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中小企業診断士受験生ものがたり 第6話 「R4年度一次試験」

R4年7月。
診断士無言勉強会(無言勉強スペース)の主催を降りたが、継続して勉強は続けていた。そして、7月に入り8月の一次試験まで残り1ヶ月となり正に直前期となっていた。

一次試験は人によっては、二次試験まである中小企業診断士試験において予選と言われたりするが、私自身は全くそのように思っていなかった。有難いことにこの時期にはXのフォロワー数も増えており「コツコツさんなら一次は受かるでしょ」と言われることも増え、「一次試験は落ちるわけにはいかない」というプレッシャーを常々感じていたからだ。

ここで中小企業診断士試験をご存知ない方のために一次試験の概要について紹介する。一次試験は全7科目で各科目マークシート式で100点満点で全700点・合計420点(60%)以上取ると合格となる。ただし1科目でも40点未満を取ると足切りとなり不合格となる。このため、どの科目も満遍なく取るのが合格のコツである。そして7科目の陣容は以下の通りである。

1日目
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理

2日目
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策

このような試験のため私が立てた作戦は「本試験を問いているときに体感値として1科目50点奪取できれば大成功」としていた。本試験は、初見問題ということもあり想像以上に難しく感じる。また2日間の長丁場を戦う試験なのでメンタルの維持も大切な要素である。そのため過度に高い点数を目標にして体感値で点数が取れない場合にメンタルが崩壊するので半分の50点を取ることを目標にしていた。(残りの50点はマークシートの確率的には20点ほど取れるので十分に合格点に到達する)

7月中旬になり受験票が届くと、Xでは受験生たちが「○○会場になりました!」といった投稿が増え一種の祭りとなった。私の受験地である東京の会場はいくつかあるので、どの会場になるかは受験票が届くまでは分からなかったが、私の会場は上智大学(四谷)になった。上智大学は行ったことはなかったが、最寄り駅からも近く色々な交通機関で行けるので所謂アタリ会場であった。そして受験票が届いた後は正に超直前期となり毎日最後の詰めを行い、気づけばあっという間に一次試験の日となった。

迎えた本試験初日の朝。
妻と子供たちに「頑張って」といってもらい、ほど良い緊張感を持って会場に向かっていった。そして会場の上智大学に着くと、席も一番後ろであり比較的広く使えたので中々良い環境であった。なお、私の得意科目は「経済」と「財務・会計」で、苦手は「法務」と「情シス」であった。各科目50点は目標としつつも初日で少しでも貯金できたら良いなと考えていた。そして私はXを閉じ本試験が始まるのを席で待った。

会場の上智大学
緊張しました〜
試験会場案内

そして緊張する中で「経済学•経済政策」が始まった。
問題を解いてみると、ここ数年(R2年・R3年)に比べ難しく感じた。いわゆる難化である。それでも全体を終えた後で50点は取れていると感じたので、まずまずなスタートを切れたと感じた。重要なのは、得意なのに50点しか取れなかったと思うのではなく、作戦通り50点取れたことを良しとするメンタルである。

そして次の「財務・会計」となった。
これもそこそこ難しい。それでも全体を終えた後で50点は取れていると感じたので、これもまずまずに感じた。

確かに難しいが大崩れはしていないだろう。そんな感覚をえて、3科目目の企業経営理論になった。そして、この時、企業経営理論の問題を解いている時にメンタルをやられる大ミスに気づく。

「あっ!やばい 経済と財務でミスしてしまった😨😨😨

なぜか企業経営理論を解いているときに経済と財務のミスに気づいてしまったのだ。大した見直しもせず選んだ選択肢が誤っていることに気づいた。全体で4問ほどあったので16点ほどの失点であった。

「これは想像以上に点が取れていないかも😨・・・」
「他で取らないとまずい😨・・・」

そして焦る気持ちで企業経営理論を終え、4科目目の運営管理は、経済と財務と同様のポカミスをしないように何度も見直しをした。特に計算問題は何度も繰り返し解き絶対間違えをしないように注意した。

そして2日目の朝。
前日の失敗からあまり眠れなかった。「今日は本当に落とせない。」と強いプレッシャーを感じていた。だが得点を大きく稼ぐのが見込めない3科目であったのでかなり焦っていた。妻も私の様子を見て明らかにおかしいと思ったようであった。「まずい。まずい。まずい」心の中でずっと焦りながら、足取り重く再び上智大学に向かった。

そして不安な気持ちを抱えたまま経営法務となった。
経営法務はかなり細かい論点を問われるので例年平均点が低い科目であるのでかなり不安であった。だが問題を解いてみてその様子が変わった。1問目・2問目と解いてみると明らかに例年と傾向が違うことがわかった。

「解ける!これはいけるぞ!」

過去最高に易化した年と捉え絶対にミスしてはならないと何度も見直しをして集中して解いた。そして、情報・中小を無難に終えて私のR4年の一次試験が終わった。初日はやらかしが多かったが、(良い意味での)想定外の経営法務の易化で試験後としては何とかなったかなという感覚を持って終えられた。

そして、2日目の試験を終えたその夜、診断士予備校KECさんの解答速報で自己採点をしてみることにした。この自己採点は非常に緊張したのを覚えている。そして自己採点後を終えた後にした投稿がこちらである。

中小企業診断協会の公式回答による自己採点ではないので正確な点数ではなかったが、ほぼ合格点を超えることが確実となった。この結果から、多くの方から祝福をいただき、SNSの勉強垢にとって至福の瞬間を経験することができた。こうして、私は無事に一次試験合格を勝ち取り3回目の二次試験に駒を進めるのであった。

(第7話へ続く)


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