ご存じですか?児童の施設措置数

105名を知っていますか?

江東区から児童養護施設へ措置されている子どもの人数です。措置先を地域別に見ると、区部施設:49人、市部施設:22人,都外施設:34人となっています。都外施設は房総地区の総武線沿線に4ヵ所、常磐線沿線に2カ所あり、東京都東部地区は都外施設の比率が高くなっています。地域的に近いので措置し易かったかもしれません。

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数値の出所は、東社協の児童養護部会が平成29年10月に東京都下の各施設に問い合わせた調査の結果です。区の人口の違いや地域特性によって、区の措置人数が違ってきますが、100人以上を措置している区は8区でした。残りの区と比較してこの数字をどう考えたらいいのでしょうか。参考までに23区からの措置数の合計は1.986人で、一般的には人口に応じて措置数も増えるのですが、地域の事情でいろいろな解釈が可能でしょう。

なお、この調査結果は年により異なり、特に2020年はコロナの影響で人数が減っています。しかし、この構成は10年前とほぼ同じ傾向を示しており、大きな変化が見られません。社会の構成や生活の背景はそんなに変わるものではないことが分かります。 


変わらない施設措置数

東京都の入所措置数の推移を見ると、ここ30年くらい人数に変化が余りありません。この1,2年は若干少なくなっていますが、おおよそ3600人台が維持されています。措置数は施設の定員を意味しており、子どもの状況によって決まっているのではないのが実情です。12月に掲載したコラムでも触れておきましたが、措置数はその国や社会の考え方が反映しており、言葉を換えれば政策意思によって決まると言えます。

欧米と比較してこの3600人台を日本社会の未熟性とは言えるでしょうか。日本の児童福祉は財政的に低い位置にいると言われていますが、親子分離をしなくて済むのであれば、子どもにとって家庭と地域が機能していることを意味します。日本がお金を掛けてどんどん保護する方向に進むのか、地域で家庭を支援しながら親子の暮らしに拘って進むのか、皆で知恵を出し合いたいと思います。

青葉紘宇


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