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胎児の性別

超音波検査でお子さんの障害や性別がわかったら知りたいですか、夫婦でよく話し合って書いてきてください。そう言われて産院から同意書を渡された。

性別は知らなくていいな、というのがわたしの正直な気持ちだった。でも夫が知りたいと言うので、障害・性別ともに「知りたい」にチェックをして提出した。

わが子に望む性別はない。
どういう属性で生まれてきてもそのままを受け止めたいと思っているし、女の子だったらこうしたいとか男の子ならこうあってほしいとか、そういうことをわたしから押しつけたくない。なんだろうとわたしの子はかわいいと決まっている。

22週の現在、まだ医師からは性別を知らされていない。
周囲から性別を聞かれることも増えたけど、「まだわからない」と答えれば済んでいる。でも、近い将来もし知ってしまったら「非公開です」って言おうと思っている。
できれば生まれてきた後も、「元気な男の子が産まれました」とか「かわいい女の子です」みたいなことは言いたくなくて、名前もユニセックスな感じにしたいと思っている。

だって、まだ物言わぬ胎児や乳児のアイデンティティを周囲が勝手に決めつけてかかるのってなんだか嫌だ。
男の子ならスポーツをさせようとか、女の子なら将来一緒にショッピングを楽しめるとか、「男らしさ」「女らしさ」を期待する身勝手さから自由でありたい。そんなことは保育園に通いはじめて社会に放り出されたらあっという間に染め上げられてしまうんだろうけれど。せめて、あと少しだけ。


今はそう思っているわたしだけど、いざ性別を告知されたらどんな反応をするだろうか。
女の子と言われたら勝手に女の子の親になる想像を膨らませてしまうんじゃないか。男の子と言われたら男らしい未来を想像してしまうんじゃないか。今はそれがちょっとこわい。
知りたくなかった自分の暗黒面に気づいてしまうような気がして、そんな自分に幻滅してしまう気がして。

お腹は日に日に丸く目立ってきていて、ベビーは今日も元気にポコポコ動いている。
わたしは自分の理想どおりの親にはなれないかもしれないけど、そういう自分も受け止められるようになったら人間的に一回り成長できるのかもしれないな。どうかな。

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