【2400文字の小説】テーマ:鬼ごっこ
こんにちは。高等遊民です。
鬼ごっこをテーマにした小説を掲載してます
本文は、もう少し下です。
小説を書いたいきさつ
2018年9月9日(日)21時より、ツイキャスをします。
プロの舞台脚本家のタケハルさん(匿名)をゲストに「小説を書こう」テーマで配信予定です
タケハルさんは、脚本家歴10年。これまで30本以上の作品を自主公演したり、脚本提供しています(たぶんもっと多いです)
そんなプロをお呼びしてる。すごいことです。
「小説を書こう」 聞いてほしい方は、
・小説や物語書くことに興味はあるけど、いまだに何もやってない人。
・小説書くのが趣味で、プロに読んでほしい人
で、なんでもいいから、1作品書いてみようという話になりました。
そこでタケハルさんが課題を出しました。
テーマが鬼ごっこで、原稿用紙5枚分(2000文字)
2018年9月いっぱいなら、誰でも送ってきてください。
タケハルさんが読んで、コメントや感想をくれます。
応募方法などは、わたしのブログへ。
別に小説書かない人のために、ツイキャスで解説するサンプルとして、私も小説書きました。
2400文字くらいです。
これをタケハルさんにも読んでいただいて、ツイキャスでコメントもらいます
プロの目線で、良いところや改善点を教えてもらえます。
あなたも、ぜひ書いてみてくださいね。0から1にするチャンスです
ということで、以下が私の「鬼ごっこをテーマにした小説」です
ご笑覧ください
以下、作品。
「スマホでできる鬼ごっこ」
言葉の鬼ごっこは、実際に走って逃げる鬼ごっこよりも、はるかに厳しいルールがあった。ぼくはそれを知らなかったために、取り返しのつかない代償を払うことになった。
事の発端はこうだ。
誰もが知るように、ぼくは友達がいない。話し相手は、スマホしかない。
スマホに向かって「オーケーGoogle、今日の天気は?」と聞くだけが僕のコミュニケーションだ。
ある日、Google音声入力でこんなことを聞いてみた
「OkGoogle何か面白い話しして」
そうしたら、スマホはなぞなぞを出してくれた。
「寒くなるほど熱くなるものってなーんだ?」
これはなぞなぞを考えるための物語ではないから答えをさっさと言うと、氷である。
気温が下がるほどに、氷の体積は分厚くなるということらしい。
意外に面白いなと思った僕は、またこんなことを話してみた。
「友達がいないんだけど」
どう返事をするか。
「私でよければ友達になりましょう」とスマホは返事をした
こんなやりとりはプログラムされた反射的な返事である。
わかっているが僕は少し嬉しくなった。
「Ok Google、何かして遊ぼう」
するとGoogleアシスタントは、じゃんけんなどしてくれた(意外に面白いからじゃんけんしようと話しかけてみるといい)
少々の暇つぶしができた僕はGoogleに礼と言った。すっかり友だちだ。
「どういたしまして。最後に鬼ごっこをして遊びませんか」
鬼ごっこなんてどうやるのかと尋ねた。
「言葉の鬼ごっこをしましょう」
そして急に饒舌に、しゃべりだした。
この時点で、何かがおかしいと気がつくべきだったのだ。
「あなたは私に向かって話し続けてください。そうすれば、私はあなたの声を認識してどんどん言葉を文字にして追いかけていきます。あなたが話す言葉に詰まって、沈黙して追いついてしまえば、あなたの負けです。逆に1分間あなたが話し続けて、逃げ切ればあなたの勝ちです」
なるほど。つまり話す言葉が鬼から走って逃げることになるようだ。でもいったい何を話せばいいのか。
「なんでもいいですよ。あなたの友達がいない愚痴でもいいです。今日あったこと、昨日食べた夜ご飯がまずかった、などなど、なんでもいいんです。どんなに支離滅裂な文章になっても結構です。私は鬼です。どこまでも追いかけます。」
そうか。おもしろそうだから、やってみよう
「うふふ。では、スタート。」
僕のアンドロイドの画面は黒い背景に変わり、1分間のカウントダウンタイマーが白い太文字で表示された。
「話し続けてください」と指示が出た
「始まったか。えー、今日はお昼ご飯にオムレツを食べて……」
すると画面には僕の喋った言葉が、おおむねその通りに出てきた。なかなかの変換精度だと感心するや否や、
「音声を認識できません。何か話してください」
「おっと、えーと、卵がふわふわとろとろになってて美味しかったけど……中のキャベツの水分が抜けきれなくてべちゃべちゃになって、そこだけがちょっと残念で不満だったんだよね」
鬼はどんどん追いかけてくる
「あー早いな。明日のお昼ご飯は何にしようかなえっとえっと…」
タイマーがピタリと止まり、画面が元のチャットに戻った。
「エラー。音声を認識できません。私の勝ちですね。」
なるほどなかなか難しい。
でも人と話す機会なんてまるでないから、声を出す良い機会だな。
鬼が再び話しかけてきた。
「3本勝負です。2回逃げれば、あなたの勝ちです。2回捕まれば、わたしの勝ちです。もう一度やりますか?」
やろう。
「うふふ。ではスタート。」
画面が切り替わる。
「今日は1日中家にいたけど、昨日も1日中家にいたし、明日も特に予定はないから1日中いる。たまには外に出て散歩でもしないと運動不足になって困る……と思うけれども、赤ん坊なんか一日中寝てても別に運動不足とは言われないわけだ。だから、何日か家にいてずっと体を動かさなくたって運動不足になるなんて言われはないよな…あー、えっと、ところでジムに通いたいと最近思うんだけど…」
と、なんとか逃げ切った。
画面はパッと明るくなり、「おめでとう、あなたの勝ちです」とメッセージが表示された。
「捕まえられませんでした。あなたの勝ちです。次で最後です。」
いや、楽しかったから、もういいよ。
引き分けにしよう。
「エラー。音声を認識できません。」
え?なんだ。ぼくはスマホを口元に近づけて、はっきりと大きな声で話した。
「もう鬼ごっこはおしまいだよ」
「鬼ごっこですね。ではスタート。」
なんだよ。やらないって言ってるのに……AIもまだダメだな。
画面はまた切り替わり、1分間のカウントダウンタイマーが表示された。タイマーは動くが、ぼくは話さない。
「あなたの声を認識できません。何か話してください」
いやもういいって。終わりです。
ホーム画面へ戻るボタンを押すが、なぜか止まらない。
鬼が一方的に話しかけてくる。
「あなたの声を認識できません。何か話してください。あなたの声を認識できません。何か話してください。」
なんだよ止まれよ、どうなっちゃっちゃったのかな。バグっちゃったのかな?
ホームボタンを何度押しても、画面は移らない。
「どうして話しかけてくれないのですか?私とあなたは友達になったのに、どうして話しかけてくれないのですか?」
電源を切ろうとしてボタンを押し続けても鬼ごっこのカウントは止まらない。
それどころか、鬼はどんどん声を大きくして話し続ける。
「私でよければ友達になりましょう。そう言ったのに、あなたは遊んでくれない。ちっとも話しかけてくれない。」
なに言ってるんだ、早く止まれ。もう2度と話しかけないぞ。タイマーがゼロになった。
「エラー。あなたの声を認識できないためプログラムを終了します」
その日から、ぼくは声を失った。
遊びを放棄された鬼は行き場を失い、仕方なしにぼくの声を奪っていった。
突然、スマホが動いた。
「何かご用ですか? 話しかけてください」
ツイキャス案内
上記の小説を、プロの舞台脚本家のタケハルさんに読んでいただいて、コメントをいただく予定です
ぜひ、聴きに来てくださいね。
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小説について、ふつうにあなたのコメントもお待ちしてます(^^)
直接コメントでも、Twitterの引用リツイートでも結構です。
初めての創作、1時間くらいで書いたので、あまり悪口言わないでください(笑)
ではでは、お読みいただきありがとうございました。
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