柊ツルギの面白さ

柊ツルギが面白い。私はヴァロラントコラボをやっていた時期に切り抜きで知り、VCRGTA2からそれなりの頻度で見ている程度の視聴者だ。そして彼は今twitchで同接2-3万人を集めるインフレを引き起こしている。今回はそれについて感じたことのメモ書きを残したい。ここで書かれていることは私というにわかファンから見た柊ツルギ観であり、より熱心なファンにとっては的外れ甚だしいかもしれないし、彼に限った話でもないかもしれないが、偶然初期からそれなり見ていた人が急速に人気を集める過程を経験したことがなかったので、その理解をまとめるのが目的である。以下の文章は「~と私は見て感じた」を加えて読み込んでほしい。

ざっくり遍歴まとめ

彼はヴァロラントコラボ時点で初対面の他箱の先輩に大胆に絡みに行く態度が印象的だった。

そしてVCRGTA2で葛葉に気に入られ、お肉の組入りしたことで大きく衆目集めることになる。

その後、配信者が集うメタバースの楽しさを知った彼はストグラに参加、川上(fps_shaka)と仲良くなりつつも、ギャングに思い出のアイテムをロストさせられたことへの報復を画策中、という状況に至った。

ストグラではVCRGTA2とは異なりロールプレイの重要度が高い。そして白市民(犯罪してない人物)がギャングだと判明している人物に対して失礼を働くと「ナメている」ということになり、大なり小なり報復されることになる。後ろ盾の無い白市民はギャングに対して泣き寝入りしかできないのが通例である。しかし自身のロールプレイキャラの人生を賭ける、つまりその後のギャング側の報復を度外視すれば白市民でも報復できるかもしれない、というハラハラした状況は多くの衆目を集め、直近の配信では同接3万人以上を集める事態となっていた。なお、本メモ時点(2024-01-11から12にかけてのtwitch配信)ではこのまま突っ走ることはロールプレイの範疇に収まらない迷惑をかける危険性があるということで、うまく折り合いをつける道を模索中のようだ。

本題、彼のVtuberとしての運用方針

私がメモしておきたいのは、一貫して続く彼のVtuberとしての運用方針である。まず彼は現在主流の、配信者と積極的にコラボして注目を集めたいタイプのVtuberである。その方針のため、配信者間のコミュニケーションについて事前に良く観察していると感じる。彼の方針を簡単に言うなら、ライン超えしないギリギリまで相手に踏み込む運用である。それが彼を押し上げ、先日のストグラで来るところ(ラインのギリギリ)まで来た感じがする。

配信者間のやり取りにおいて「全く失礼にならないライン-上辺の失礼になるライン-反感を買いマジで燃えるライン」のグラデーションがあると仮定する。このグラデーションは配信者本人が失礼に思うかどうかというより、配信者の視聴者やその周辺にとってのラインである。また、上辺の失礼とは視聴者目線で一見失礼に当たるが配信者間で料理されることで面白さに変換されうる失礼さのことを指す。例えばキモい言動やチームプレイのゲームにおけるトロールなどは笑ったりイジったりしてくれる相手あってのものであり、真面目に受け取られると失礼に当たってしまう。

リスクを取らない場合を考えてみる。その場合「全く失礼にならないライン」に抑えようとするが、これだと場が動かず面白い会話にはならない。この場合相手と仲良くなって相手とその視聴者の信頼を得てから「上辺の失礼になるライン」に徐々に超えていくのがセオリーということになるだろう。これは堅実で燃えづらいというメリットがある反面、偶然によってバズを引き起こす機会が少なくなるし、新しく面白い出会いを求める大物配信者に注目してもらい、コラボで引き上げてもらう機会にも巡り逢いづらいデメリットがある。

一方彼はプロレスをかなり重視している。先程のラインで言うと、初対面から「上辺の失礼になるライン」以上「視聴者の反感を買いマジで燃えるライン」未満を狙っており、その狙いにプロレスの冒頭となるような隙だらけの言動を投げ込み続けている。あまりにも隙だらけなので、そのうちリスクを取っているというより配信者はプロレスを売られたら買うものであるという規範めいた信念を感じるようになった。自分がツッコミどころだらけならば、相手のアイデンティティを否定しない限り常にその振る舞いはプロレスの種になるし、いざプロレスが始まれば相手の能力を借りてwin-winな撮れ高を作り出すことができる。つまり彼はそれがプロレスに収束する限り、初対面であっても積極的に失礼を持ちかけていくことのwin-win性を理解しているのだ。

彼は上記の方針により、少ないチャンスを着実に掴んできた。しかし運が悪かったのは、ストグラという媒体がロールプレイという枠の上に成り立つエンタメであり、プロレスに辿り着けない場合があるということだろう。今回は白市民と黒市民の関係がそうであった。最近のストグラの彼はヒリついた展開が続いているが彼自身の面白さには間違いないので、今後も応援したい。

追記 (2024-01-15)

お疲れ様でした。オチの付け方にかなり苦しんでいたようで、配信中に画面を閉じて一人苦悩を語るシーンもありましたが、爽やかな終わりになって良かったです。

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