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#33 メイクセンスなわたし|思考の練習帖

『世界標準の経営理論』、ミクロ心理学編の最終回。
最後は第23章の「センスメイキング理論」だ。

ミクロ心理学編の目次👇

▼「リーダーシップの理論」

▼「モチベーションの理論」

▼「認知バイアスの理論」というかダイバーシティの話

▼「意思決定の理論」

▼「感情の理論」

センスメイキングで未来を切り開く

センスメイキングって一体なんのこっちゃと思っていたら、”makes sense”のあれのことだった。それは日本語でいうところの「納得」であり、「腹落ち」の理論である。

より厳密には、「組織のメンバーや周囲のステークホルダーが、事象の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させるプロセスをとらえる理論」と考えていただきたい。

『世界標準の経営理論』

とある。
不確かで曖昧で複雑なこの世界で、道標となるような何かを感じ取って、それを仲間と共有して、切り開いていく。その基盤となるのがセンスメイキングというわけだ。

①環境を感知する

センスメイキングには三つのプロセスがある。一つ目が、環境の感知。
危機的な状況や、アイデンティティが脅かされるような状況、あるいは意図的に大きな方針転換などの変化を起こそうとしている状況が最初にある。その状況をまず感知することからセンスメイキングは始まる。

②解釈を揃える

同じ環境に身を置いていても、そこから感知したものの意味合いは人によって異なる。

すなわち、この世は多義的になる(=意味合いが多様になる)のだ。

『世界標準の経営理論』

しかし、みんながみんな違う方向を向いていたらセンスメイキングは為し得ない。あふれかえっている多義的な解釈の足並みを揃えることが極めて重要となる。それはリーダーが一つの明確なビジョンを掲げることであり、さらにはそれが組織内に名実ともに浸透することである。

③行動・行為(enactment)

組織は、解釈の足並みを揃えて、実際の行動に出る。組織は行動して環境に働きかけることで、環境への認識を変えることができる。

多義的な世界では、「何となくの方向性」でまず行動を起こし、環境に働きかけることで、新しい情報を感知する必要がある。そうすれば、その認識された環境に関する解釈の足並みをさらに揃えることができる。このように、環境に行動をもって働きかけることを、イナクトメント(enactment)という。

『世界標準の経営理論』

ああ、そういうことか。
これは大いに心当たりがある。今、わたしは人間相手の仕事をしているが、「これをしたら正解」というのが明確にあるわけではない。まさに多義的な世界に放り込まれていて、どっちに進めばいいか本当のところは確信がもてていない。それでもどっちかを決めて進まなくちゃいけない。
だから、「何となくの方向性」を決めて行動を起こし、とりあえず働きかけてみる。そうすることで新たにアセスメントの材料が出てくるし、どうしたらいいかが少しはっきりしてくるのだ。まずやってみる、やってみた結果を共有して次の一手を考えて、チームの方針が固まってくる。この循環プロセスを、思えばわたしたちはずっと繰り返してきたのだ。

なるほど、だからわたしが自分の仕事に求めているのはきっと、このセンスメイキングなのだ。
そして、センスメイキングでいちばん重要なのは、イナクトメント。動くから見えてくるものがある。休まず、腐らず、動き続けるしかないのだ。


今日はここまで。

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