朗読:食事の流儀 焼き鳥屋酒飲み編        (一人用)配信、題材、教材使用OK

酒を飲む。最初の一杯
今日は赤提灯が眩しい焼き鳥屋…入り口横にはガラス窓で仕切られた焼き場が見える…昼時から夕暮れまでは夕飯や旦那のつまみを求める奥様方やいつでも酒を飲める隠居や落伍者を相手にしている、まさに酒飲みの為の焼き鳥屋
 取り敢えず生とはよく言ったもんだが、料理も食うならサワーも悪くない。勿論ビールも良い。ただ、生とお通しって合わない時が多い。
枝豆が来るならばビールと合うが、きんぴらや切り干し大根の煮物だとどうしてもビールが強すぎてお通しが霞んでしまう
サワーならば大体のお通しと合うし、気にならない
 今日の一杯はサワーだ、やっすいレモンサワー。お通しはマカロニサラダだった
これは地味にビールにも合う、クニクニのマカロニ、マヨネーズに薄切りのハム、茹でられた薄めのニンジン、店の特徴である粗挽きの胡椒
一瞬ミスった!と思うがレモンサワーに勿論合う
レモンサワーは大体の料理に合うのだ、気にしてはならない
さぁ今日の一品目は焼き鳥盛り、しかも塩だけだ
焼き鳥屋で焼き鳥を頼むのにタレが無い?いいんだよ、今日はレモンサワーが有って、お通しのマカロニサラダがある
酒を飲む時における“こってり力”の拮抗を目指すという物がある
これは酒とつまみにおけるこってりとさっぱりの力が拮抗する様にオーダーすると心地が良いといものだ
先ずはレモンサワーこれはこってり力-2これがビールだとこってり力は±0(以降面倒だからこってり力は言わない+と-が有ればわかるだろう?)そしてマカロニサラダは+1
そして塩の焼き鳥盛りは+1だこれがタレだと+3になる。今はまさに拮抗した最高の瞬間だ…
しかし初っ端拮抗した状態だと店主に、この客は一杯飲んで焼き鳥をつまんで帰るやっすい客だと思われてしまう
焼き鳥屋におけるこってり力と言うものは計算がしやすい
 ここで頼むのは鳥の煮込み+3とはじかみ-2ここで一瞬こってり力を+1にする
この焼き鳥屋の鳥の煮込みには基本前日の鳥の残りや鳥を処理するうえで出たくず肉が入っている。特にレバーが入ってると一段と風味が良く、一緒に煮られた大根にごぼう、赤色が鮮やかなニンジン、コンニャクが嬉しい
味噌味に気持ち太めのショウガで煮られてネギを散らされたこってりとした煮込み
はじかみは皆知ってるね?分かりやすく言えば生の新生姜。これがまた美味いのだ。
 さて盛り合わせに煮込み、お通しにマカロニサラダ、そして一杯のレモンサワー
こってり力云々言っているが最終的に美味しいものを食べて酒が飲めればそれでいい
こってり力なんてのはいわば一つの安全装置
満足しているなら関係ないし、不満の有る食事ならこの言葉を出して自分に至らない所が有ると思ったり、こってりしすぎたー!あっさりしすぎたー!と思ってもう一軒!とすればよいのだ
逆を言うならばしっかりと±になるような飲食をして満足しない食事をしたのならば…まぁ何も言うまい。そんな日もあるさ
そして今日は満足感の有る食事をした
味の子細は無い!そんなグルメでもない、ライターでもないんだ。美味い不味いだけで一般人の食レポなんてそんなので良いんだ。
さぁ家に帰ってシャワーを浴びたら寝よう
今度の食事は何にするかと焼き鳥屋にシツレイだが考えながら家へと歩を進めた


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