーズンプレミアリーグ、イングランドトップリーグにて30年ぶりにリバプールが優勝しました!!
80年代まで栄華を築いてきたチームが優勝できなかった30年と、今年30歳になる僕(ヘンダーソンも30歳!)。勝手に運命的なことを感じているので、この記念に振り返ってみたいと思います(自己満)

イスタンブールの奇跡とマンUファンの親友

僕は1990年12月生まれです。最後にリバプールがトップリーグで優勝したのが90-89シーズンなので、生まれる直前のシーズンに優勝して、それ以降優勝がなかったことになります。「トップリーグ」と書いているのは、言わずもがなプレミアリーグが始まったのが92-93シーズンだから。つまり、プレミアでは今年初優勝となります!!
ちなみに、我らがキャプテン、ジョーダン・ヘンダーソンは1990年6月生まれ。

そんな僕は、部活などでサッカーをしていたわけではなかったのですが、2002年の日韓W杯(当時小学生)からサッカー観戦に目覚め、中学生の時には友達と海外サッカーの話もするようになり、そこまで詳しくはなかったのですが、代表的な試合中継は食い入るように見ていました。ロナウジーニョの全盛期あたり。そんな時に「イスタンブールの奇跡」が起こります。
当時の僕は、サッカーを観るのが好きと言いつつも具体的に応援しているチームもなくて、当時のリバプールやイングランド代表は「なんとなく好き」くらいでした。

高校生になり、今でも親友と呼べる存在に出会います。こいつがサッカー好きで、プレミア好きで、そんでマンUのファンのだったのです。これが完全にきっかけでした。
中学3年生の時にイスタンブールの奇跡(2005年)、そして高校1年生(2006年)でのこいつとの出会いが、僕をKOPたらしめたのです。
隣にいるやつがマンUを応援しているからこそ、僕もリバプールを応援せずにはいられません。当時はスマホではなくガラケーの時代で、映像もあまり流出していなかったので、試合があった日の授業中はガラケーで実況のテキストを追いかけていました。

リバプールのキャプテン、ジェラード。無尽蔵のスタミナ、カイト。悪童リーセ。たくさんの魅力的な選手が在籍していましたが、僕はシャビ・アロンソの正確無比なパスに憧れました。それを知った親友は、僕にアロンソのユニフォームをくれたのでした。後にこれがとても大きな意味を持つとはこの時思ってもいませんでした。

優勝できないチームを好きになってしまった

思えば高校時代に親友がマンUファンだったというのは、奇跡に近いものでした。そもそもサッカー部でもなんでもない僕は、高校を卒業して大学に進むと、周りにリバプールどころかプレミアを語る仲間もいなくなってしまいました。

僕がリバプールを本格的に追いかけ始めたのは「イスタンブールの奇跡」でチャンピオンズリーグを優勝した直後。そこから、プレミア・チャンピオンズリーグの2大タイトルからは遠ざかっていきます。しかも、僕が生まれてから一度もトップリーグで優勝していないのです。
そして、シャビ・アロンソはレアルマドリードへ旅立ちます。ジェラードと抜群のコンビネーションを見せたトーレスはまさかのチェルシーへ。様々な意味で話題にあがったスアレスは「あのシーズン」優勝できずにバルセロナへ。そんな中でも、ジェラードはリバプールに居続けてくれました。

やがて僕は大学を卒業し、社会人になり、2015年、ついにジェラードまでも退団してしまいました。僕がリバプールを応援しはじめてから、10年の月日が経ち、語り合える仲間もいなかったので、虚無感も大きくなっていました。

ヘンダーソンと、クロップと

ヘンダーソン。11-12シーズンからリバプールに加入。最初はなかなかチームに馴染みませんでしたが、徐々に歯車があってくると中盤でジェラードと連携してチームを支える存在になりました。やがてジェラードが退団をすると、その重い重いリバプールの「キャプテン」を引き継ぐことになります。献身的なプレースタイルと、紛れもないそのキャプテンシーに、僕はだんだんとのめり込んでいきました。

そして、リバプールにあの男がやってきます。ユルゲン・クロップ。これが奇しくもジェラードとの入れ替わりとなる2015年。
中学生でリバプールを好きになって10年経った僕は、2016年に結婚をすることになります。ここから、リバプールと僕の人生は急加速で進み始めることになります(笑)。

的確な補強、魅力的な戦術、そして人柄。リバプールが長年求めていた答えのような監督により、チームの歯車が動いていきます。
-16シーズン:プレミア8位
-17シーズン:プレミア4位
-18シーズン:プレミア4位・CL準優勝

そして18-19シーズン、チャンピオンズリーグで優勝を果たします。イスタンブールの奇跡以来の快挙、僕にとっては初めてのビッグタイトルでした(FA杯、リーグ杯除く)。
肝心のプレミアリーグは…なんと97ポイントもの勝ち点を得ながら1ポイント差で2位。プレミアのリバプールらしいと言えばらしい。またもあと一歩でプレミアのタイトルに届かないのか…と思いつつも、不思議と次のシーズンはいける!と思わせてくれるチームでした。

ここからリスタート

そして19-20シーズン。他ライバルたちが落ちていく中でまさに最強と言っていいリバプールの戦士たちは勝ち点を積み上げていきます。年が明けた頃には、「いつ優勝するのか?」という話題も多くなりました。

しかし、たぶん僕だけではないはずです。「まだ油断できないぞ」と、ずっと思っていたKOPは(笑)。これまでも「今年はいける!」というシーズンはいくつもありました。しかしながら、今だにプレミアのタイトルは取れていません。そして、その時は急に訪れました。新型コロナウイルスにより、リーグ中断。まさか、と思いました。誰が見ても確実に優勝できる勝ち点差まできたリバプールにもうひとつ試練があったのです。

しかし今日、無事にヘンダーソンがトロフィーを掲げるところを観ることができました。アンフィールドに満員のKOPのYNWAが響かなかったことは残念で仕方ありませんが、これもまた試練。

リバプールがトップリーグで優勝した年に生まれ、中学生でリバプールを好きになった少年。プレミアの優勝を経験することなく、15年の月日が経ち、家庭をもち、子供が生まれ、家まで構えてしまいました。そしてその年にようやく、リバプールがプレミアリーグで優勝を果たしました。
これからもフットボールとリバプールの歴史は続いていきます。そして、僕の人生も続いていきます。こんな情勢ではありますが、歴史を振り返り未来を見ると、希望が沸いてきます。

30年ぶりにトップリーグ優勝、そして30歳(になる年で)1児の父として家を購入。ここで終わりではなく、ここが始まりなのです。

背番号14

僕が大好きだったシャビ・アロンソの背番号は14番。そして、今大好きな我らがキャプテン、ヘンダーソンの背番号も14番。お恥ずかしながら、リバプールのグッズをこの2つのユニフォームしか持っていない僕です。
決して話を合わせたのではなく(笑)、偶然にも2人とも14番だったのです。これもまた歴史。またいずれ、この14番が誰かに受け継がれていくのだと思います。全くもって個人的な思いですが、スカウサーの彼にキャプテンとして継いで欲しいなと思っています。

When you walk through a storm,
Hold your head up high,
And don't be afraid of the dark.
At the end of the storm,
There's a golden sky,
And the sweet,
silver song of a lark.
Walk on through the wind,
Walk on through the rain,
Though your dreams be tossed and blown.
Walk on, walk on, With hope in your hearts,
And you'll never walk alone

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