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組み -空間のなぞ-

本を読まないで本を見るということをする。

小取舎創立から一年ちょっと。もちろん本の組みもするわけですが、皆さん本って見てますか?読んでいるのではなく。例えば皆さんの家に書籍が一冊もないってことはないと思いますが、ちょっと手にとってパラパラとめくってみてください。文字がつらつらと書かれていますね。そのページの上と下(天と地)に隙間がありますよね。どちらか一方が同じバランスではなく空いていませんか?これ、なんでしょう。

ページ数(ノンブル)や章タイトルが入っているから空いているスペース?にしては空きすぎじゃないかという本があります。自分が書籍の組みをするようになってなんじゃこれと思いました。今まで何気なく読んでいた本もその視点で見ると一体どんなルール?何mm空ければいいんだと。

調べようと思って近くの図書館に足を運ぶもなかなかそれについて書かれている本がない。雑誌用のデザインの本はたくさんあるし、フォントや字間行間などについて書かれている文字組みの本はあるのだけれど、書籍の謎の空白について書かれている本がなかなか見つからない。昨年12月に大阪に行く用事があって、ジュンク堂書店でも探しましたが、ない。ネットでも調べましたがヒットせず。

・・・。

これはもう感覚なのですかね。空白が増えると何かしらスッキリとオシャレに見えたりします。空間の美というか。空白が増えることによって必然的に1ページに収まる字数が減って、つまりページ数を増やす調整ができるメリットもあるのだが、それは副産物的なことであるような気がする。

文字組みのブロック自体は、文字サイズと1行の文字数の計算で割り出しているとしても、それ以外の上と下の空白から、ノンブルや章タイトルの幅を引いた空間の幅が天地で違うのはどういうことだろう。たまに空いた空間に飾りがあったりするが、この飾りがデザイン的に必要だからこその空白なのか、空白があるからここに飾りをつけたのかわからない。この空白の中に黄金比とか隠れているのだろうか。うーん・・・。論理的なルールを知っている方は教えてください。

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